「イニシェリン島の精霊」
「イニシェリン島の精霊」原題：The Banshees of Inisherinは、2022年のイギリス映画。
「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督が、人の死を予告するというアイルランドの精霊・バンシーをモチーフに描いたヒューマンドラマです。
ある日突然‥長年の友人から絶縁を言い渡されたらどうしますか？何か自分がしたのかなあ？とか色々考えて解決しようとしますよね？本作の主人公パードリックもそう、突如友人のコリムから絶縁されてしまったのですが、何か理由があるはずだと、いろいろな手を尽くして解決しようとするのです。
しかし、コルムから「これ以上話しかけると、自分の指を切り落とす」と言われてしまい動揺するのですが、それでも解決しようと手を尽くした結果‥コリムは本当に指を切り落として、パードリックの家のドアに投げつけて立ち去ってしまうのです。
ここまでするなんて‥絶交の原因は一体何なのか？
というのが！めっちゃ気になる映画です。
114分とそこそこ長いのですが、ヒューマン映画にしては案外飽きないで観ることができる映画です。
コリン・ファレルの演技がマジで良い
日本劇場公開日：2023年1月27日
キャスト
パードリック・スーランウォーン役
コリン・ファレル
コルム・ドハティ役
ブレンダン・グリーソン
シボーン・スーランウォーン役
ケリー・コンドン
ドミニク・キアニー役
バリー・コーガン
ピーダー・キアリー役
ゲイリー・ライドン
ジョンジョ役
パット・ショート
ジェリー役
ジョン・ケニー
ミセス・マコーミック役
シーラ・フリットン
等が出演しています。
第80回ゴールデングローブ賞で最多7部門8ノミネートされ、作品賞、主演男優賞 、脚本賞の3部門を受賞、2022年・第79回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門でマーティン・マクドナーが脚本賞を、コリン・ファレルがポルピ杯（最優秀男優賞）をそれぞれ受賞。第95回アカデミー賞でも作品、監督、主演男優（コリン・ファレル）、助演男優（ブレンダン・グリーソン＆バリー・コーガン）、助演女優（ケリー・コンドン）ほか8部門9ノミネートを果たした作品です。
ちなみにこの映画は、アイルランドの精霊・バンシーをモチーフに描かれています。
映画に登場するマコーミック夫人が、そのバンシーみたいな恰好をしてました。マコーミック夫人はもしかしてバンシーなのかも？
色々と謎が残る映画であります。
参考バンシー
あらすじ＆ネタバレ
1923年春、アイルランド内戦の末期、架空のアイルランド領イニシェリン島（その名は直訳すると「アイルランドの島」）で、フォークミュージシャンでフィドラーのコルム・ドハティは突然、生涯の親友で飲み友達のパードリック・スーランウォーンを無視し始める。コルムは、残りの人生を作曲や記憶に残るようなことに費やしたいと願い。その為パードリックの退屈な話を聞く時間が勿体無いと思ったのだ。
友人を突然失ったことで人生がひっくり返ったパードリックは、何か理由があるはずと拒絶を受け入れずコルムに話しかけに行くが、コルムは旧友が償おうとすることに抵抗感を強めるばかり。コルムはついにパードリックに最後通告を突きつける。パードリックが話をしに来るたびに、コルムは自分の指を1本切り落とすというのだ。このとき、パードリックはコルムが病気ではないかと疑う（地元の司祭はコルムに絶望について質問する）。
地元のピーダー・キアリーは、問題児で愚かな息子ドミニクをひどく殴り、パードリックは妹シボーンとともにドミニクを一晩預かることになる。牛乳を配達していたパードリックは、ピーダーに侮辱され、ピーダーが息子を虐待している事実を公表して仕返しする。ピーダーは彼を地面に殴りつける。それを見たコルムはパードリックを助け馬車に乗せ、家まで送り届けるが、2人は口をきかない。
シボーンとドミニクは2人の確執を解消しようとするが、その努力は報われない。パードリックは酔っ払ってパブでコルムに「優しさ」の欠如を問いただし、ピーダーがドミニクに性的な行為をしたことについても咎め大声で罵る。コルムは「パードリックは今までで一番面白い」と言う。
