
大好きだ!だから監禁します!
ストーカー男に拉致され、檻の中に監禁されてしまった女性の運命を予測不可能な展開で描き、2016年の第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭で脚本賞を受賞した異色のサスペンススリラー。

30秒でわかる!映画『ペット 檻の中の乙女』の結論と評価
- 作品の評価・感想:★4.0!B級ホラーの定石を完全に粉砕する、変態の血が騒ぐスリラーの隠れた名作。
- ストーリーのどんでん返し:モテないストーカー男(ドミニク・モナハン)が美女を監禁。しかし、その美女は男の想像を絶する「快楽殺人鬼(サイコパス)」だった!
- 見どころ:中盤からジワジワと逆転する「主導権争い」。檻に閉じ込められているはずの女に、なぜか外にいる男が支配されていく圧倒的な恐怖。
- 結末・ラストの意味:サイコパス女子がストーカー男を「自分専用のペット」として一生飼い殺すという、異常すぎる愛(?)の究極形態。

これ久々のヒットでしたわ~!予想を完全に覆される展開には久々に「おおっ!」となっちゃったっス。ホラーを見飽きているマニアな方には、最高に刺さる1本ぜよ!
『ペット 檻の中の乙女』作品情報・キャスト一覧
本作は、熱狂的な映画ファンが喜ぶ『未体験ゾーンの映画たち2017』で上映された作品でもあります。『ロード・オブ・ザ・リング』のドミニク・モナハン演じる哀愁漂うストーカーと、クセニア・ソロ演じる冷酷なサイコパス美女の狂宴が見どころです。
| 映画タイトル | ペット 檻の中の乙女(原題:Pet) |
|---|---|
| 公開日 | 2016年3月11日(SXSW初上映) 2017年2月25日(日本公開) |
| 監督 / 脚本 | カルレス・トレンス / ジェレミー・スレイター |
| ジャンル | サイコロジカル・スリラー / ホラー |
| 主要キャスト | セス:ドミニク・モナハン ホリー:クセニア・ソロ クレア:ジェネット・マッカーディ エリック:ネイサン・パーソンズ |
海外レビューと賛否両論の理由
本作は、アメリカの映画批評サイトにおいて真っ二つに評価が分かれています。Rotten Tomatoesでは支持率56%(平均5.16/10)、Metacriticでは48点と、まさに「賛否両論(Mixed or Average)」の結果となっています。
| 評価のポイント | 批評家からの意見 |
|---|---|
| 好意的な評価(賛) | 「弱者が虐待者に逆襲する」という伝統的なスリラーの形式を破壊した点を高く評価。主演二人の緊迫した演技と、サディズムとブラックユーモアの融合がスマートであると称賛されました。 |
| 否定的な評価(否) | 「非現実的でバカバカしい」というプロットの飛躍への批判が殺到。後半になるにつれて「いったい何を見せられているんだ?」と困惑する評論家も多く、展開の強引さがマイナス要因となりました。 |
一言で言えば、「真面目なサスペンスを期待した層からは低評価」「B級ホラーのぶっ飛んだ展開を楽しめる層からは高評価」という、完全に観る人を選ぶカルト的な魅力を持った作品と言えます。
【警告】全編あらすじと狂気の結末(ネタバレ)
タップして結末までのネタバレを読む
恋しちゃったから閉じ込めました
動物保護センターで働く見るからにモテなさそうな男・セス。彼はバスで偶然見かけた同級生のホリーに一目惚れします。
SNSを使って彼女のことを調べ上げ、執拗にアプローチするも玉砕。完全なストーカー野郎と化したセスは、ホリーの家に侵入して彼女を拉致し、職場の地下に作った檻に監禁してしまいます。状況が飲み込めない下着姿のホリーに対し、セスは「君を救うためにやった」と不気味に語りかけます。
マジですか、サイコパス?
