
独裁政権の方はこの映画を観て下さい!
クーデターで地位を追われた独裁者と、幼い孫の逃亡の旅を描いた作品…
いや、もうこの時点で観たくなりますよね?
という事で!
本日は、2014年の映画「独裁者と小さな孫」をネタバレと感想を含めて紹介していきます。
この映画は、ベネチア国際映画祭やシカゴ国際映画祭など、各国の映画祭で称賛されたヒューマン・ドラマです。
独裁者と小さな孫:作品情報
原題:The President
洋画:ヒューマン
制作国:ジョージア・フランス・イギリス・ドイツ合作
製作年:2014年
日本公開:2015年12月12日
レンタル開始:2016年6月22日
上映時間: 119分
あらすじ
年老いた独裁者(ミシャ・ゴミアシュヴィリ)による支配が続いていた国で、大規模なクーデターが勃発。幼い孫(ダチ・オルウェラシュヴィリ)と一緒に逃亡した独裁者だったが、政権維持を理由に無実の人々を手に掛けてきたことから激しく憎まれており、変装することを余儀なくされる。孫にも自分が誰であるかを決して口に出さぬよう厳しく注意し、追手などを警戒しながら海を目指す。さまざまな人間と出来事に出会う中、彼らは思いも寄らぬ光景を見ることになる。(シネマトゥデイ (外部リンク))
予告動画
独裁者と小さな孫:感想とネタバレ
ベネチア国際映画祭やシカゴ国際映画祭など、各国の映画祭で称賛されたも納得、評判にたがわず良い映画でした。
ある国の独裁者だった老人がクーデターによって追われる身となり、幼い孫を連れて逃亡した果てにたどる運命を描いた作品です。
独裁者と小さな孫はこういう物語です。
ある国の独裁者(ミシャ・ゴミアシュウィリ)の日常、孫(ダチ・オルウェラシュウィリ)に自分の権力を見せています。
窓から見えるビルの電気を、命令で点けたり消したり、さらに孫にもやってみると言う、完全に遊び感覚
完全にダメな教育…ろくな大人になりゃしね~。どうなってんだこの国は?
と思っていたらやっぱり…
クーデターが起こりました!
そんなに慌てて無いんだけど、とりあえず国外に逃亡することに‥
孫を連れて逃げる独裁者…
街では市民が大暴れ!見つかったらヤバいぞ~と緊張感漂います。
何故に孫だけ?と思ったら、意外な事実が後半で出てきます!
結局、軍はクーデター側に寝返り、ヘリで逃げるつもりがそれもできず、部下たちは死んだり、逃げたり…
最終的に…
歩いて逃げる!
ここからが、なかなか面白いんですよ!
国民に嫌われている大統領が、国民がわんさかいる中を歩いて逃げるんです。
さらに軍も寝返っていますからね…
完全に四面楚歌!
カツラ被ったり変装しながら、生き残るために必死です。
また、途中で出会う国民たちは、皆口々に大統領の悪口を言うんです。
自分の行いと、民衆の声を生で見聞くのです。
また、けっこう悪い事してるんですよね…💧
どっかの国の大統領を思い出しました…
そんな自分の悪口を聞きながら、逃亡を続けて行くんです。
さらに、自分の持っていた軍の悪行…
結婚式当日に花嫁をかどわかし、さらに撃ち殺す非道さは…
『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語』という映画のウダイ・フセインを思い出しました。
CHECKfa-arrow-circle-rightデビルズ・ダブル -ある影武者の物語
でも、物語が進んで行くにつれ‥だんだんと理解していく部分もあるんです。
- 大統領の子供たちはテロにより殺されていた。
- それにより、大統領は独裁者になった
テロによって、非道な大統領になったのか?
それとも、もともと非道だったからテロが起こったのか?
映画では、ハッキリと答えは描かれていません。
しかし、逃亡の際に描かれる大統領の姿は‥優しさを感じ、反省もしている様に思いました。
物語も終盤に差し掛かり、海につきます。
海から船で国外に脱出するという算段のようです。
しかし…
そこで遂に捕まってしまうのです。
ここからが衝撃のラストシーン!
猛る民衆と軍隊‥
孫を目の前で吊るし首にしろ!
生きたまま焼け!
そんな言葉を聞き、涙を流す孫の顔を見ると、辛くて胸が痛かったです。
序盤はクソ下手な子役だなあ~と思っていましたが…侮れない!
ラストの表情はアカデミー賞ものでしたね。
このまま、殺されてしまうのか?
そう思ったのですが、国民の中で1人それを止めようとするものがいるんです。
「彼を処刑しても、同じ事を繰り返すだけだ!今度は国民同士で争う事になる」
そう言って止めようとするも、怒り狂った人々は止まりません。
大統領の首に斧を振り下ろそうとします。
すると、さらにその男が「では自分も殺れ」と己の首を大統領の横に出します。
困った斧を持った男は
「このまま見逃せと言うのか?どうすればいいんだ?」
と叫びます。
するとその男は「踊らせろ」と言います。
斧を振りかぶるシーン…
そして、映画は終了します。
ラストの躍らせろと言う言葉は、なんだったんでしょう。
民主化の為に、こいつを利用するんだ!という事でしょうか?
そして、振りかぶられた斧はどうなったのか?
最後は色々な想像を思いめぐらさしてくれます。
観てる側にラストを想像させる作りですね。
なかなか、政治色が強くてリアル‥衝撃的で濃厚なドラマでしたね。
この映画を作ったのは、イランの巨匠モフセン・マフマルバフです。
イラン政府による検閲に抗議し亡命、現在はパリで暮らしています。
イラン政府から10年間で4回暗殺されそうになったというから恐ろしい…
彼の政治に対して言いたいことが、この映画には詰まっています。
この映画「独裁者と小さな孫 」の評価は?
この映画の評価はどうなっているのでしょう?
各映画サイトの評価を調べてみました。
国内各映画サイトの評価はこんな感じ
2018年6月20日時点
海外各映画サイトの評価はこんな感じ
うーん、そこそこという感じでしょうか?
元ボクサーの一念発起の評価!
元ボクサーの一念発起の評価は
(3.7)です。
なかなか濃厚な作品でした。
色々考えらされましたね、平和な日本では実感はわかないでしょうが、海外ではこの映画に共感した人も多いんじゃないでしょうか?
最後に、こういう系の映画が好きな人は『ヒトラーの忘れもの』もオススメです。
お暇があれば観て下さい。
世界が平和で幸せでありますように…。