
- 異色のアンチヒーロー集結:日陰を歩いてきたキャラクターたちが集められ、互いのトラウマと向き合いながら絆を深めるMCUフェーズ5の締めくくり作品。
- 最強のヴィラン:アベンジャーズ全員を凌駕する力を持つ「セントリー」と、その裏の暗黒人格「ヴォイド」という精神的・物理的な脅威。
- なぜ「ニュー・アベンジャーズ」に?:映画のラストとエンドクレジットで明かされる、タイトルに隠されたアスタリスク(*)の秘密と黒幕の思惑を完全ネタバレ解説。
2025年5月に公開され、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ5の最後を飾る映画『サンダーボルツ*』
本作は、過去に罪を犯したりトラウマを抱えたりした、不器用なアンチヒーローたちが主役です。単純な勧善懲悪ではなく、メンタルヘルスや孤独といった深いテーマに切り込んだ、これまでのMCUとは一線を画す重厚な心理スリラー・アクションとなっています。
本記事では、本作に登場するサンダーボルツのメンバーや吹き替え声優、二つの顔を持つヴィランの詳細、そして最大の謎である「なぜニュー・アベンジャーズになったのか?」の理由からポストクレジットシーンまで、結末の完全ネタバレありで徹底的に深掘り解説します。

1. 映画『サンダーボルツ*』の作品概要・吹き替え声優・キャスト
まずは、本作の基本情報と、豪華な俳優陣および日本語吹き替え声優について整理します。
| 作品名 | サンダーボルツ*(原題:Thunderbolts*) |
|---|---|
| 米国公開日 | 2025年5月2日 |
| 監督 / 脚本 | 監督:ジェイク・シュライアー 脚本:エリック・ピアソン、ジョアンナ・カロ |
| 上映時間 | 127分 |
サンダーボルツのメンバー詳細とキャストの魅力
本作の最大の魅力は、過去の因縁やトラウマを抱えるキャラクターたちの共闘です。それぞれの背景と役割を紹介します。
- エレーナ・ベロワ / 演:フローレンス・ピュー(吹替:田村睦心)
【過去の登場作品】『ブラック・ウィドウ』『ホークアイ』
“レッドルーム”出身の暗殺者。義姉ナターシャの死による虚無感を抱え、本作の感情的な中心となるキャラクターです。 - バッキー・バーンズ / 演:セバスチャン・スタン(吹替:白石充)
【過去の登場作品】『キャプテン・アメリカ』シリーズ、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』ほか
洗脳を解かれた元暗殺者(ウィンター・ソルジャー)。現在はアメリカ下院議員となっており、混沌としたチームを率いるリーダーシップを発揮します。 - ジョン・ウォーカー / 演:ワイアット・ラッセル(吹替:鈴木達央)
【過去の登場作品】『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
元キャプテン・アメリカ(U.S.エージェント)。超人血清の影響で情緒不安定になり、妻子からも距離を置かれている悲哀を持った人物です。 - エイヴァ・スター / 演:ハナ・ジョン=カーメン(吹替:田中理恵)
【過去の登場作品】『アントマン&ワスプ』
物体をすり抜けるフェージング能力を持つ「ゴースト」。現在は能力をコントロールできるようになっています。 - アレクセイ・ショスタコフ / 演:デヴィッド・ハーバー(吹替:大塚明夫)
【過去の登場作品】『ブラック・ウィドウ』
ソ連の超人兵士「レッド・ガーディアン」であり、エレーナの父親代わり。リムジン運転手をしており、エレーナを助けるために奔走します。 - アントニア・ドレイコフ / 演:オルガ・キュリレンコ(吹替:中村千絵)
【過去の登場作品】『ブラック・ウィドウ』
相手の動きをコピーする暗殺者「タスクマスター」。物語の序盤でエイヴァとの戦闘により死亡し、チームに強烈な緊張感を与える役割を果たします。
