
ラストがちょっと怖い映画
「市子」

「市子」は2023年の日本映画
恋人からプロポーズされた次の日に姿を消した川辺市⼦、過酷な家庭環境で育った一人の女性の壮絶な半生と真実に迫るヒューマンドラマです。
原作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品で、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した「川辺市⼦のために」。
2023年12月8日日本公開
「アンメット」で熱愛が発覚中の杉咲花と若葉竜也が主演と言うことで、非常に興味深く観させていただきました。
この映画を観れば、二人の演技力が本当にわかります。
アンメットとはまた別人のキャラクターを見事に演じる二人、その演技力はマジで凄い。
そして映画のラストが本当に怖い‥ちょっとサイコパスやん‥みたいな感じでなかなか考えらされる映画でありました。
個人的にはけっこうオススメです。
キャスト
川辺市子/杉咲花
長谷川義則/若葉竜也
北秀和/森永悠希
小泉雅雄/渡辺大知
後藤修治/宇野祥平
川辺なつみ/中村ゆり
吉田キキ/中田青渚
北見冬子/石川瑠華
田中宗介/倉悠貴
山本さつき/大浦千佳
等が出演しています。
実話?
映画「市子」は実話なのでしょうか?
なかなかありそうな話でもありますので、調べてみました。
もしかして…実際にあった事件を基にしているのではないか?と思いましたが
「市子」は実話ではありませんでした。
母親の離婚後半年以内に生まれたから前夫の戸籍に入ってしまうために、前夫との関りを絶ちたいが為に、出生届を出さなかった。故に無国籍となった。
とか実際にありそうな話ではありましたね。
ラストの意味は?北くんは死んだ?ネタバレ!
この映画、やっぱり気になるのはラストでしょう。
正直‥ハッピーエンドで終わるのかな?と思ってたんですが、まさかのバッドエンドでした。
映画の85分くらいのところで、北くんの家に一人の女性が現れます。
その女性は北見冬子‥自殺願望がある女性で、ネットで市子と連絡を取り、自殺を手伝うと言う市子の話で北秀和のところに来たのです。
しかし、市子は冬子に身分証を持って来させています。
北くんは市子の考えを察知し流石にこれはアカンだろう‥と考えます。
市子から電話があり、北くんは冬子を連れ市子のいる海辺の港まで車で行きます。
そしてシーンが飛び、後藤修治刑事たちがいる場面でニュースが流れます。
TVでは、北くんが冬子を連れて市子に呼び出された場所で、一台の乗用車が水の中に沈んで発見されたと流れます。
その車には、20代の男女二人の死体があったと、そして‥助手席に乗っていた女性に‥と流れたところで画面が変わります。
お分かりですか?
市子は自分が助かるために偽装工作をしているのです。
自分の容姿に似た自殺願望がある女性(冬子)を見つけ出し、自殺を手伝う代わりに身分証を受け取る。
そして‥冬子を殺し、北くんも殺したのです。
何故?北くんも?
北くんは行き過ぎた行動を取る市子に不信感を持ちだしていました。
警察から市子との関係も疑われている北くんも殺し、顔を潰し自分に似せた冬子と共に車で海に落とし心中に見せかけることで、自分自身が助かろうと考えたのです。
そして市子は冬子の身分証を使い、冬子として生きていくのです。
今まで自分に協力してきて、死体の処理まで手伝ってきた北くんを殺してまで自分が助かろうとする市子…。
助かったぞ!とばかりに鼻歌を歌い歩く市子‥。
本当に市子‥怖い!
長谷川義則の事は本当に愛していたのだと思います。
しかし、市子は自分自身が助かる道を選ぶのです。
市子が自分自身が生き抜くことを第一に考えているのが分かります。
よくよく考えたら市子は、妹を殺し、義理の父を殺し、冬子を殺し、北くんも殺しているのです。
そう・・すべては自分自身が生き抜くために!
市子は本当に怖い‥いや、それが一番人間らしいのかも知れませんね。
北見冬子となった市子はどう生きていくのでしょうか?
映画「市子」のような邦画は興味深い作品が盛りだくさんです。