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『木曜殺人クラブ』は2025年8月21日にロンドンのレスター・スクエアでプレミア上映され、その後2025年8月22日に選ばれた30の映画館で公開され、 2025年8月28日にNetflixで配信開始となった映画です。

世界的ベストセラーとなったリチャード・オスマンの同名小説を原作に、ヘレン・ミレンやピアース・ブロスナンといった豪華俳優陣が集結しNetflixが作り上げたことで、めちゃくちゃ面白そうだなあ~と配信前からこの作品にかなり期待しておりました!
映画の舞台は、イギリスの高級高齢者施設「クーパーズ・チェイス」。
ここで暮らす4人の老人たちが、趣味で始めた「木曜殺人クラブ」をきっかけに、本物の殺人事件の謎に挑んでいくという、ユーモアと本格ミステリーが融合した物語が描かれます。
本記事では、映画『木曜殺人クラブ』の作品情報、あらすじから主要キャスト、そして事件の真相まで、ネタバレ全開で徹底的に考察・解説していきますので!
まだ鑑賞していない方、ネタバレを見たくない方はご注意ください!
では!この先は自己責任でよろしくお願い致します!
Netflix映画『木曜殺人クラブ』作品情報|豪華キャストと見どころを紹介
全世界で1500万部を突破したリチャード・オスマンのベストセラーミステリー小説を、豪華キャストで実写化したNetflix映画『木曜殺人クラブ』。
ここでは、作品の基本情報から魅力的なキャスト陣、そして絶対に押さえておきたい見どころまで、詳しくご紹介します。
作品情報
- 作品名: 木曜殺人クラブ (原題: The Thursday Murder Club)
- 配信開始日: 2025年8月28日 (木)
- 配信サービス: Netflix (独占配信)
- 監督: クリス・コロンバス (『ホーム・アローン』『ハリー・ポッターと賢者の石』)
- 原作: リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- ジャンル: ミステリー、コメディ、ドラマ
あらすじ
イギリスの高級高齢者施設「クーパーズ・チェイス」。ここでは、毎週木曜日に4人の老人たちが集まり、未解決の殺人事件のファイルを独自に調査する「木曜殺人クラブ」という活動が行われていた。元スパイ、元労働組合活動家、元精神科医、そして元看護師。それぞれの経歴を活かして推理に耽っていた彼らだったが、ある日、施設の土地開発業者が殺害されるという“本物”の事件が発生。4人は退屈な日常を抜け出し、リアルな謎解きに挑んでいく。
超豪華!主要キャスト紹介
本作の最大の魅力の一つは、英国が誇るレジェンド級の俳優陣の競演です。
- エリザベス・ベスト役:ヘレン・ミレン
クラブのリーダー格で、元諜報員(スパイ)という謎めいた過去を持つ女性。アカデミー賞受賞歴を持つ英国の至宝が、知的でチャーミング、時に冷徹な主人公を演じます。 - ロン・リッチー役:ピアース・ブロスナン
血気盛んな元労働組合のリーダー。5代目ジェームズ・ボンドとして知られる彼が、口は悪いが仲間思いの行動派を熱演します。 - イブラヒム・アリフ役:ベン・キングズレー
物静かで几帳面な元精神科医。『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を受賞した名優が、クラブの頭脳として冷静な分析力を発揮します。 - ジョイス・メドウクロフト役:セリア・イムリー
クラブの新メンバーで、元看護師。一見、平凡でおしゃべり好きに見えるが、鋭い観察眼で事件の核心に迫ります。『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなどで知られるベテラン女優が、物語の語り部としても重要な役割を担います。
その他にも、デヴィッド・テナントやジョナサン・プライスなど、実力派俳優が脇を固め、物語に深みを与えています。
ここが見どころ!3つのポイント
1. レジェンド俳優たちが織りなす極上のアンサンブル
ヘレン・ミレン、ピアース・ブロスナン、ベン・キングズレー。スクリーンに映っているだけで画になる名優たちが、ユーモアたっぷりに丁々発止のやり取りを繰り広げます。彼らが長年の人生経験から培った知恵と、決して衰えることのない好奇心を武器に、現代の警察を手玉に取りながら捜査を進める様子は痛快そのもの。それぞれのキャラクターが持つ個性と俳優自身の魅力が完璧に融合した、極上のアンサンブルは必見です。
2. ユーモアとシリアスが絶妙に融合した英国ミステリー
本作は、人が死ぬ殺人事件を扱いながらも、全体を包む雰囲気は決して暗くありません。シニア探偵団のウィットに富んだ会話や、少しズレた捜査方法が随所に笑いを誘います。しかし、物語の根底には「老い」や「死生観」、「過去との向き合い方」といったシリアスなテーマが流れており、ふとした瞬間に胸に迫るセリフやシーンが登場します。この軽やかさと深みのバランスこそ、英国ミステリーならではの魅力です。
