真面目な佐藤二朗…映画
ラストの卓球シーンは考えらされます。
「さがす」
さがす は
2022年の日本映画
300万円の懸賞金がかかった指名手配犯を見たと言って姿を消した父親と、その父親を必死に捜す娘の姿を描いたヒューマンサスペンスです。
監督は「岬の兄妹」の
片山慎三
キャスト
原田智を演じるのは
佐藤二朗
原田の娘・原田楓を演じるのは
「空白」で車に撥ねられた
伊東蒼
殺人鬼・山内照巳は
清水尋也
ムクドリ/森田望智
花山豊/石井正太朗
蔵島みどり/松岡依都美
原田公子/成嶋瞳子
馬渕/品川徹
等が出演しています。
ネタバレ、あらすじ、感想、ラストの卓球シーンは?
映画は全4部に分かれている。
・原田楓からの目線
・山内照巳からの目線
・原田智目線
・すべてのネタバレ
原田智が山の中の道でハンマーで素振りしているシーンから開始。
映像が切り替わり大阪市西成区に切り替わる、走る原田楓は、スーパーへ向かっていた。
父の原田智が「所持金に20円足りないから」という理由で、豚汁とおにぎりを二つ万引きをして捕まっていた。
楓が駆けつけ、不足分の20円を店員に差し出して許しを乞い示談で許してもらう。
智はその帰り道、楓に
「今日、あいつ見たで、名無しや、ニュースでやっとた指名手配犯、山内照巳、朝な電車の中で見かけたんや。マスク外してな爪嚙んどってん、一瞬顔が見えたんや、あれは絶対ホンマもんや、東京から逃げて来とんねん、捕まえて警察突き出したら300万やで~!」
と話す。
楓は「あほなこと言ってないで、普通に働きいや」としかめっ面で言い返す。
智は口をちゅぱちゅぱさせ笑いをさそい場を和ます。
その翌日、楓が目を覚ますと、智の姿が無かった。
何度電話をしても電源が入っていない様子…。楓が浮かない顔していると、同級生の花山豊が寄ってきて告白される。
楓は告白を「タイミングが悪い」と流しながら、二人で智を探して調べまわる。
調べ回っていると、その日、智が日雇い労働の現場に出勤していることが判明し、現場に向かう。
現場で「お父ちゃん」と楓が呼び掛けたその人物は、智ではなかった。
背が高く、痩せていて、黒い眼鏡を掛けた若い男だった。男は、こちらを見ながら爪を噛んでいる…。
「人違いでした」楓は、そう呟いてその場を後にする。
学校の先生に相談しポスターなどを作って捜索活動をしているときに、携帯に智からメールが入る。
そこには
「探さないでください。父は元気で暮らしています」と書かれていた。
そのメールを見た楓は自暴自棄になる。
ポスターをはがしていると、町に貼り出された指名手配犯のポスターを見てあることに気がつく。
連続殺人犯の山内照巳という男と、父と同じ名前で工事現場で働いていた男の顔が酷似しているのだ。
そして、山内がこれまでに犯した犯行と、父との関係について探り始める。
次の日に、智に化けた山内照巳働いていた現場に行くも既に姿は無かった。
山内照巳探して、父が経営していたが家賃を払えず手放すことになった卓球教室を訪れた楓は、物入れで寝ていた山内照巳を発見する。山内照巳に「どこにおんねん(父親)」と尋ねるも、山内照巳は笑いながら
「それは有料コンテンツだよね」と答える。
「殺したのか?」と聞くと山内照巳は走って逃げる。
逃亡する山内を追いかけ追い詰めるも、山内照巳に首を絞められピンチに陥る。
近所の住人が現れ、山内は逃げ出す。
塀をよじ登って逃げようとする山内のズボンを楓はつかんで離さなかった。
山内はズボンを脱いで逃げたが、楓はズボンのポケットに、智のスマホと、果凛島発神戸行きのフェリーのチケットが入っているのを発見しする。
卓球教室で花山豊に相談し、胸を見せることで花山豊を説得し、二人は果凛島に行くことを決める。
