韓国‥17世紀・朝鮮王朝時代の実話を基に作られた映画
「梟 フクロウ」
「梟 フクロウ」原題:올빼미 英題:The Night Owlは2022年の韓国映画
17世紀・朝鮮王朝時代の記録物「仁祖実録」に記されている昭顕世子の死にまつわる謎を題材に、盲目の目撃者が謎めいた死の真相を暴くため奔走する姿を描いたサスペンス映画です。
キャスト
リュ・ジュンヨル(ギョンス役)
ユ・ヘジン(仁祖役)
チェ・ムソン(イ・ヒョンイク役)
チョ・ソンハ(幼きウィジョン役)
パク・ミョンフン(マンシク役)
キム・ソンチョル(ソヒョン皇太子役)
アン・ウンジン(チョ・ソヨン役)
チョ・ユンソ(ミンフェ皇太子妃役)
イ・ジュウォン(ソヒョン皇太子の長男イ・ソクチョル役)
キム・ドウォン(チョン・ギョンジェ役、ギョンスの弟)
等が出演しています。
実話・「仁祖実録」に記されている昭顕世子の死の謎とは?
映画で描かれたのは昭顕世子が毒殺されたということです。
この部分は、実話と言うわけではありませんが‥。
昭顕世子は父親である李氏朝鮮時代の第16代国王仁祖によって毒殺されたと言う説があるのです。
昭顕世子は、1623年の朝鮮王朝におけるクーデター事件(仁祖反正)で父仁祖が王になると、1625年(仁祖2年)王世子に冊封された。1637年、丙子の乱(1636年から1637年にかけて、清が李氏朝鮮に侵略して、制圧して服属させた戦争)が朝鮮の降伏により終結すると、1637年1月、仁祖は漢江のほとりで、清の皇帝に対して額を地面にこすりつけて謝罪させられたそうです。
さらに莫大な賠償金を課されたうえに、仁祖の息子昭顕世子が人質として清に連行されていきます。
昭顕世子は清国で、鄭命寿から強要され、明人や買い戻した朝鮮人捕虜を使役しての清国内での経済活動を開始するが、1643年にこのことが朝鮮国内に発覚すると、仁祖との関係が急速に悪化していきます。
昭顕世子は瀋陽で8年にわたる抑留生活を送った後、1644年に清軍と共に北京に入城し、アダム・シャールらイエズス会宣教師らと交際し、西洋の文物を携えて1645年に帰国しました。
しかし、昭顕世子は親清であると見て関係が悪化していた仁祖との仲は改善しませんでした。
昭顕世子が「朝鮮王朝も清を見習って改革すべき」と進言をしたという話もあります。
「梟 フクロウ」映画で描かれていましたが、清の李氏朝鮮への態度はかなり上から目線でありました。
仁祖は清に対して強い恨みをもっていたのでしょう。その清に従う昭顕世子も憎くなってしまったのでしょう。
昭顕世子は帰国から2ヶ月後に急死します。
仁祖実録にある昭顕世子の病状は毒殺のそれであり(全身から出血)、通常なら嫡流を重視し昭顕世子の子が世子となる筈だが、弟の鳳林大君(後の孝宗)が世子に指名されていること、後に昭顕世子の廃嫡を主張していた金自點の告発により、妻の姜氏がアワビに毒が盛られていたとして疑われてしまい死刑(自害した)に…と。
さらには姜氏の実家の人々も処刑され、息子3人は済州島に流罪となった。そのうちの2人が、不可解な形で絶命しています。
という事があったために
昭顕世子の死の謎は仁祖による毒殺と言われているのです。
映画「梟 フクロウ」では、この物語を盲目の鍼師を作って上手く描いていました。
非常にスリリングで楽しめましたね。