3. 原作へのリスペクトと美しいイギリスの風景
世界的ベストセラーとなった原作小説の魅力を最大限に尊重し、『ハリー・ポッター』シリーズを手がけたクリス・コロンバス監督が、その世界観を美しく映像化しました。緑豊かなイギリスの田園風景に佇む高級高齢者施設を舞台に、物語が紡がれていきます。原作ファンはもちろん、初めてこの物語に触れる人も、そのチャーミングな世界観と二転三転する謎解きに引き込まれること間違いなしです。
予告動画
ネタバレあらすじ:二転三転する殺人事件
クーパーズ・チェイスで、未解決事件のファイルを見て推理に耽っていた「木曜殺人クラブ」のメンバーたち。
しかし、施設の強引な開発計画を巡り、彼らの日常は一変します。
開発業者イアン・ヴェンサムと共同経営者のトニー・カランの間でトラブルが発生。
そしてある日、トニー・カランが自宅で撲殺されているのが発見されます。
これを「本物の事件」と捉えたクラブの面々は、独自の捜査を開始。警察官のドナを巧みに協力者に引き入れ、捜査線上に浮かぶ情報を集めていきます。
しかし、事件はこれだけでは終わりません。
開発計画に反対する住民たちの抗議デモの最中、今度は開発業者のイアン・ヴェンサムが突然倒れ、死亡してしまいます。
彼の死因は、強力な鎮痛剤フェンタニルの過剰摂取による毒殺でした。
連続する二つの殺人事件。
果たして犯人は同一人物なのか?それとも…。クラブの4人は、それぞれの得意分野を活かし、複雑に絡み合った謎を一つ一つ解き明かしていきます。
【ネタバレ考察】事件の真相と犯人の正体
犯人は複数いた!二つの殺人事件の真相
物語の核心、二つの殺人事件の犯人は、それぞれ別人でした。
トニー・カラン殺害事件の犯人
トニーを殺害した犯人は、建設作業員のボグダン・ヤンコフスキです。
ボグダンは、トニーにパスポートを取り上げられ、不当な労働を強いられていました。
パスポートの返却を求めてトニーの家を訪れた際にもみ合いとなり、カッとなったボグダンが工具で殴ってしまったのです。
これは計画的な殺人ではなく、偶発的なものでした。
エリザベスの夫で、認知症を患うスティーヴンがボグダンとチェスを指している際の会話を録音していたことが、真相解明の決定打となります。
イアン・ヴェンサム殺害事件の犯人
イアンを毒殺した犯人は、なんとクラブの創設メンバーであるペニーの夫、ジョンでした。
この事件の根源は、何十年も前に遡ります。
元警察官だったペニーは、恋人殺しの罪を逃れたピーター・マーサーという男を、自らの手で殺害し、正義を執行していました。
そして、夫のジョンはその遺体を施設の墓地に埋葬するのを手伝っていたのです。
イアンがその墓地を掘り返す開発計画を進めていたため、ジョーンは妻の秘密が暴かれることを恐れました。
末期がんで意識のないペニーが処方されていたフェンタニルを使い、イアンを殺害するに至ったのです。
衝撃の結末:愛と罪の清算
全ての謎を解き明かしたエリザベスたちは、ジョンと対峙します。
ジョンは罪を認め、エリザベスたちに真相を打ち明けました。
そして、エリザベスたちがその場を去った後、ジョンは愛する妻ペニーに、そして自らにもフェンタニルを注射し、共にこの世を去ることを選びます。
これは、罪の清算であると同時に、長年連れ添った妻への最後の愛の形でもありました。
木曜殺人クラブの面々は、警察に全ての真相を話すことはせず、ジョンの行動をある意味で見届けたのです。
ジョンとペニーのささやかな葬儀が執り行われた日、エリザベスは一つの決意を胸に、ジョイスへと向き直ります。その手には、クラブの創設者ペニーが遺したTMC(木曜殺人クラブ)のネックレスが。静かに手渡されたそれは、ジョイスが正式なメンバーとして迎え入れられた証でした。悲しい別れを経て、クラブの絆は新たな形となって引き継がれていきます。
クーパーズ・チェイスには売却の話が持ち上がり、彼らの日常にも変化の風が吹き始めます。しかし、たとえ住む場所が変わろうとも、彼らの時間は穏やかに流れ続けます。結婚記念日を祝うエリザベスとスティーヴン、パブでビールを酌み交わすロンと息子、そして昔の思い出に静かに微笑むイブラヒムとジョイス。
『木曜殺人クラブ』の結末で描かれるのは、センセーショナルな事件の解決だけではありません。法では裁ききれない愛と罪の形を見届けた彼らが、それぞれの人生の黄昏を、大切な仲間と共にどう生きていくかという温かな眼差しです。
一つの事件は幕を閉じましたが、彼らの飽くなき好奇心は、きっとまた新たな謎へと向かうことでしょう。クスリと笑えて、胸が締め付けられるほど切ない。そんな人生の深淵を覗かせてくれる、忘れられない結末がここにありました!