果凛島に着き島を歩くと、島のある一軒家に事件が起こっていた。警察が集まる一軒家に入り込んだ楓は、家の中に横たわる人物を見て取り乱す。「あれ、私のお父ちゃん!お父ちゃん!」と叫んで駆け寄ろうとする楓を警官が制止する。
3か月前、山内照巳は自分の次の獲物となるムクドリと海を見て話していた。
愛想のない山内にムクドリは「あなたメールのやり取りと実際会った印象違うわね」と言う
ムクドリはインターネットで見つけた次の獲物…自殺志願者だった。
山内照巳は、既に数名殺している。
山内照巳は「もういいですか?」と言い
ムクドリの携帯を受け取り海に投げ込んだ。
山内はアパートにムクドリを連れて行き、首を締めようとした瞬間、警察が家に訪ねてくる。
静かにするようにムクドリに伝えるが、その辺にあった血の滲んだクーラーボックスを開けたムクドリが中に血に染まった生首を見つけてしまい悲鳴を上げてしまい警察に見つかる。
山内は警察の目を刺し、窓から逃げ出した。
山内は、無人島に逃げ込み、空腹のあまりに落ちたごみを食べる。
そこで、みかん農業を営む優しそうな老人に声を掛けられる。
山内は老人の家に行き、夕食をご馳走になる。
すると老人は突然、山内に性癖について聞き出した。
老人はアダルトビデオを山内に見せる。
山内は興味を示さないが、アダルトビデオの女優が縄でくくられ宙を舞っているシーンを見ると興奮する。
雨漏りを老人が修理しに行くと、部屋にあった日本刀を山内は取り出すと老人を惨殺する。
山内は死体にしか興奮しない変態野郎だった。
山内は老人の死体にバケツを被せ顔を隠し、アダルトビデオと同じように白い靴下をはかしてオナニーを行った。
山内はその日の夜に、老人の死体を風呂場で解体する。
山内は、老人の家を自分の家に居座り、インターネットで次の獲物を探す。
山内は島を出てフェリーで街へ舞い戻る、浮浪者の食料配給場へ現れ、猫を殺して埋めようとする。猫はまだ息があった。
その場に原田智が現れる。
「妻はすべてだった」
13ヶ月前。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)妻の公子が自宅に帰ってきた。
筋萎縮性側索硬化症とは、手足や顔などの筋肉が次第にやせ細り、力がなくなっていく病気です。
公子はその難病、ALSに侵されていた。
公子はALSにかかってから笑うことが無くなっていた。
公子は介護をする智に「殺して」と訴えていた。
智は公子のためにと頑張っていたが、日に日に動けなく公子を見て複雑な思いを抱えていた。
そんな智の前に山内照巳が現れる。
山内照巳は公子が通う病院で働いていた。
ある日、公子は自宅で首つりを行っていた。
そんな公子を止めないで智は見てしまっていた。
首つりに失敗、今気が付いたかのように智は止めにはいる。
智と公子はキスをする。
その夜、公子のTwitterを見る智は、公子の本当の気持ちを知る。
「安楽死」「人間として死にたい」そのような文字がTwitterにはつづられていた。
その夜、智は山内に相談してしまう。
山内は自分の人生を大事にするように、周りが無理に生かそうとすると誰も幸せにならない、みんなで沼にはまっている、何の意味があるんですか?僕が開放してあげますよ…と話す。
智は山内に公子の自殺ほう助を依頼する。
卓球教室で公子を殺すことにする。
卓球台に首を括り付け、殺すことにする。
山内は白い靴下をビニール袋から出す。
その姿を見て公子の目には恐れの表情が現れた。
車いすを発信させ山内は作業を実行した。
死んだ公子の手から落ちたピンポン球を踏みつけ、山内は智の所へ行き
「20万円いただきます。」
呆然とする智に山内は
「まさか、タダでここまですると思ってたんですか?いや、明らかに有料コンテンツですよこれ。」
と言う。
「また、こんど…」と言う智に
「じゃあ、念のために免許書預かっておきます。」
と言い智の免許を預かる。
