
本日ご紹介するのは
ベネディクト・カンバーバッチが
西部の男を演じる
Netflixオリジナル映画
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

パワー・オブ・ザ・ドッグ
原題:The Power of the Dog は
2021年11月19日に公開となった
Netflixオリジナル映画
Netflixでの配信は
2021年12月1日に開始されています。
1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、秘めた心がある激情型の牧場主と彼を取り巻く人々との緊迫した関係を描いた人間ドラマです。
ラストにはあるどんでん返しが待ち受けています。
原題:The Power of the Dogを直訳すると犬の力という意味になります。
これは映画を最後まで観ると分かってきます。
監督は「ピアノ・レッスン」で女性監督として
初のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した
ジェーン・カンピオン
キャストは
『ドクター・ストレンジ』役で有名な
ベネディクト・カンバーバッチ
他
キルステン・ダンスト
ジェシー・プレモンス
コディ・スミット=マクフィー
フランセス・コンロイ
キース・キャラダイン
トーマシン・マッケンジー
ジュヌヴィエーヴ・レモン
等が出演しています。
あらすじ&ネタバレ
舞台は1920年代のモンタナ州。そのカリスマ性と威圧的な態度で恐れられている兄のフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)と、対照的に地味な弟のジョージ(ジェシー・プレモンス)のバーバンク兄弟は、大牧場を共に経営して暮らしていた。

ある日、牧場の使用人たちと店に食事に行きます。
その店は、自殺で夫を亡くした未亡人ローズ(キルスティン・ダンスト)と、その息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)の2人で経営してました。
フィルは、ピーターを見て「女っぽい」と馬鹿にします。店にいた客にも怒鳴りつけ店から追い出します。
泣いてるローズをジョージは慰めました。
ある日、ジョージがローズと結婚することになり、家に越してくる事になります。
フィルはそれを良しと思わず、ジョージやローズ、さらにローズの息子のピーターまでにも嫌味を言ったりし攻撃する毎日が始まります。
ピーターは医者になるために、家を出ました。
ある日、ジョージが市長を家に招くことになり、ローズにピアノの演奏をして欲しいと言います。
ローズが一生懸命に練習をするのですが、フィルの邪魔にあい練習はあまりできませんでした。
当日、市長の前で演奏ができなかったローズに対して
フィルは「練習あんなにしてたじゃないか(笑)」と嫌味を言います。
ローズの心は徐々に病んでいき、ローズはお酒に走りアルコール依存症になってしまいます。
そんなある日、夏休みになりピーターが家に帰ってきます。
ピーターは母親が、フィルの虐めによりアルコール依存症になっている事に気が付きます。
帰って来たピーターに対し虐めを行うフィルでしたが、ピータがフィルの秘密を知った日から、フィルはピーターと距離を縮めます。
フィルは、自らの隠家で、男性の裸が映った雑誌を隠し持っていました。
フィルはゲイだったのです。
フィルはピータに対して、馬の乗り方を教えたりし男としての生き方を教えます。

さらに、ピータが大学に戻る前に、ロープを作ってプレゼントすると言います。
フィルとピーターが急速に接近していく姿を見て、ローズは不安感に押しつぶされそうになっていました。

ある日、フィルとピータは二人で出ていきます。
隠れたウサギを追い出そうと材木を持ち上げた時に、フィルは手を切ってしまいます。
2人が座って話している時に、フィルはピーターの父親の話をします。
「酒浸りだったんじゃないか?」
そう聞くフィルにピーターは
「最期までね、首つって死んだ、死体は僕が下した。父は僕が冷たいと、強すぎるって」と答えます。
フィルは
「お前が強い?そりゃ間違いだ、可哀想に」とあざ笑います。
フィルとピーターがいない時に、ローズは先住民にフィルが大事にしていた生皮を全部売ってしまいます。
ローズはアルコールもあって、フィルへの復讐の為に行ったのでした。
帰って来たフィルは激怒します。
ピーターへのプレゼントであるロープを完成させる為に必要な生皮だったのです。
怒り狂うフィルに、ピーターは生皮を渡します。
「お前が生皮を?なぜ?」と聞くフィルにピーターは
「自分で剥いだ、あなたに憧れてて‥どうか使って」と答えます。
「それはありがたい」と喜ぶフィルはピーターの首に手をまわし
「よく聞け、お前の未来にはもうなんの障害もない。おれは今夜中にロープを仕上げる」と言います。
夜になり、ロープを仕上げる段階に入ります。
フィルはロープを編み、ピーターは手伝います。
ピーターはブロンコ・ヘンリーの話をフィルに聞きます。
フィルはブロンコに命を助けられた話をします。
かつてブロンコとフィルはヘラジカを撃ちに山に入りますが、天候が悪化しフィルは凍えそうになります。
ブロンコは寒さでフィルが死なない様に、裸で一つの寝袋に包まり、ピッタリくっついて寝たという話をします。
その話の後、ピーターはタバコ(麻薬?)に火をつけ吸います。フィルにもそれを吸わせます。
ピーターは妙に色っぽくまるで誘っているかのようでした。
次の日の朝になりました。
フィルは寝床から起きてきません。
ジョージが見に行くと、フィルは病に侵されていました。
診療所に行く前に、フィルは完成したロープをピーターに渡したいとピーターを呼びます。
しかし、ピーターは現れず、フィルは診療所に行きますが、そのまま死んでしまいます。
フィルは炭疽病に侵されていました。
しかし、フィルは炭疽病を警戒しており、どこから感染したのかは分かりませんでした。
※ネタバレ
ピーターが死んだ動物からはぎ取った皮は、炭疽病にかかって死んだ動物からとった生皮でした。
そうとも知れずにフィルは、怪我した手のままそれを使い、感染してしまったのでした。
ピーターは旧約聖書に収められた詩篇を読みます。
「私の魂を剣から、私の最愛の人を犬の力から救い出してください。」
ピーターは手袋をした手で、フィルが完成させたロープをベッドの下に置きます。
窓から、幸せそうに歩くローズとジョージを見つめるピーター
ローズはかつての笑顔を取り戻していました‥。
原作はトーマス・サヴェージの自伝的な小説。原題The Power of the Dogは、聖書の詩篇「私の魂を剣から、私の命を犬の力から救い出して下さい」から採られており「犬」は邪悪を意味しています。
映画のタイトルの意味が分かってきたでしょう。
けっこう淡々として長くてだるい映画でしたが、衝撃のラストで終わり‥このラストはなかなか想像できませんね。
フィル(ベネディクト・カンバーバッチ)がゲイというのは、早めに気が付きますが、この展開は予想ができませんでした。
もしかして、ピーターは実の父親も殺しているのかもしれません。
実の父親も酒浸りだったところから、ローズに暴力などふるっていたのかも知れません。
そして、ピーターはひっそりと殺した…。
医学部に所属したのも、バレない様にフィルを殺すためだったのかも?
恐ろしい…壮大な復讐計画です。
ピーター役の、コディ・スミット=マクフィー‥。

めっちゃガリガリな姿が印象深いですが、顔だちも端正であり、しかもサイコパスの雰囲気、そしてラストの表情など
かなりこの役柄で評価されそうです。
けっこうダラダラと長い映画ですが、案外面白い映画でした。
次は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の
海外の評価です。