
血を吸う粘土

「血を吸う粘土」は、トロント国際映画祭2017 ミッドナイト・マッドネス部門2017正式招待作品。地方の美術専門学校を舞台に、怨念のこもった粘土の封印を解いたことから、阿鼻叫喚の粘土地獄が広がっていく様を描いたホラー作品です。
監督、脚本は梅沢壮一。ホラーマニアの間では有名な「ABC・オブ・デス2」の一編で監督を務めたこともあり、これが長編映画これが初デビュー。
主演は講談社主催のオーディション「ミスiD 2017」グランプリの武田杏香、共演に同じく「ミスiD 2017」受賞者の杉本桃花、藤田恵名、牧原ゆゆ、他にもベテラン俳優、黒沢あすか、津田寛治が出演という豪華なのか?違うのか?よくわからんキャスト陣です。
あらすじ
とある地方の美術専門学校。東京から転入してきた日高香織は、建物の倉庫にビニール袋に入れて置いてあった乾燥した水粘土の粉に水をかけ、粘土に戻してしまう。しかし、その粘土は無残な死を迎えた彫刻家の激しい怨念がこもった悪魔の粘土だった。その粘土“カカメ”は専門学校の生徒達を一人また一人と取り込んで怪物と化していく・・・。
予告編
東京への劣等感と”血を吸う粘土”カカメ(ネタバレあり)
東京の美大予備校での修行から戻った生徒は粘土が足りなかったため、倉庫にあった古い粘土を使用することに…。何か違和感がある粘土、カッターで手を切ったその生徒の血が粘土に落ちたと思った瞬間、血は消えていた。粘土が血を吸った…?その粘土は、非業の死をとげた彫刻家の怨念のこもった粘土だったのだ。粘土は生き物の様に動き次々と生徒を襲いだす。
完全にB級なんですけど、不思議な魅力のある映画でした。
呪いのかかった粘土がノロノロと虫の様に蠢き、そして人を襲う。その様子はちょっと笑える様な感じなんですが、恐ろしくもあり、キモくて怖くもある…。
低予算だけにB級臭満々なんですけど、特殊メイクアーティストの達人である監督らしさが盛り込まれていて、要所要所にマジで凄いグロテスクっぷりを披露‥。
終わってみれば、凄いホラー映画なんだか、B級ホラーなんだかわからない感じ💧
梅沢壮一に監督に、いい脚本家つけて予算をふんだんに与えて映画作らしたらどうなるんだろう‥?
そういう期待感を残した作品となりました。
キャストも面白いんですよ。
メインとなる美術女子学生たちには、ミスiD2017の武田杏香、杉本桃花、藤田恵名、牧原ゆゆが出演。

調べてからアイドルということが分かったんですが、この子たちも芸能人臭がするほどの美人では無くて‥普通にいる様な感じじゃないっスか。
で、演技も上手く無いからB級っぽさを助長させてはいるんですが、これがまた悪く無い。
ブスでは無く、そこそこなだけに‥何か楽しく最後まで観ることができたんですよね。
また、このメンバーで女性特有のドロドロを演出してくれます。
武田杏香と藤田恵名のバチバチな雰囲気とか、牧原ゆゆの"あざとさ"とかね。
そして地方ならではの東京への劣等感が凄いんです。
これはぜひ映画を観て感じてもらいたいんですが、東京に対する憧れや、羨ましいという感情が物凄い…。
先生である黒沢あすかが、若い時に東京で、男を若い女に奪われ地方に流れて来たというセカンドストーリーもあり、とにかく東京コンプレックス満載です。
もちろん粘土お化けの基となる彫刻家にも色々あったりして…
そうそう、血を吸う粘土の名前はカカメ君です。

なんか印象に残る顔ですよね。新たなホラーキャラクター出てきましたね。
歴史に残るホラーキャラクターの誕生か?
そうそう印象に残ると言えば、死んだ彫刻家の親友役に津田寛治が突如でて来たときはテンション上がりましたね。
そうそうこの映画の出ている人で一番演技が上手かったのは‥黒沢あすかさんです。

表情とかよく観て下さい。この人やっぱ上手いっスわ。
面白い?面白く無い?と言われれば…なんか微妙だけど面白かった‥様な気がする…💧
「血を吸う粘土」は、そんな感じの映画でしたね。
「血を吸う粘土」続編決定
何と驚いたことに、この映画…続編が決定してるのです。
続編の名前は…
「血を吸う粘土 派生」!

「血を吸う粘土 派生」のストーリーはこんな感じ、
カカメの犠牲者・伏見恭三は火葬され、遺骨は娘の果林に渡された。しかし、果林が参加する美術作品制作キャンプで、伏見の遺骨の中に残っていた身体の一部からカカメが復活を遂げる。

監督は、長編映画デビュー作となった前作に引き続きメガホンをとった梅沢壮一。
キャストに、藤井愛稀、AMIKO、藍染カレン、黒沢あすか、津田寛治等が出演します。
スペインで10月に開催されるファンタスティック映画祭のMidnight X-Treme部門にコンペティション作品として出品されることが正式決定。同映画祭公認で、日本で開催される「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」での上映も発表されています。