「ちょっとトイレいいですか?」と言い、山内はトイレで自慰行為を行う。
公子の葬式が終わって、智は靴の裏に着いたガムを一生懸命に落とす。
ガムは智の犯した罪のように、こびりついて落ちなかった。
山内は東京の方に戻るから仕事をやめると話す。
智は20万を手渡す。
山内は
「またやりませんか?世の中には死にたがっている人がたくさんいます。そう思っていても、口に出せない人もいます。そういう人は救済してあげないと、原田さんに奥さんみたいに救うんです。」
話す。
智は断るが「奥さんは最後笑ってましたよ」と言われ
「これは殺人ではありません。人助けです。」と言われ
さらにお金を渡すと言われ説得される。
智は迷うが、公子の卓球場のために協力することにする。
その日からTwitterで智は獲物を探し始める。
山内の指示でターゲットを見つけ山内に紹介していった。
山内はターゲットを殺し、始末していった。
山内からお金が届くが、言った金額よりかなり少ない、山内は
「お金だけが目的じゃないでしょ?今度会ったときに酒でもおごりますよ。乾杯しましょうよ。それでチャラに‥」
と言い、智はしぶしぶ納得する。
智は渡されたお金に血が付いてるのを見て、違和感を覚える。
TVで山内照巳が指名手配になっているのを智は見る。
追い詰められた智はある計画を思いつく。
冒頭でのシーン、楓に山内を見たと告げる。
山内と浮浪者の食料配給場で合流し、卓球場へ案内する
智は山内に以前殺しそこねた女性、ムクドリが飛び降り自殺して失敗今は半身不随で車椅子生活をしているらしい。
再び、彼女から連絡がきて300万払うから、死ぬのを助けて欲しいと告げる。
怪しむ山内に智は
自分が調べに行って連れてくる、その間に原田智名義で工事現場で働くように話す。
山内は「あんたこんなにしゃべる人だったっけ?」と言い怪しむ
智は自分の手を噛み、信じてもらえるように誠意だと話す。
山内は笑い「わかった。信じるから」と言う
智はムクドリを調べに行き、大丈夫だと山内に話す。
山内は智を心から信じ
「ありがとう、あんたを信じてよかった。捕まってもあんたのことは警察に言わないよ」と話す。
智は作戦を実行することにした。
家を抜け出し、ムクドリを連れ卓球場に行くと、楓が父を探すために胸を見せ花山豊を説得している場面に出会う。
智は卓球場での待ち合わせを止め、山内に連絡する。
山内は怒り、離島の老人の家に来るように言う。
(楓に追いかけられた後でヤバいという焦りもあり、離島に逃げることに決めたと思われる。)
ホテルの部屋にムクドリを戻したはずだったが、ムクドリはホテルから逃げ出していた。
ムクドリを探している最中で、バイクに撥ねられそうになるムクドリを見つける。
バイクの運転手に「危ないやろが、死んだらどうするんだ!」と叫ぶ。
ムクドリを見つけた智は、フェリーで離島の老人の家に向かう。
老人の家にやってきたムクドリは金を手渡す、山内は見張り役に智に外に出るようにと話す。
山内はベルトでムクドリの首を絞める。
死にたいと言っても、みんな死の間際には死にたくないと言ったが、ムクドリにはそれが無かった。
山内は初めての経験だった。
ムクドリは意識を失う。
山内は、意識を失ったムクドリに白いソックスを履かす。
そこの智が現れる。
怒りをあらわにした山内に
誰か来たからまずいと言い、包丁を山内に手渡す。
山内は外を見るが誰もいない、振り返ると智がハンマーで山内を殴りつけた。
包丁を持つ手をハンマーで殴り、山内は包丁を畳に落とす。
転がった山内はクーラーボックスを倒し、中から氷で冷やしたビールがあふれ出る。
山内はビールを智と飲む予定だったようだ。
智はそれを見て少し考えるも、ハンマーを手に山内に近づき殴りつける。
山内の目からは裏切られたショックからか、涙が流れる。