2. 今回のヴィランを徹底解説:最強「セントリー / ヴォイド」と黒幕ヴァル
本作では、単純な「悪役」という枠に収まらない、二つの異なるタイプのヴィランが登場します。
ロバート・“ボブ”・レイノルズ / セントリー / ヴォイド
演:ルイス・プルマン(吹替:梶裕貴)
本作における最大の物理的・精神的脅威です。元薬物依存症の「セントリー計画」の生き残りで、アベンジャーズ全員を凌駕する強大な力を持っています。しかし、彼の中には「ヴォイド」という暗黒の別人格が潜んでおり、覚醒すると世界を闇で包み、人々をトラウマの幻影(恥の部屋)に閉じ込めてしまいます。彼の存在そのものが、本作のテーマである「メンタルヘルス」のメタファーとなっています。
ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ヴァル)
演:ジュリア・ルイス=ドレイファス(吹替:藤貴子)
CIA長官であり、本作の全ての事件を裏で操る黒幕です。自身の弾劾裁判を逃れ、証拠を隠滅するために、かつての部下たち(エレーナやジョンたち)を罠にはめて抹殺しようとしました。権力への異常な執着を持ち、スーパーヒーローをコントロールしてマスコミを利用する狡猾さを持っています。
3. 【完全ネタバレ】あらすじ・結末とタイトルのアスタリスクの意味
ここからは物語の核心に迫る重大なネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
【ネタバレを表示する】物語の結末・プロット
CIA長官のヴァルは自身の不正を隠蔽するため、エレーナ、ウォーカー、エイヴァ、タスクマスターをクアラルンプールの施設に集め、互いに殺し合わせようと罠を仕掛けます。
戦闘の最中、タスクマスターがエイヴァに殺されるという衝撃の展開が起こります。そこへカプセルから目覚めた記憶喪失の男「ボブ」が現れ、罠に気づいたエレーナたちはボブと共に脱出を図ります。
ボブは一度ヴァルに丸め込まれ、最強のヒーロー「セントリー」としてマスコミに発表されそうになります。しかし、強大すぎる力に溺れて神のような妄想を抱いたボブはヴァルを裏切ります。そこでヴァルの助手メル(演:ジェラルディン・ヴィスワナサン / 吹替:伊瀬茉莉也)がキルスイッチを起動したことで、裏の人格である「ヴォイド」が覚醒してしまいます。
ヴォイドはニューヨークを闇で包み込み、人々をトラウマの記憶に閉じ込めます。ヴォイドを止めるため、アレクセイに救出され、バッキーと合流したエレーナたちは、ボブの意識(闇)の中へと侵入します。
彼らは「恥の部屋」と呼ばれる自分たち自身の過去のトラウマと向き合いながら、ボブの深層心理に辿り着きます。武力で倒すのではなく、ボブを抱きしめ、彼を肯定することで、ボブ自身にヴォイドを制御させることに成功し、世界に光を取り戻しました。
事件解決後、ヴァルはマスコミの前で抜け抜けと彼らを「ニュー・アベンジャーズ」として紹介し、手柄を横取りします。チームはその発表に合わせますが、エレーナは裏でヴァルに「私たちがお前を支配している」と耳打ちし、実質的な主導権を握ります。
4. 考察:なぜ「ニュー・アベンジャーズ」なのか?黒幕の思惑とF4への伏線
本作のタイトルに付いていたアスタリスク(*)は、エンドクレジットでタイトルが『The New Avengers(ニュー・アベンジャーズ)』に変化するための壮大な伏線でした。なぜ彼らがこの名を背負うことになり、そして次作へどう繋がるのでしょうか。
① 黒幕ヴァルの自己保身と強烈な皮肉(アイロニー)
CIA長官のヴァルは、議会から厳しい弾劾裁判を受けており、失脚寸前の状態でした。そこにヴォイドの脅威を退けたエレーナたちが現れます。
狡猾なヴァルは、彼らの活躍を「自分が組織した新しいスーパーヒーローチームの功績」としてマスコミに大々的に発表(PRスタント)することで、世論を操作し、自身への弾劾を回避しようと目論んだのです。