ジョンはなぜ、自分の罪を明らかにした後に、ペニーと共に死を選んだのか。
ジョンはなぜ、自分の罪を明らかにした後に、ペニーと共に死を選んだのか。それは単に妻の過去の罪が露見するのを恐れただけではありません。彼の行動は、長年連れ添った夫婦の深い絆と、究極の自己犠牲からくるものだと解釈できます。
- 「愛する妻の罪を背負う」という決意 ジョンは、元警察官であったペニーが「正義」のために犯した殺人の秘密を、何十年もの間、共に守り続けてきました。彼の人生は、妻の罪を守るという重荷を背負うことで形作られてきたのです。イアンを殺害した動機は、妻の秘密を守るためでした。これは、彼女の過去を守るために自らも罪を犯すという、一見すると異常な「愛」の表現です。
- 「共に生き、共に死ぬ」という選択 ジョンがペニーにフェンタニルを注射し、自らも命を絶ったことは、愛する人が苦しむ姿を見たくないという純粋な気持ちと、彼女を一人にしないという強い決意の表れです。彼にとって、ペニーが過去の罪を追及されたり、残された人生を孤独に過ごしたりすることは、耐え難いことだったのかもしれません。彼は自分の人生の終焉に際し、妻との絆を最も純粋な形で証明しようとしたのです。
- クラブメンバーとの対峙が促した「清算」 ジョンがクラブのメンバーに罪を打ち明けるシーンは、彼の心境に大きな変化をもたらしました。彼は自分の行動が、もはや秘密ではなくなったことを知ります。この時、彼が選んだのは、罪を告白して罰を受けることではなく、愛する妻と共に、長年にわたる「罪の秘密」という重荷から解放されることでした。
このように、ジョンが選んだ道は、法的な裁きを超えた「愛と罪の清算」でした。彼の行動は、単なる犯罪者の逃避ではなく、長年にわたり二人で背負ってきた秘密の重荷から解放されるための、そして何よりも愛する妻を孤独から守るための究極の選択だったのです。彼の悲劇的な決断は、物語にミステリーとは異なる深い哀愁を漂わせ、観客に「愛とは何か」「死とは何か」という普遍的な問いを投げかけます。木曜殺人クラブのメンバーたちが、彼の行動をある意味で黙認したのも、その背景にある深い夫婦愛を理解したからに他なりません。
ユーモアと哀愁が織りなす極上の英国ミステリー
Netflix映画『木曜殺人クラブ』は、単なる犯人当てのミステリーではありません。
老いてもなお衰えない知的好奇心、長年連れ添った夫婦の愛、そして人生の終着点で過去の罪と向き合う人々の姿が、ウィットに富んだ会話と共に描かれています。
豪華俳優陣の味わい深い演技も相まって、クスリと笑えるのに、最後にはどこか切なく、人生について考えさせられる。
そんな極上の英国ミステリーを、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
続編を期待させるラストも、今後の展開に胸を膨らませます。
Netflixの視聴ランキングにも入っているので続編に期待しています!
Netflix『木曜殺人クラブ』評価まとめ|国内外のレビューサイトでの評判は?
