犯人は?いったい誰なのか?
「ミッシング」
「ミッシング」は2024年の日本映画
「空白」「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督が、幼女失踪事件の親が誹謗中傷と、後悔の念、希望に向けて行動するがむくわれない姿を描いています。
石原さとみさんが、娘が行方不明になってしまった母親を演じた作品、正直全く期待していなかったが良い映画でした。
石原さとみさんがこんなに演技が上手いとは‥。
吉田恵輔監督の作り方も上手い、ネタバレになりますが‥映画観てて、これラストの方に思っても無い犯人が見つかるどんでん返しがあるんだろうな。と思って観てましたが、全然どんでん返しなどなく、行方不明になった娘・美羽ちゃんは行方不明になったまま終わります。
でも、序盤から母親の沙織里の弟・圭吾がめちゃくちゃ怪しいんですよ。
演じた、森優作さんの演技も上手いし、もうこいつが完全に犯人だろう‥って感じなんです。
しかし、圭吾は実はめちゃくちゃ良いやつで、良いやつなばかりに悪い目にあってしまうというような可哀そうな男性でした。
結局、犯人は見つからず‥。映画としてはしっかりとした終わりは無いんだけど
これぞヒューマン映画というような、ラストは前をしっかり向いて明るい感じで終わって、良い映画でした。
キャスト
石原さとみ
青木崇高
森優作
有田麗未
小野花梨
小松和重
細川岳
カトウシンスケ
山本直寛
柳憂怜
美保純
中村倫也
等が出演しています。
実話…元ネタは山梨キャンプ場女児失踪事件?
映画『ミッシング』は吉田恵輔監督のオリジナル脚本であり、原作はありません。
吉田恵輔監督は『空白』の撮影時にこの作品の構想が生まれたと言っています。
しかし、元ネタと考えられている実話があるのです。
それが2019年に起こった
「山梨キャンプ場女児失踪事件」です。
母親への誹謗中傷など、映画に類似点があります。
「山梨キャンプ場女児失踪事件」とは、2019年(令和元年)9月21日に山梨県南都留郡道志村のキャンプ場で当時小学1年生の女児Aが行方不明になった事件。
2019年9月21日
道志村の「椿荘オートキャンプ場」に、子育てサークルで知り合った7家族・27人が遊びに来ており、昼12時15分ごろキャンプ場に到着していた。15時35分ごろにオヤツを食べた後、9人が約150メートル離れた沢に遊びに行き、女児(以下、A)は同40分ごろに1人で後を追った。その10分後に大人が迎えに行ったが、16時ごろにAがいないことが判明した。当初、多数の人手がいたことから1時間ほどかけて一行は捜索をしていたが、日没が迫っていたこともあり通報することになった。17時ごろに警察に連絡。警察と消防が捜索を開始したが発見には至らず、22時にその日の捜索を終了。
9月22日〜23日
翌日以降は自衛隊や捜索ボランティアなども加わり、東西15キロメートル、南北8キロメートルにわたってのべ約1,700人で捜索するも手掛かりは見つからなかった。
9月24日(捜索4日目)
ヘリコプターの他、ドローンも飛ばし捜索。村の要請を受け山梨県警は自衛隊派遣を要請。
9月25日(捜索5日目)
山梨県から災害派遣要請を受けた自衛隊175人が捜索に加わる。県警や消防をあわせ約290人の捜索体制。さらに多数のボランティアも駆けつけた。
9月27日(捜索7日目)
警察や自衛隊など約270名体制。捜索範囲は徐々に西の方角へ。一度探した場所も見落としがないよう、キャンプ場周辺もくまなく確認。
9月28日(捜索8日目)
陸上自衛隊、撤収。
9月30日(捜索10日目)
30日までの10日間に延べ約1,400人が捜索したものの手掛かりはなく、山梨県警はAの顔写真を公開した。事件に巻き込まれた可能性も否定できないとして公開を依頼した両親は、キャンプ場で取材に応じ、情報提供を呼びかけた。
10月6日(捜索16日目)
山梨県警は周辺にいる可能性は低いと判断し、現地の指揮本部を解散して捜索を打ち切ると発表した。特異行方不明者として全国に情報提供を求め、事件に巻き込まれた可能性も含めて捜査を続ける。大月署長は「取り得る限りの最大限の態勢で捜索したが発見できなかった」と語った。その後も警察による捜索が行われているほか、Aの家族はチラシ、ウェブサイト、各種SNSで情報発信を実施しており、多数の情報が寄せられていた。
2021年5月
現場のキャンプ場などにてAの特徴が書かれたチラシを配布し、当時のドライブレコーダーの映像が残っていないかなど、似た容姿の子どもを見ていないか、情報提供を呼びかけた。
2021年7月
山梨県警察本部は新たに情報提供を求める動画を作成、YouTubeの山梨県警察公式チャンネルで公開を始めた。
2021年9月
行方不明から2年。警察が改めて行方不明となった現場の捜索活動を行うも新たな手がかりは見つからなかった。警察やAの母親はキャンプ場や周辺地域にてAに関する情報提供を呼びかけるチラシを配布し引き続き情報の提供を呼びかけた[3]。
2021年12月
行方不明から2年3カ月。Aの母親と山梨県警が現場となったキャンプ場や付近の道の駅にて情報提供を求めるチラシを配布した。
2022年4月