暗殺者や情緒不安定な者たちばかりの欠点だらけのチームが、高潔な「アベンジャーズ」という大衆ウケする名前を勝手に再利用されること。制作陣はこれを「彼らには全く似つかわしくない名前」として、強烈な皮肉を込めて描いています。
② エンドロールのおまけ:ファンタスティック・フォーへの繋がり
ヴァルの身勝手なネーミングは、新たな火種を生みます。14ヶ月後を舞台にしたエンドロール後のおまけ映像(ポストクレジットシーン)では、新チームがキャプテン・アメリカであるサム・ウィルソンのアベンジャーズから「アベンジャーズの商標権侵害」で訴えられ、揉めているコミカルな様子が描かれます。
さらに、彼らの拠点であるウォッチタワーが、宇宙空間から飛来する謎の船を検知します。その宇宙船の側面には「4」のエンブレムがはっきりと描かれており、これが別次元からやってくる『ファンタスティック・フォー』の合流を意味しているのは間違いありません。
このシーンは、MCUの次なる超大作クロスオーバー映画『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026年公開)への直接的な繋がり(伏線)となっており、ニュー・アベンジャーズとなった彼らとファンタスティック・フォーが今後どのように交わるのか、期待を最高潮に高めて映画は幕を閉じます。
5. 海外の評価は?賛否両論の理由と深い考察
本作は、製作費に対して世界興行収入が3億8240万ドルと、MCU作品としては興行的に苦戦を強いられました。ケヴィン・ファイギ社長は、観客が「事前にDisney+のドラマシリーズを見ておかなければならない」と誤解してしまったことが不振の一因であると分析しています。
しかし、映画そのものの評価・レビューは非常に高く、批評家や観客からは以下のような点が絶賛されています。
- A24のようなインディーズ映画的アプローチ: ボブの心の中にある「恥の部屋(shame rooms)」の演出など、メンタルヘルスやトラウマといった重いテーマに深く切り込み、MCUの定型から脱却した点が評価されました。
- フローレンス・ピューらの圧倒的な演技力: エレーナを演じたピューのカリスマ性や、ボブ役のルイス・プルマンの繊細な演技が映画を牽引していると称賛されています。
- 善悪の境界の曖昧さ: 「善と悪」ではなく「悪とさらに悪いもの」しかいないという、アンチヒーローたちの複雑な関係性が深く描かれています。

6. 【FAQ】映画『サンダーボルツ*』のよくある質問
Q1. なぜ映画のタイトルに「*(アスタリスク)」が付いているのですか?
A. 映画の結末で、チームが黒幕ヴァルによって「ニュー・アベンジャーズ」として再ブランディングされることを暗示する伏線です。実際にエンドクレジットではタイトルが『The New Avengers』に変化します。
Q2. 映画を見る前に他のMCUドラマを見る必要はありますか?
A. いいえ、必須ではありません。ケヴィン・ファイギ社長も言及している通り、事前にDisney+のドラマシリーズを見ていなくても十分に楽しめる独立したストーリー構造になっています。
Q3. ヴィランの「ヴォイド」とは何者ですか?
A. 記憶喪失の青年ボブ(セントリー)の中に潜む暗黒の別人格です。彼のうつ病や不安が増幅された存在であり、人々を自身のトラウマの記憶(恥の部屋)に閉じ込める恐ろしい能力を持っています。
まとめ:『サンダーボルツ*』は必見の異色作
ここまで『サンダーボルツ*』のあらすじ、メンバーや吹き替えキャスト、アスタリスクの意味からファンタスティック・フォーへと繋がるおまけ映像まで徹底解説してきました。
興行成績の数字だけでは測れない、キャラクターたちの生々しい感情と、メンタルヘルスという深いテーマを備えた本作は、間違いなくMCUの新たな可能性を切り開いた傑作です。















