本日ご紹介する映画は、ナチス占領下のパリで行われたユダヤ人迫害、ヴェルディヴ事件を題材に書いたチアナ・ド・ロネの同名ベストセラー小説を、クリスティン・スコット・トーマス主演で映画化した社会派ヒューマンドラマ
「サラの鍵」です。
なかなか良い映画でした!が‥やはりサラの弟を見つけるまでがメインでした‥その後はただ暗い‥救いも無く暗いです。
ラストは、ほんのちょっと明かりはありましたが、どうなのかなぁ・・?
しかし、知るべき実話映画だと思います。
この映画のオススメ度は
(3.6)です!
ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件
この映画は「ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件」のシーンから始まります。
フランスの警官が家に来て、連れて行こうとするんですよ。
サラ(メリュジーヌ・マヤンス)の胸にはユダヤの紋章…
ドイツ軍がユダヤ人を収容所に連れて行ったのは知っていますけど、フランス軍が何故?
ちょっとここら辺は、日本人は知らない人が多いと思います。
フランスはドイツの占領下にあって、ドイツの命令で片棒を担いだのです。
自分もWikipediaで調べて初めて知りましたね。
ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件 - Wikipedia
サラの鍵:感想とネタバレ
その検挙で警官が来た際に、これはヤバいと…サラは弟を納戸に隠して鍵をかけたんです。
弟を守るために…でも検挙で家族みんな連れて行かれてしまうんですね。
鍵のかけた納戸に弟を閉じ込めたまま…
ちょっとイラついたのはサラの父親、弟の為にサラがした行動を非難するんですね!執拗に!
挙句の果てに、収容所から出れる人を疑って納戸の鍵を渡さず…
この父親の行動が、この後のサラ運命を決めてしまったのだと思います。
父親の言葉で、焦ったのか?
サラはこの後もわが身を顧みず、弟の為に帆走するのです!!
鍵をもったまま、だから映画の題名が「サラの鍵」なんですね~。
そしてようやくたどり着いた弟の元…
お気をつけて、ネタバレしちゃいますよ~。
そこに待っていたものは‥‥
映画では、納戸を開けた時に移っていたものを見せません。
でも想像できるでしょ?
何日もの間、飲まず食わずで閉じ込められていた子供がどうなるか?
あえてそのシーンを画面に出さない手法…
これが映画のラストなのかと思いましたが、実はこれまだまだ続きがあるのです。
サラという人間を追ったヒューマンドラマ
この映画は、二つの視点が並行して描かれています。
サラの視点と、戦後の彼女の軌跡を探索するアメリカ人女性記者ジュリアの視点の二つです。
前半はサラの物語ですが、後半はジュリアの物語と言う様なかんじですね。
しかし、このジュリアの話もまた明るく無いんですね…
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の妊娠するんですけど、夫は産むのを反対するんです。
そんな人生の岐路に立った彼女はある事実を知ってしまうのです。
夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたアパート…
そう、サラが住んでいたアパートなのです。
それを知ったジュリアは、サラの足跡を辿るんですね。
後半はそんな感じで、ちょっと面白くはないです。
暗くてヒューマン系好きな人には良いかもしれないけど、自分はちょっと淡々とした展開がイマイチでした。
やはりこの映画は、サラの弟がどうなったか?
生きていたのか?死んでいたのか?
それを知るまでが、面白かったですね。
作品情報
原題:ELLE S'APPELAIT SARAH
製作年:2010年
製作国:フランス
日本公開:2011年12月17日
レンタル開始:2012年6月15日
上映時間:111分