2025年8月28日に全世界で配信が開始されたNetflix映画『木曜殺人クラブ』。豪華キャストと世界的ベストセラー小説の映画化ということで大きな注目を集めていますが、実際の評価はどうなのでしょうか。
ここでは、日本の主要映画サイトと、海外の大手レビューサイトの評価をまとめ、国内外での受け止められ方の違いにも触れながらご紹介します。
とその前に僕の個人的評価を言っておきましょう。
可もなく不可もなくって感じですね。悪くはなかったんですけど、ミステリーがそんなに驚きがありませんでした。何か唐突にネタバレして終わってしまった印象があります。もう少し驚きがある展開が良かったです。
ただ、豪華キャストの演技が非常に良くて、もし続編があるならキャストの過去とかが明らかになって行く展開なのかな?と期待を膨らませてしまいました。
日本の映画サイトでの評価:「キャストが最高!」「心温まる」と高評価が多数
日本の映画情報・レビューサイトでは、配信直後から多くの感想が寄せられており、全体的に非常にポジティブな評価が目立ちます。
Filmarks(フィルマークス) や 映画.com といったサイトでは、5段階評価で平均3.8〜4.0前後(※2025年9月2日時点)と比較的高スコアを記録しています。
日本のレビューに見られる主なポイント
- 豪華キャストの競演を絶賛:
- 「ヘレン・ミレン、ピアース・ブロスナン…レジェンド俳優たちの会話だけで贅沢」
- 「キャスティングが神。原作のイメージにぴったり」
- 「英国の名優たちのアンサンブルが素晴らしく、安心して見ていられる」
- チャーミングなキャラクターと作風:
- 「シニカルでウィットに富んだ会話が楽しい」
- 「人生経験豊富なご隠居たちが、警察を手玉に取りながら捜査するのが痛快」
- 「殺人事件を扱っているのに、暗くならず、後味が良い」
- ミステリーとヒューマンドラマのバランス:
- 「ミステリーとしてもしっかり楽しめる」
- 「老いや愛する人との時間といったテーマに、ふと涙腺が緩む」
日本では、巧妙なミステリーの謎解きそのものよりも、ベテラン俳優たちが演じる魅力的なキャラクターたちのやり取りや、作品全体を包む心温まる雰囲気が高く評価されている傾向にあります。配信で気軽に楽しむエンターテイメントとして、広く受け入れられているようです。
海外の映画サイトでの評価:賛否両論ながら「楽しい作品」との声
海外では、より批評的な視点からのレビューも多く、評価は**「賛否両論」または「概ね好評」** といった印象です。
Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)
- 批評家スコア:76% (Fresh)
- 観客スコア:59%
Metacritic(メタクリティック)
- メタスコア:60/100 (Mixed or Average Reviews)
海外のレビューに見られる主なポイント
- 【賛】キャストの魅力と「心地よいミステリー」:
- 批評家の多くは、日本と同様に豪華キャストのパフォーマンスを高く評価。「キャストを見ているだけで楽しい」「彼らの魅力が映画を牽引している」といった声が上がっています。
- 原作の持つ「コージー・ミステリー(居心地の良いミステリー)」の雰囲気をうまく映像化している点を評価するレビューも多く見られます。
- 【否】ありきたりなプロットと脚色への不満:
- 一方で、「ミステリーのプロット自体はありきたりで、驚きが少ない」「テレビ映画のようだ」といった手厳しい意見も。
- 原作ファンからは、「原作の持つ魅力やキャラクターの深みが少し失われている」「脚色が表面的」といった、映画化に対する不満の声も観客レビューを中心に見られます。
海外では、映画を一つの「ミステリー作品」として評価する視点が強く、プロットの独創性や脚本の完成度がより厳しくジャッジされる傾向にあります。そのため、キャストの魅力は認めつつも、物語自体には物足りなさを感じる批評家や観客が一定数いるようです。
まとめ:国内外で評価の視点に違いも、魅力的な作品であることは共通
- 日本では: キャストの魅力と心温まる雰囲気が絶賛され、満足度の高いエンターテイメント作品として広く受け入れられています。
- 海外では: キャストは高く評価されつつも、ミステリーのプロットに対しては賛否両論があり、「気軽に楽しめるが、傑作とまでは言えない」 という評価が中心です。
総じて言えるのは、この映画の最大の魅力がヘレン・ミレンをはじめとするレジェンド俳優たちのアンサンブルにあるという点では、国内外で共通の認識です。複雑なトリックや深い考察を求めるミステリーファンには少し物足りないかもしれませんが、魅力的なキャラクターたちが織りなすウィットに富んだ会話と、ちょっぴり切ない人生の物語を楽しむには最高の作品と言えるでしょう。
『木曜殺人クラブ』のようなNetflix映画はオススメの作品が他にもあります。