海外の評価とレビュー！
「落下の解剖学」の海外の評価はどうなっているのでしょう？
海外映画サイトを調べてみました。
海外映画サイトIMDbでは151851の投票があり、平均評価は7.7/10点です。
全体の34.9％が8点の評価をしております。
辛口で知られるRottenTomatoesでは、批評家の95％が好意的な評価をしており、平均評価は8.6/10点となっています。
一般ユーザーのレビューは90％が好意的であり、平均評価は4.3/5点となっています。
かなり高く評価されていますね。
海外のレビューを紹介します。
もう二度と「P.I.M.P.」を聴くことはできないだろう
法廷ドラマは、すべてが同じように作られているわけではない。時の試練に耐える不朽の名作（『モッキンバード殺し』、『ア・フュー・グッドメン』、『ペリカン文書』など）を思い浮かべることができるだろう。ジュスティーヌ・トリエの『Anatomy of a Fall（堕落の解剖）』では、伝聞の森から真実を見抜くことが困難な場合の判断の葛藤を描いた物語で、フランスの司法制度をまざまざと見せつけられる。
「落下の解剖学」には、このジャンルの他の映画よりも観客の注意を引く点がいくつかある。最初の事件から判決、その余波に至るストーリーの展開には引き込まれるものがあり、アカデミー賞のオリジナル脚本賞を獲得したのも納得できる。サンドラ・ヒュラーの演技は格別で、半盲の息子ダニエル（マイロ・マチャド＝グラナー）を愛しながらも、殺人の嫌疑から自分を守らなければならない葛藤を抱えた作家を説得力たっぷりに演じている。
「落下の解剖学」には、ヒュラーと彼女の夫であるサミュエル・マレスキー（サミュエル・テイス）との口論の再現など、傑作といえるシーンがいくつかある。このシーンは激しく、苦悩に満ちており、完全に本物だと感じられる。マチャド＝グラナーも裁判の証人として感情的な証言をするなど、全体的に素晴らしい仕事をしている。それと、この映画を観た人は、50セントの「P.I.M.P.」を二度と同じように考えることはできないだろう。
アナトミー・オブ・ア・フォール（邦題：転落の解剖学）』は、このような単純な題材でありながら、人間の本性の複雑さと、状況の両面を見ることの重要性をうまく表現している。
落下の解剖学
この映画は、2時間という時間の中でいろいろなことをやろうとしすぎると期待はずれになる、という法則の輝かしい例外である。この映画は、プレミンジャー監督の前作『アナトミー』以来の、手に汗握る法廷ドラマであるだけでなく、悲惨な結婚生活や不穏な母子関係を最も鋭くえぐり出している。共同脚本家であり監督でもあるジュスティーヌ・トリエットは、私の忍耐に過度な負担をかけることなく（退屈することはなかった）、これら3つのテーマそれぞれを感動的かつ説得力のある描写で表現しており、私の考えでは、最も有望なキャリアの到来を予感させる。私は間違いなくトリエット監督の次回作を楽しみにしているし、願わくば彼女の過去の作品も鑑賞したい。主役のサンドラ・ヒュラーは、オスカーを手にするかもしれない。
この映画には、『サウンダー』以来の犬の演技もある。A評価だ。
PS.フランスでは絶対に逮捕されないように。フランスの法制度は、この映画が信頼できるものであるとすれば、少々カオスな面がある。憶測に対して驚くほど寛容だ。裁判を傍聴する証人は言うまでもない！
複数の真実
フレンチアルプスの寂れたシャレー。その前で雪の中に横たわる男の死体。屋根の下の3階の窓から落ちたらしい。
事故か？自殺か？それとも殺人？この複雑な心理ドラマは、夫殺しの嫌疑をかけられた女性作家が法廷で、自立と尊厳、そして自分自身の真実のために闘う姿を描く。真実は、それを捕らえようとする人によって、さまざまな側面、さまざまな側面を持つ。真実は変装して現れ、しばしば目に見えず、常に主観的である。
最終的に、この事件についてどう考えるかは観客次第だ。捜査が展開される間、トリエッツの映画は、複雑な夫婦関係の古典的な分析者であるイングマール・ベルイマンの足跡を誇らしげにたどり、彼女は本当にそれに成功している。
法廷ドラマの奥深さと娯楽性
『アナトミー・オブ・ア・フォール』は、複雑な刑事事件を通して、私たちがいかにして真実という概念を作り上げるかという曖昧さを探求するフランス映画である。
この映画は、有罪か無罪かという問いに答えることを拒否し、むしろ、人々が部分的で偏った情報に基づいて、どのように独自の物語を構築するかを検証している。この映画は、ジェンダー、メディア、個人的な動機が、事実の解釈にどのような影響を与えるかを示している。
唯一の目撃者である被告人の息子は、何が本当に起こったのかわからないことを認め、何を信じるべきかの選択を迫られる。
被告人に個人的な恨みを抱いていると思われる検事もまた、確かな証拠ではなく、思い込みや憶測に頼っている。この映画は、人間の心理と社会力学を研究した、説得力のあるニュアンスの作品である。演技も演出も良いが、もう少し短くてもよかったかもしれない。法廷でのいくつかのシーンは繰り返しが多く、長すぎる。
待ちに待った法廷ドラマ
『Anatomy of a Fall』は、2時間半の中にミニシリーズ1本分のストーリーを詰め込んだ、夢中にさせる法廷ドラマだ。映画祭で大絶賛された理由がよくわかる！まさに私が何年も見たいと思っていた法廷ドラマだ。これこそ、他のすべての映画が生きなければならない犯罪ジャンルのスタンダードだ。
思慮深く、複雑で、感情的。脚本は驚異的で、2時間の法廷を描くにはかなりの度胸が必要だが、うっとりとさせられる。真実は決して確かではなく、その真の結末を決定する力が観客に与えられている。
サンドラ・ヒュラーは、最初から最後まで観客の心を掴んで離さない圧倒的な演技を見せているが、正直に言えば、この作品に登場する全員が素晴らしい。私が映画で観た中で最高の子役の演技がある。犬でさえ、生涯忘れられない演技をした！張りつめたサスペンスと最後の瞬間まで説得力のあるこの映画は、存在の混乱と、しばしばとらえどころのない真実の本質そのものに取り組む、頭を使うパズルのように進んでいく。『アナトミー・オブ・ア・フォール』は、まさに全方位的に優れた映画製作である！
海外のレビューは好意的なものが多いですね。
「落下の解剖学」のような映画は興味深い作品が盛りだくさんです。
