
「ヴィレッジ」

「ヴィレッジ」は2023年の日本映画。
「村」という閉ざされた世界に生きる人間たちの、きれいごとだけでは生きていけないリアルな現在社会の闇を描いた作品
ヴィレッジと言えば、M・ナイト・シャマランの作品を思い出しますが、日本映画「ヴィレッジ」はちょっと違う!環境問題、限界集落に若者の貧困、広がり続ける格差社会と、道を誤ったらら這い上がる事が困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出しています。
めっちゃ暗い話ではあるんですけど、徐々に光が見えて、ちょっと安心してきたところで‥まためっちゃ暗い話になっちゃうという定番ではありますが、見ごたえ抜群の栄華ではありました。
監督
藤井道人
キャスト
片山優役
横浜流星
中井美咲
役黒木華
大橋透役
一ノ瀬ワタル
筧龍太役
奥平大兼
中井恵一役
作間龍斗
丸岡勝役
杉本哲太
片山君枝役
西田尚美
大橋ふみ役
木野花
大橋光吉役
中村獅童
大橋修作役
古田新太
等が出演しています。
あらすじ&ネタバレ エンドロール後のシーン
夢は儚い。
儚いものだと分かっているのに、人は夢を見てしまう。
五十年の栄華も、目覚めてしまえばただの夢。
げに何事も一炊の夢
能 邯鄲
映画冒頭で書かれる言葉ですが、調べてみると映画ヴィレッジの優の事を言っているのだと分かりました。
優は絶望から希望にあがりますが、それも一瞬で再び絶望の谷に落とされます。
この映画は邯鄲(かんたん)を現代風に描いた作品ともいえます。監督が何を言いたかったのか?は邯鄲(かんたん)を調べれば納得でした。
山の上の神社、その更に上の山にごみ処理場が建設されてしばらくの時が経つ霞門村。そのごみ処理場建設に反対をしたために村八分にされ、殺人を犯した父親のために"犯罪者の息子"という烙印が押された片山優は、そのごみ処理場で働いていた。
その処理場の現場は村長の息子である大橋透が仕切っており、暴力を振られ、賭けの対象にされていた。その上、帰宅すれば母に金を要求され、その母が作った借金返済のために、夜は非合法的に施設に産業廃棄物を投棄する作業を手伝う毎日。
スーパーで弁当を買えば"犯罪者の息子"と蔑まれる等、優の人生に希望は無かった。
ある日、優の幼なじみの美咲が数年ぶりに東京から出戻り、ごみ処理場で広報として働く事となる。今の優を気づかう美咲。ある時、職場で美咲が優を子供向けツアーの案内役に優を抜擢します。
案内役は好評で、ついにはTVの取材が来るようになる。
犯罪者の子供がテレビに出るのに対して口々に文句を言う村人たちだったが、大橋村長の「そういう人たちを受け入れる寛容な村であるとアピールできるのです。」の言葉で渋々ながら了承する。
TVの取材は好評で、優は村の人々に認められ、そして美咲とも恋愛関係になり、今までにない喜びを痛感する。
しかし…それを良いと思っていない透が美咲の家に押しかけ、優が夜の不法投棄に関与していることをばらし、拒否する美咲に対して無理やり迫るのです。しかも!それをスマホで録画するという変態っぷり!
優が駆け付け、静止しますが、透に殴りつけられ殺されそうになります。
美咲が近くにあったハサミで透の首を刺し、透は死んでしまいます。
二人はその死体をごみ処理場に埋めました。
次の日にテレビ局に現れた優の顔は傷だらけでした。メイクで誤魔化せと村長は言いました。
その後、霞門村は観光客でにぎわい始めます。
テレビ中継に対応する優は見違えるほど笑顔にあふれていました。優の母親も笑顔で働いており、息子の自慢をしています。
優は村人たちから信頼され、村長からはゴミ処理場を任される立場になっていましたが、不法投棄によって汚染の数値が上がったことを何とかしろ!と言われ、心の中では困っていました。
透は行方不明となっています。透の行方を気にする者はいませんでした。
美咲の弟・恵一がごみ処理場でバイオハザードマークの入った箱を見つけ、夜の不法投棄に気が付きます。
警官の光吉に告発します。
ついに夜の不法投棄がバレてしまいました。
霞門村に戻った警官の光吉は、夜の不法投棄の現場に警察を待ち伏せさせ、不法投棄に来たメンバーを一網打尽に逮捕します。
優にも「知っていたのか?」と聞きますが、優は「知らなかった」とうそを言います。
不法投棄の埋め立て地から透の遺体が発見されます。
見つかった透のスマホには、優が不法投棄に関わっていた写真や、美咲に襲い掛かった日の動画も残されていました。
焦る優は恵一に、透が悪い男たちに連れていかれていたところを見たと偽証するように言い、記者会見を開こうとしますが、拒否した恵一は車から飛び降りようとして、二人の乗った車は木にぶつかります。
美咲は自首する覚悟を決めていましたが、優が美咲を引き留め、村長の家へと出向きます。
優から透を殺したことを聞いた村長の修作でしたが、あまり興味を示しません。
「美咲に全部かぶってもらおう」と言い二人で霞門村を守ろうと話します。
優は死んだ父親の話をしますが、修作は優の父親の事をあまり覚えていないと言い、優はついにブチ切れ修作の首を絞めます。(この首を絞められているシーンの古田新太の表情が名演です。)
死んだ修作の周りに灯油を撒き、火を放ちます。
火が屋敷全体を覆っていきます。大橋ふみはその中で能を歌っていました。
シュー、シューと言いながら屋敷を出て歩いていく優…。
光吉が駆け付け優を呼び止めます。
優は振り返り、笑みを浮かべ涙を流していました。
エンドロールが流れる。
エンドロール後のシーン
エンドロール後におまけの1シーンがあります。
それは恵一が霞門村が出て行くシーンです。
閉鎖されているヴィレッジから出て行くシーン、このシーンで光を見た、希望を見たという人が多いですね。
海外の反応、評価
2023年の日本映画
「ヴィレッジ」の
海外での反応、評価はどうなっているのでしょう?
海外映画サイトIMDbで
調べてみました!

海外映画サイト
IMDbでは
平均点が
5.6点という
普通の評価に
なっています。
ユーザーの投票で
一番多いのは
6点です。
全体の23.9%が
6点の評価をしています。
次に多いのは
7点
全体の14.7%
3番目は
5点
全体の11.0%
6点に評価が集中していることから海外の反応、評価は微妙な感じのようです。
確かにもう一歩ダークで絶望的な部分があった方が映画としては良かったかな~?
「ヴィレッジ」のような映画は興味深い作品が盛りだくさんです。