2022年4月23日、ボランティアで捜索していた男性によって、Aが行方不明となったキャンプ場から600mほど離れた場所で、「人の頭の骨」と思われるものが発見された。
これにより、同月26日から捜索が開始された。
その後、現場周辺からは子供用の靴(瞬足と書かれていた)・片方の靴下・ハイネックシャツや、肩甲骨を始めとする「複数の部位の人骨」が相次いで発見された。
2022年5月
5月12日、同年4月23日に発見された白骨死体について「ミトコンドリアDNA鑑定」を実施した結果、「女児と母親との血縁関係に矛盾はない」と発表した。ただし、この時点では個人を特定できるだけの核DNAが検出されず、ミトコンドリア鑑定は個人の特定が不可能なため、行方不明の女児とは断定できなかった。
5月14日、同月4日に新たに発見された白骨をDNA鑑定した結果、司法解剖の結果肩甲骨は生命維持に不可欠であるとする医師の所見を踏まえ、白骨死体は「行方不明の女児の遺体」と特定された。
その後も警察は移動したルート、死因を特定できておらず、事件と事故両面で捜査継続した。
奇しくもこの日は10歳の誕生日の翌日であった。
2022年7月
2022年7月1日、山梨県警は捜索を終了した。警察は事件・事故の両面で捜査に当たっていたが、特定には至っていない。
SNSによって被害者家族への誹謗中傷がなされたことから、家族によって警察に被害届が提出されたほか、誹謗中傷した人物を特定し、民事裁判が行われた。
以上のような類似点から映画「ミッシング」の元ネタは実際にあった「山梨キャンプ場女児失踪事件」だと言われています。
海外の評価とレビュー!
映画『ミッシング』の海外の評価はどうなっているのでしょう?
海外映画サイトIMDbを調べてみました。
IMDbでは116人からの投票があり、平均評価は6.6/10点となっています。
全体の24.4%が6点の評価をしています。
海外のレビューを紹介します。
退屈で、当たり前のことを言っている
映画の最初の映像から、誇張されたセンチメンタリズムに陥り、戯画化された音楽に支えられながら(誘拐前の家族の幸せの映像を見せながら)、監督はマスメディアのセンセーショナリズムを非難することを自負している。しかしそのために、この夫婦に降りかかる不幸を、悪徳ジャーナリストと同じように私たちに覗き見させることをためらわない。泣きながら不幸を叫ぶ母親(女優の演技も、はっきり言って繊細さに欠ける...)。ソーシャルネットワークは残酷な愚か者であふれ、人々は証拠もないのにすぐに批判し非難し、メディアはセンセーショナリズムを求める...。このような題材を扱う方法にオリジナリティはない。監督は、これらのテーマについて10年遅れているようだ。
説得力のある映画芸術作品
吉田恵輔監督の最新作『Missing/ミッシング』は、誘拐された娘の行方を必死に追う母親・沙織役を石原さとみが演じている。ネット上の非難や、視聴率のために彼女の窮状をセンセーショナルに報道しようと躍起になるマスコミに満ちた状況を乗り切るうちに、彼女の葛藤は激しさを増していく。
歳の美羽ちゃんが誘拐されてから3ヵ月後、沙織(石原さとみ)と夫の豊(青木崇高)は絶望と闘いながら捜索を続ける。警察の捜査が一向に進展しない中、二人はテレビリポーターの砂田(中村倫也)を頼る。
吉田は、限界に追い込まれた家族の深い苦悩を、センセーショナルな記事に飢えた社会における砂田の倫理的ジレンマと重ね合わせながら、巧みに描き出していく。映画は生々しい感情に満ちており、しばしばドキュメントドラマのようでもある。
この監督作品では、吉田監督は陳腐なメロドラマを避け、誘拐事件のその後をニュアンス豊かに描いている。沙織に共感するのは簡単だが、彼女の攻撃的な態度は、その対立的な行動が彼女の精神的緊張の反映なのか、それともこのような悲惨な状況においてより一般的な反応なのかという疑問を投げかける。
この映画の核心は、混沌としたマスコミ報道とソーシャルメディアの熱狂の中で行方不明事件を探求し、今日の複雑な社会構造を徐々に描き出すことである。ネガティブな物語を執拗に押し付ける個人を紹介する一方で、本質的な善の瞬間もほのめかす。しかし、この混沌の中で、沙織と彼女の周囲の人々は徐々に疲弊していく。
登場人物への共感を呼び起こそうとするのではなく、『Missing』は厳しい現実を提示する。吉田の冷徹なアプローチとは裏腹に、この映画の根底には優しさがあり、映画芸術として説得力のある作品となっている。
感動
特に石原さとみと中村倫也の演技が際立っている。彼らの卓越した演技には本当に感動させられた。今回もWOWOWテレビは社会問題を取り上げることに秀でており、堅実でインパクトのある作品を提供している。
警察、ジャーナリスト、世論との複雑な関係を見事に描き出し、その間に挟まれた被害者の苦悩と無力感を鮮やかに捉えている。このリアリズムは、見ている間に息苦しさを感じさせる。
さらに、この映画の光と影の使い方、構図、カメラワークは、日本映画独特の美しさと繊細さを際立たせている。その映像芸術性は劇場で味わうに値する映画だ。
まずまずのレビューですね。
映画『ミッシング』のような映画は興味深い作品が盛りだくさんです。