本日2020年07月03日、1983年に製作された映画が日本公開となりました。
衝撃の実話事件を基にしたその映画は
「アングスト/不安」
「アングスト/不安」(原題:アングスト/不安)は、1983年のオーストラリアのホラー映画。
実話であるオーストラリアで起こった殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を基に描かれています。
その反社会的な内容から本国オーストリアでは1週間で上映打ち切りとなり、ヨーロッパ各国で上映禁止…イギリスとドイツではビデオの発売も禁止され、アメリカではXXX指定となった曰くつきの作品です。
監督は、本作が唯一の監督作品となるジェラルド・カーグル。
2020年に劇場初公開となった本作ですが、1983年にオーストリアで製作され、日本では88年に「鮮血と絶叫のメロディ 引き裂かれた夜」のタイトルでレンタル用VHSとして発売された作品…、37年の月日を得てついに劇場公開となった本作…、いくら曰く付きの異色作だと言っても、こんな昔の映画公開してどうするんですね💧
っと思いきや、映画マニアの間では絶賛の嵐…。
とても37年前の映像とは思えないほどの超絶カメラワーク、殺人鬼の主人公を追う視点で撮影される独特の映像…クラウス・シュルツェが作曲した劇伴、主演のアーウィン・レダーの演技が素晴らしいと絶賛されています。
実話、元ネタとなったオーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクの事件
この映画の一番興味深い点は
1980年にオーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を基に描いているところでしょう。
映画で描かれているのは…まさに
実話!
少年時代から数々の暴力事件を起こし、老女を拳銃で撃ち殺して刑務所に収容されていた異常者・K。釈放された彼はたまたま屋敷にいた一家をターゲットに、新たな殺戮を開始する。
これが映画のあらすじだが、実話の方は同じ感じである。
実話の内容
非嫡出子として生まれ、ザルツブルクで育つ。青年期には学校を休み、盗みや家出、動物虐待などを行うようになった。父親には一度も会った事はなく、途方にくれた母親は彼に家を出ていくように迫った。ヴェルナーはこの時母親をナイフで刺し、いくらかの金銭を奪いドイツへと逃亡した。
16歳の頃に逃亡先のハンブルグで逮捕され、オーストリアへ送還。その後2年間にわたり少年施設に殺人未遂の容疑で服役した後、釈放された。 数件の強盗事件を起こした後、73歳の女性を銃で撃ち、再び逮捕される。
1973年、彼は精神障害を主張し、たった8年と半年の期間のみ刑務所にて服役し、1980年1月に態度良好として出所する予定であった。
しかし釈放の数週間前、職探しの為に、服役していたガルシュテン(オーストリア)の刑務所を3日間離れていた際、殺人の衝動が抑えきれなくなり、後に映画化もされた悲惨な事件を引き起こしてしまうのだ。
1980年1月16日
ザンクト・ペルテンへ列車で行き、そこでタクシーをひろった彼は「自分はカーペットメーカーのセールスマンであり、営業でこの街へ来た。」と運転手に告げ、高級住宅街へと向かわせた。そしてジッセにあるアルトレイター家で犯行に及ぶ事を決め、午後遅くにバスルームから住宅に侵入した。
住居には、ガード・アルトレイター(55歳)、息子のウォルター・アルトレイター(27歳)そしてその妹の学生であるイングリッド・アルトレイター(25歳)の計3名が住んでおり、ガードとウォルターは筋ジストロフィー患者で車椅子生活をしていた。
ヴェルナーは始めにアルトレイター家の飼い猫を殺害。その後、殺害した飼い猫を見せつけ、一家に抵抗しないよう脅迫し、廊下で縛り付けた。ガードはヴェルナーが強盗目的で侵入してきたと思い込み、2万シリングの小切手を渡し、受け取らせたが、ヴェルナーは当初から殺人目的で侵入してきたため、命乞いには応じなかった。まず母親であるガードの目の前で息子のウォルターを素手で拷問し、その後にガードの体も引きずり拷問、3時間後に縄で絞殺した。
その後、彼は学校から帰宅してきた妹のイングリッドに襲い掛かる。イングリッドは、ヴェルナーによって約7時間から11時間に渡って拷問を受け、最終的に絞殺された。遺体は痣や数十の火傷跡などで覆われていたという。
殺害後、ヴェルナーはアルトレイター家で、遺体と共に一夜を過ごしている…。
1980年1月17日
翌朝、ヴェルナーは車椅子を使用して裸の遺体をガレージまで運び、車のトランクに積み上げ、カールシュテッテンまで車で向かい、朝食を取った。その店のオーナーの息子が、ヴェルナーが手袋をしたまま食事をしていた事を不審に感じ、警察に通報したが、到着時には既に姿はなかった。
その後、ウィーンへと向かったヴェルナーは小切手を換金し、4,000シリングの新しい洋服箪笥を購入。
ヴェルナーの捜索を続けていた警察は、鉄道の駅近くに駐車されていた彼の車を見つけ、彼が戻ってきたところを逮捕した。その後の取り調べで、アルトレイター一家を殺めた事を自白、そのままウィーンの精神科へ転送された。
同年7月4日
逮捕されたクニーセクは終身刑を言い渡され、2020年現在も収監中。刑期中に脱獄を試みたことがある。
海外の評価
この映画の海外の評価は
どうなっているのでしょう?
海外映画サイトRotten Tomatoesを調べてみました。
映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには
5件のレビューがあり
批評家支持率は驚異の
100%
平均点は10点満点で
8.88点とめっちゃ高い評価になっています。
一般大衆の支持率は
74%
621の投票があり平均点は5点満点中
3.77点と、そこそこ良い評価になっています。
予告編
気になる方は予告編をどうぞ!
同日2020年7月3日には日本の実話を基にした映画
「MOTHER マザー」も公開開始です。