翌朝、自分が何を言ったか覚えていないパードリックはコルムに謝ろうとするが、会話はうまくいかず、コルムは左手の人差し指を切り落としてパードリックの家のドアに投げつけることで対応する。
コルムが本土のバイオリン弾きと会っているのを見たパードライクは、父親がパンの販売車にはねられたと嘘をつき、バイオリン弾きを帰国させる。緊張が高まる中、地元の長老マコーミック夫人は、パードリックに「もうすぐ島に死が訪れる」と警告を発する。一方、シボーンはドミニクからの恋愛の誘いを受けるが、優しく断る。
パードリックはドミニクに、自分がバイオリン弾きにしたことを話し、ドミニクはパードレイクの行動に失望を表明する。
パードリックは、これでコルムの興味を引くことができると確信し、コルムのもとを訪れ、自分に冷たい態度をとったコルムと向き合う。コルムは、"イニシェリン島の精霊 "と名付けた自分の歌を作り終えたことを明かす。
和解に至ったと考えたパードリックはコルムをパブに誘うが、去り際にパードリックはバイオリン弾きを島から追い出すために嘘をついたことを口にする。コルムはパブでパードリックに会う代わりに、残っていた左指4本をすべて切り落とし、パードリックの家のドアに投げつける。
島での生活に飽き、指まで切り落とすパードリックとコルムの確執に嫌気がさしたシボーンは、本土に移住することを決意する。パードリックが帰宅すると、ペットのロバ、ジェニーがコルムの指を詰まらせて死んでいた。パードリックはコルムに怒りパブに行き、コルムに翌日の午後2時にコルムのいるいないにかかわらず家を燃やすと告げる。
翌日、パードリックは約束通りコルムの家に火を放つ。窓から覗くと、燃え盛る建物の中で冷静に座っているコルムの姿をあった。パードリックはコルムの飼い犬サミーを連れて立ち去る。ピーダーはパードリックの家に行くが、マコーミック夫人に連れられ、近くの湖に浮かぶドミニクの死体の前に連れて行かれる。自殺か？足を滑らしたのか？ドミニクは溺死していた。
翌朝、サミーを連れたパードリックは、浜辺で焼け落ちた家のそばに立つコルムを発見する。コルムはロバの死を詫び、家を燃やしたことであいことなり、戦争が終わったと言うが、パードリックは「あんたは生き残った、だからあいこじゃない」と言う。
コルムが「最近、本土から砲弾の音が聞こえない」と言い、「内戦は終わったのか」と問うと、パードリックは「どうせまた始まるさ、終わりにできないものもある。悪いことじゃない」と答える。
パードリックが立ち去ろうとすると、コルムはサミーの世話をしてくれたことに感謝し、「お安い御用だ」とパードリックは答える。コルムの焼けたコテージのそばで、遠くからマコーミック夫人が二人を観察しているのを、二人は知らない。
コルムは何故に指を切り落としたのか？
この映画は、なんか考えらされるラストなんですよね。結局答えは無いと言うか‥。
パードリックって映画見て行って気が付くんですけど、孤独な人なんです。友達もいなくて村でも馬鹿にされているような‥コルムは優しいから相手していたけど、本当はうんざりしていたのかも？自分の死が近づいてきていると感じた彼は、ロバの糞の話を2時間もするようなパードリックの話に本当を聞く時間が本当に勿体ないと思ってしまったのかもしれません。
だからこその絶交だったのでしょうけど、指まで切り落とすという行為はちょっとやりすぎですよね。
もしかしてバンシーに死を予告されていたのかも？
ドミニクの死因は？
バリー・コーガン演じるドミニク・キアニーですが、彼はちょっと自閉症スペクトラム障害というか、何らかの発達障害がある感じがしました。
そんなドミニクですが、映画のラストの方でマコーミック夫人が湖で死んでいるドミニクを父親に教えます。
このシーンも、マコーミック夫人がバンシーっぽいシーンですよね。
ドミニクは何故に死んだのでしょう？
シボーンにフラれた末に自殺した‥
のではないかな？と僕は思います。もちろん足を滑らせて死んだという可能性もあるのですが‥。
もしかして父親が‥？とも思いましたが、マコーミック夫人が父親に教えていることから違うだろうし
死因は水死だろうけど、何故に死んだのかは謎でしたね。
映画が終わった後もこうして考えてしまう‥謎が多いけど、良い映画でしたね。