ここから物語は急展開を迎えます。実は、檻の中にいるホリーは次々に殺人を犯し、それに喜びを感じる恐るべき快楽殺人鬼(サイコパス)だったのです。
彼女の側にいる「空想の友達(クレア)」は、過去に彼氏と浮気したためホリー自身が刺殺した親友の幻覚でした。セスは彼女の隠された日記を盗み読み、ホリーがこれ以上殺人を犯さないよう「保護(監禁)」することで、自分の人生の目的を見出していたのです。
主導権を握るのはどっちだ?
檻の中にいるホリーと、外にいるセスによる異常な心理戦が始まります。ホリーの異常性を知りながらも彼女を愛するセスは、圧倒的なホリーの狂気(サイコパスぶり)に次第に支配されていきます。
地下室に近づいた同僚のネイトを、ホリーの指示通りにセスが殺害。さらには、ホリーの「愛を証明しろ」という言葉に従い、セスは自らの指を切り落とすまでになります。しかしホリーは、セスのナイフを奪って「私を解放しなければ自殺する」と脅し、見事に立場を逆転させてしまいます。
結末:新たな「ペット」の誕生
事件からしばらく後。ホリーは元カレのエリックとヨリを戻し、日記の殺人は「フィクションの小説」として出版されていました。平穏な日々に見えましたが、ホリーはある廃倉庫へと向かいます。
そこには、檻の中に監禁されたセスがいました。彼は生きているものの、酷く拷問され体を切り刻まれていました。ホリーはセスに対し「私の殺人衝動の捌け口になってくれて、私を“救って”くれてありがとう」と告げます。セスはホリーに一生飼い殺しにされる「文字通りのペット」となり、物語は幕を閉じます。
元プロボクサー目線で斬る!リング(檻)の中の主導権争い
序盤の「モテない変態男が美女を拉致する」というホラーの定石を、中盤で「実は女の方がヤバい奴だった」とひっくり返す脚本が見事です。
ボクシングの世界でも、ロープやコーナーに追い詰められて絶対的に不利に見える選手が、一発の強烈なカウンターで形勢を完全に逆転させることがあります。本作のホリーはまさにそれです。
檻の中という「身動きの取れないリング」に上げられながらも、彼女は言葉のジャブとサイコパス特有の狂気という見えない拳で、外にいるセスのメンタルをゴリゴリと削っていきます。
そして最終的に相手を精神的にノックアウトし、完全な「自分のペット」として支配してしまう。このメンタルコントロールの恐ろしさは、ある意味で肉弾戦の格闘技以上のスリルと恐怖があります。
設定では同級生ですが、当時女優は29歳、男優は40歳という現実の年齢差も、セスという男の哀愁と「格下感」を際立たせる絶妙なスパイスになっています。

よくある質問 (FAQ)
『ペット 檻の中の乙女』は実話に基づいていますか?
いいえ、本作は完全なフィクションです。脚本家のジェレミー・スレイターが書き上げたオリジナルストーリーであり、その予測不能な展開と心理戦が評価され、シッチェス・カタロニア国際映画祭で脚本賞を受賞しています。
本作と似たような狂気を感じるおすすめ映画はありますか?
マニア向けのヤバい映画たちを集めた『未体験ゾーンの映画たち』シリーズや、快楽殺人をテーマにしたスリラーがおすすめです。過去のブログ記事で紹介している以下の作品もぜひチェックしてみてください。
- 【狂気の殺人の才能】『殺人の才能』
- 【戦慄の狂人】『ハンティング・パーク』
- 【異常な晩餐会】『インビテーション』
まとめ:変態とサイコパスの予測不能なカウンター戦を見逃すな!
『ペット 檻の中の乙女』は、王道の監禁スリラーかと思いきや、途中で完全に主導権が逆転する異色のサイコ・ホラーです。グロテスクな描写や突っ込みどころも多々ありますが、それ以上に「どっちが狂っているのか」という極限状態の心理戦が楽しめる、スリラー好きにはたまらない一本に仕上がっています。

