智は何度も何度も山内を殴りつけ殺した。
智は山内の懐から300万を抜き取ると、山に行き隠す。
再び戻ると、山内の落とした包丁を拾うと自らの腹を刺し偽装工作をする。
救急車を呼び、ホッとしたところで、ムクドリが動き出す。
ムクドリは生きており、殺してと言い近寄ってくる。
智はその姿が、公子とダブって見え、首を絞め殺害する。
楓が「お父ちゃん」と現場に駆け付けるシーンへ戻る。
智は病院で
「電車で山内を見かけて、懸賞金に目がくらんだというか、娘の将来のこともありますし、僕もうつ病になって正規雇用されなくなったんで…診断書もありますよ。」
と警察に話し、嘘を塗り固め、全て山内のせいにする。
その後、山内から奪った金を掘り起こしに山に向かう智。
掘り起こすと中身は6万3000円だった。ショックを受ける智。
しかし、それにより警察から金銭目的で智が殺したという線が消える。
事件は解決した連続殺人犯を見つけた智は警察からも表彰され懸賞金を受け取り卓球場を再開させた。
だが、楓は妙な違和感を感じていた。
まだ残されていた自殺志願者を募るツイッターにログインするとDMが届く。
それに受け答えするのは智。
智は山内の代わりに自殺志願者を救済(自殺ほう助)しようとしていた。
しかし、そのDMを送ったのは楓だった。
智はベルトを買うとDMの送り主に会いに行く。しかし現れない。
その様子を楓は見て父のやっていたことをすべて確信していた。
夜、卓球のラリーを二人でする。
そこで楓はすべてを打ち明ける。
「忘れたらあかんで、わたしのこともお母ちゃんのことも全部」
パトカーのサイレンの音が鳴る。
「迎えに来たで」
「なんでやねん」
「さよならや」
「楓…さっきの待ち合わせ‥お前か?」
「そや」
卓球のラリーがやむ
智のスマホを卓球台の上に置く楓。
「お父ちゃんが何者か知ってる…何したんかもわかってる…。やっと見つけた。」
二人とも涙がこぼれる。
楓は口をちゅぱちゅぱさせる。
少し笑う智。
「うちの勝ちやな」
「なんの勝負やねん」
スマホをポケットの直し、また再びラリーを始める。
パトカーのサイレンが再び鳴る。
卓球台のドアップが映し出され、エンディングが流れる。
なかなかいい映画だったと思います。
ラストシーンがちょっと気にかかると思いますが、あのパトカーのサイレンは別のところで、智を逮捕しに来たものでは無いと考えられます。
途中サイレンが止まったり、またサイレンが鳴ったり、そもそも犯人逮捕に来るのにサイレン全開で来ることはないでしょう。逃げられちゃいますよね。
しかしまあ、楓は全てを知ってしまいました。
そのうえで、父親を許すことを選び、そして、自殺ほう助をしないようにほのめかしのでは無いでしょうか。
ラストにすべてのネタバレが明かされていくところなんかは良かったです。
面白かったです。
余談ですが、あの卓球シーンって合成なのかな?
と思ったのは僕だけでしょうか?
めっちゃラリー続いてますよね。しかもセリフ入ってるし、球だいたい同じところに行ってるし。
合成じゃなかったら上手いですよね~。凄い!
ちなみに卓球シーンが一番の見せどころです。
海外の評価
海外での評価はどうなっているのでしょう?
映画
「さがす」の
海外の評価を調べてみました。
海外映画サイトIMDbでは
64人の投票があり
7.4点という
まずまずの評価に
なっています。
ユーザーの投票で
一番多いのは
8点です。
投票数27人で
全体の42.2%
を占めています。
次に多いのは
7点
19人の
全体の29.7%
3番目は
9点
6人の
全体の9.4%
7~9点が全体の
81.3%を占めており
この映画は
海外でも高い評価を
されていることが分かります。
海外でも評価が高い映画です。
お暇があればぜひ!
この映画のような邦画映画は
興味深い作品が盛りだくさんです。