【ネタバレ】『BEAST -私のなかの獣』あらすじ結末と感想|Netflix新作サイコスリラーの衝撃
BEAST -私のなかの獣

2025年11月、Netflixで配信開始された話題のサイコスリラー『BEAST -私のなかの獣(原題:The Beast in Me)』

BEAST -私のなかの獣のポスタービジュアル
BEAST -私のなかの獣

エミー賞受賞女優クレア・デインズと、『ジ・アメリカンズ』のマシュー・リスが共演し、人間の深淵に潜む「獣」を描き出した衝撃作です。
個人的にも「本当に面白かった!」と自信を持っておすすめできる一作でした。

本記事では、全8話のあらすじから衝撃の結末(ネタバレ)、豪華キャスト情報、そして独自の視点を交えた感想レビューまで、その魅力を余すところなく徹底解説します。

作品情報とキャスト

原題The Beast in Me
ジャンルサイコスリラー、犯罪ドラマ
製作総指揮ジョディ・フォスター、コナン・オブライエン 他
配信日2025年11月13日(Netflix)
話数全8話

主要キャスト

アギー・ウィッグス
演:クレア・デインズ
かつての名声ある作家だが、息子クーパーを飲酒運転事故で亡くし、執筆に行き詰まっている。隣人のナイルに異常な興味を抱く。
ナイル・ジャーヴィス
演:マシュー・リス
不動産王の息子。前妻マディソンの殺害疑惑を持たれているが、証拠不十分で自由の身。アギーの隣家に引っ越してくる。
ニーナ・ジャーヴィス
演:ブリタニー・スノウ
ナイルの現在の妻。マンハッタンでギャラリストをしている。
シェリー・モリス
演:ナタリー・モラレス
アギーの元妻で画家。アギーとの復縁を望んでいるが、過去の悲劇が影を落とす。
⚠️ここから先は『BEAST -私のなかの獣』のネタバレを詳細に含みます。
未視聴の方はご注意ください。

第1話「病める子犬」:隣人は殺人鬼?

作家のアギー・ウィッグスは、数年前に飲酒運転の事故で6歳の息子クーパーを失い、その深い悲しみから立ち直れずにいました。
そんな中、彼女の住むロングアイランドのオイスターベイの隣家に、不動産開発業者のナイル・ジャーヴィスが引っ越してきます。彼は前妻マディソンを殺害した疑惑があるものの、死体が見つかっていないため逮捕されていない「疑惑の人」でした。

アギーはナイルと彼の新しい妻ニーナと出会いますが、ナイルは地域のジョギングコース建設への支持を求め、アギーに近づきます。
クーパーの命日、アギーと元妻シェリーは墓参りに行き、そこで息子クーパーを殺した運転手テディ・フェニグが献花しているのを目撃し、激しい口論になります。

後日、アギーはナイルとランチを共にしますが、そこで彼はアギーの現在の本の構想を「つまらない」と一蹴。代わりに「僕についての本を書けばいい」と提案します。アギーは酔った勢いで、息子を殺したテディが刑務所に入らなかったことへの恨みを語り、「彼が死ねばいいと願ったこともある」と告白してしまいます。

その夜、FBI捜査官のブライアン・アボットがアギーを訪ね、ナイルには近づくなと警告します。アボットはマディソン失踪事件の担当捜査官でした。
翌朝、衝撃のニュースが飛び込みます。テディが自殺したというのです。

【筆者の感想】
第1話から衝撃でした。特にナイル・ジャーヴィスの性格の悪さには引くぐらいびっくりしました。初対面の隣人(しかも著名な作家)に対して「君の本のアイデアはつまらない」と言い放ち、挙句の果てに「自分を書け」と提案する傲慢さ。マシュー・リスの怪演が光りますが、現実にいたら絶対に関わりたくないタイプです。

第2話「孤独な2人」:疑惑の深まり

テディの自殺現場を訪れたアギーは、ナイルに遭遇します。彼はテディの死について探りを入れてきて、アギーの疑惑は一層深まります。
アギーはセントラルパークでアボット捜査官と会い、「ナイルがテディを殺したのではないか」と懸念を伝えますが、アボットは証拠がないとして彼女を諭します。

アギーはナイルについての本を書くことを決意。「マディソン失踪事件について、あなたの側の真実を書くチャンスだ」とナイルを説得し、取材の合意を取り付けます。

一方、ナイルの叔父で警備責任者のリックがアギーの家に侵入し、アボットの名前が書かれたメモを発見。ナイル側もアギーを警戒し始めます。

第3話「部屋の中の象」:危険な取材

リックはナイルの父で不動産王のマーティンに、アギーが本を書こうとしていることを報告します。
アギーはナイルへの最初のインタビューを行いますが、ナイルは彼女を自身の家族の誕生日パーティーに招待するなど、巧みに懐柔しようとします。

アギーはアボットと協力し、ナイルの動きを探る計画を立てます。しかし、ナイルはアギーを建設中の高層ビルに呼び出し、アボットとの接触を問い詰めます。アギーは「彼はただの情報源だ」と嘘をつき、ナイルに本の編集権を与えることでその場を収めます。

パーティーの最中、アボットはナイルの自宅に侵入しパソコンからデータを盗み出しますが、ナイルの飼い犬に襲われ、脚に大怪我を負ってしまいます。

第4話「タナトス」:衝撃の犠牲者

アボットは盗み出したデータを解析し、戦慄の事実を知ります。
そこには、自殺したはずのテディ・フェニグが監禁され、生きている映像がライブ配信されていたのです。

アボットはナイルを尾行し、倉庫へ向かいます。そこではナイルが市議会議員のオリビア・ベニテスに対し、自社の不動産プロジェクト「ジャーヴィス・ヤーズ」の承認を求めて裏取引を持ちかけていました。

