「ラ・パルマ」原題:La Palmaは2024年のノルウェードラマ
実際に2021年に起こったクンブレ・ビエハ火山の噴火とクンブレ・ビエハの津波災害仮説を題材に作られた作品です。
食わず嫌いしてましたが、観てみると一話のオープニングシーンでハマってしまいました。
4話で構成され1話39分~50分ほどなのであっという間に一気見してしまいました。
人間模様と火山噴火の兆候が1.2話で描かれ、3話からは怒涛の展開が描かれます。
津波のシーンはリアルで凄い映像美です。
あんなデカい津波が来たら…と思うとマジで怖い…。
後で書きますが、しかもこれ‥実際に起こる可能性があるシーンなんですよね。
ちなみに火山は実際に起こったシーンでもあります。
ラストはほっこりで、お勧めのディザスタードラマ作品でした。
ただ…飛行機のシーンはツッコミどころですよ(笑)
Netflixより2024年12月12日配信開始
監督
カスパー・バーフォード
脚本
ラーシュ・ギュドゥメスタッド
ハラルド・ローゼンロウ・イグ
キャスト
イングリッド・ボルゾ・ベルダル
アンドレス・バースモ・クリスティアンセン
アルマ・ギュンター
ベルナルド・ストーム・ラガー
テア・ソフィー・ロック・ネス
オラフル・ダッリ・オラフソン
ホルヘ・デ・フアン
アムンド・ハーボー
ヨハンズ・ヨーネル
ジェニー・エヴェンセン
等が出演しています。
実話!クンブレ・ビエハ火山の噴火とクンブレ・ビエハの津波災害仮説
Netflixより配信開始になった本作「ラ・パルマ」を観ていると、実話なのでは?
と思うかもしれませんが‥。
「ラ・パルマ」は実話ではありません。
ただ、モチーフとなった実話がありまして、それは
クンブレ・ビエハ火山の噴火とクンブレ・ビエハの津波災害仮説です。
クンブレ・ビエハ火山の噴火
スペイン領カナリア諸島ラ・パルマ島の南半分を占めるクンブレ・ビエハ 火山の尾根で、2021年9月19日から12月13日にかけて噴火が発生しました。
85日間続いたこの噴火は、記録が始まって以来、ラ・パルマ島で起きた火山噴火としては最長かつ最も被害が大きく、この火山による被害総額は8億4,300万ユーロに上っています。
溶岩流は1,000ヘクタール(2,500エーカー)以上を覆い、約7,000人が避難した。溶岩流は最も広い部分で幅約3.5キロメートル(2.2マイル)、長さ約6.2キロメートル(3.9マイル)で海に達し、3,000以上の建物を破壊し、海岸沿いの高速道路を分断して新しい半島を形成しました。
また、広範囲にわたる溶岩洞窟も形成され、トドケの町は、その最東端のロス・カンピトス地区を含む溶岩によって完全に破壊され、溶岩はラ・ラグーナ(ロス・リャノス・デ・アリダネ市内の町)にも達しています。
火山からの有毒ガスの吸入により1人が死亡しました。
上記が実話の部分です。
Netflixドラマ「ラ・パルマ」でも、火山の噴火により溶岩流が山の草木を焼き降りてきているシーンや、有毒ガスが出て死者が出るシーンがありました。
火山口でワインなんてシーンもありましたが、あれはともかくドラマで描かれた火山のシーンは実際にあった事であります。
ドラマでは皆パニック状態で、自分が生き残るために他者を犠牲にするという恐ろしいシーンも描かれていました。
小さな島で噴火など起きたら…考えると恐ろしいですね。
クンブレ・ビエハの津波災害仮説
海洋島火山の巨大な地滑りと崩壊は、1964年にハワイで初めて報告され、現在ではほぼすべての海洋盆地で発生していることが知られています。
火山は大きくなるにつれて最終的に不安定になり、崩壊して地滑りや、 1980年のセントヘレンズ山の崩壊などの崩壊を引き起こします。
最近では2018年に崩壊してスンダ海峡津波を引き起こしたアナク・クラカタウ島などが有名です。
カナリア諸島のラ・パルマ島も大規模な地滑りの危険にさらされており、大西洋で津波を引き起こす可能性があると言われています。
スティーブン・N・ワードとサイモン・デイは2001年の研究論文で、クンブレ・ビエハ火山の噴火活動における完新世の変化と1949年の噴火中に形成された火山の亀裂が、巨大崩壊の前兆である可能性があると提唱されました。
彼らは、そのような崩壊が北大西洋全体に津波を引き起こし、北アメリカにまで及ぶ遠くの地域に深刻な影響を及ぼす可能性があると推定しました。
Netflixドラマ「ラ・パルマ」で描かれたのは、その推定された仮説です。
大規模な地滑りが海に落ちてきたことにより
巨大津波が発生し、全てを飲み込んでいくのです。
このシーンは圧巻でしたね。
このようにNetflixドラマ「ラ・パルマ」は実際にあった実話と、これからあるかもしれない仮説を複合させて作られています。
ちょっと難しいかもしれませんが、描かれていることは実話ではありません。
実話をモチーフに作られた作品だという事です。
実際に津波も、その後の研究では、津波の高さは発生源から離れるにつれて急速に低下し、大陸棚との相互作用によってさらに小さくなる可能性があるため、ラ・パルマ島から遠く離れた場所でも津波がかなりの大きさになるかどうかが議論されています。
カナリア諸島での崩壊のほとんどは多段階の出来事として発生し、津波の発生にはそれほど効果的ではないことを示す証拠があり、ラ・パルマ島での多段階の崩壊も同様に小さな津波をもたらすと言われています。