取引決裂後、アボットは銃を構えてナイルを追い詰めますが、逆にナイルに取り押さえられ、自身の拳銃で殴打され殺害されてしまいます。
人を殺した後、ナイルは何食わぬ顔で深夜のアギーの家を訪れ、酒を一緒に飲もうと言うのでした。

第5話「酒宴」:隠蔽工作と新たな証拠

ナイルはアボットの遺体を乗せた車をスクラップ工場で処分し、証拠隠滅を図ります。

アギーはマディソンの弟クリストファーから、マディソンの遺品である「野鳥観察日記」を受け取ります。日記を調べたアギーは、マディソンの「遺書」とされる手紙が、実は彼女が死ぬ2年前の自殺未遂時に書かれた日記のページを破り取ったものであることに気づきます。

アギーは「ナイルが姉を殺した証拠を見つけた」とアボットにメールを送りますが、その時アボットの携帯を持っていたのは、死体を処分中のナイルでした。
ナイルはアボットになりすまし、アギーに「誰にも言うな」と返信。その後、携帯を川に捨てます。

第6話「獣と私」:暴かれる嘘

ニーナの妊娠が発覚しますが、ナイルは子供を望んでいなかったはずなのに、表面上は喜んでいるように見せます。

アギーは連絡の取れないアボットの家を訪れ、彼の上司で愛人のエリカ捜査官と遭遇。二人はアボットのPCから、テディが監禁されている映像を発見します。

アギーが家に帰るとナイルが待ち構えていました。彼はアギーを森への散歩に誘い、「俺がマディソンを殺したと思っているのか?」と迫ります。アギーはなんとか逃げ出しますが、自宅に戻ると原稿に書き込みがされており、ナイルが侵入した形跡が。

そして2階の息子の部屋には、殺されたテディの死体が置かれていました。

第7話「亡霊」:過去の真相

物語は2019年に遡り、ナイルの最初の妻マディソン殺害の真相が明かされます。

ナイルは会社の借金返済のためカルテルの資金を受け入れており、FBIのアボットに目を付けられていました。ナイルを恐れていたマディソンは、彼と別れる為にアボットの情報提供者(スパイ)になり、ナイルを逮捕させようとしていたのです。

偶然アボットとマディソンが会っているのを知ってしまったニーナ(当時はマディソンの助手)から話を聞いたナイルは激昂。国外逃亡を図ろうとしていたマディソンをギャラリーで捕まえ、彫像で殴打して殺害しました。
ナイルの父マーティンと叔父リックが現場を隠蔽し、以前の日記のページを使って自殺に見せかけたのでした。

第8話「最後の言葉」:結末とその後

現在。テディ殺害の容疑をかけられたアギーは警察に追われながらも、ナイルの罪を暴くために奔走します。

そんな中、アギーの記憶の蓋が開きます。
テディが起こしたと思われていた事故は、実は口論の最中、アギーが助手席のクーパーの方を振り向いてしまったことによる「よそ見運転」が原因だったことが判明するのです。

罪の意識に苛まれながらも、アギーはニーナのギャラリーに侵入。ナイルがマディソンを殺した証拠をニーナに突きつけ、警察に投降します。

その夜、動揺したニーナは自宅でナイルを問い詰めます。ナイルはついに本性を現し、「マディソンもテディも死んで当然だった」と犯行を自白します。

翌日、ナイルの記者会見の直後、ニーナはナイルに自白を録音した音声を聞かせ、「私と息子に近寄るな!」と言い放ちます。その直後、警察が突入しナイルは逮捕されました。

【ラストの結末】
叔父のリックが検察に共犯を自白したことで、ナイルは終身刑となります。しかし、刑務所内でリックが手配した囚人によって刺殺されるという最期を遂げました。
(リックは一族が没落していく姿を見せまいと、入院中の兄マーティンを窒息死させた後に逮捕されていました)

アギーは一連の体験を綴った本『The Beast in Me(私のなかの獣)』を出版。自身のトラウマや罪悪感と向き合いながら、新たな人生を歩み始めます。

一方、ニーナはナイルとの間に生まれたばかりの息子を抱いています。「この子にもナイルのような残虐な衝動が潜んでいるのではないか?」という不安と、母としての希望が入り混じった複雑な表情で、物語は幕を閉じます。

感想と評価:アカデミー賞の呼び声も

全編を通して、人間の内面に潜む狂気と暴力性を見事に描いた傑作でした。「驚愕のどんでん返し」があるタイプの作品ではありませんでしたが、それでも十分に面白かったです。

特に、紳士的な仮面の下に冷酷な殺人鬼の顔を持つナイルを演じたマシュー・リスの演技は圧巻で、第1話の「嫌な奴」から最終話の「完全な怪物」への変貌ぶりは鳥肌ものです。

海外の批評サイトでも評価は高く、Rotten Tomatoesでは批評家支持率85%を記録。
また、本作はリミテッドシリーズとして制作されましたが、そのクオリティの高さから、来年度のエミー賞やゴールデングローブ賞(映画ではないためアカデミー賞ではありませんが、テレビ界の最高峰)でのノミネートが確実視されています。

Netflixでの配信作品の中でも、脚本の緻密さと演技の重厚さにおいて頭一つ抜けた存在と言えるでしょう。未見の方はぜひチェックしてみてください!

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