
ネタバレ禁には、目次をお使いください('ω')
Netflixより2025年5月30日より独占配信されているスペインのサスペンス・スリラー映画「ヴューダ・ネグラ: 黒蜘蛛の企み」を観ました!
ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み
この映画‥全然期待しないで観たら…案外面白かった映画です。
映画のネタバレになりますが…この映画はどんな映画なのかというと…。
スーパービッチの奥さんが、旦那を浮気相手の一人に殺させて、自分はイケメンリッチな男と結婚しようと企んでいたが、電話を警察に盗聴され証拠をつかまれて逮捕されてしまうというストーリー。
奥さんであるマヘの男の操り具合と、転落の様子が凄く面白くて楽しめた作品でした。
ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み
マヘのビッチ具合には驚きしかないですよー(笑)
演じたイバナ・バケロさんには拍手をおくりたい👏
とにかくマヘ、マヘが凄いってイメージの映画でした(笑)サルバは可哀そうだったなあ…まあ奥さんいるんだから自業自得でもあるかな?
この映画の僕の個人的評価は…
とにかくマヘがマジでヤバいっす!
まあ~けっこう楽しめた映画でした。
そしてこの映画…驚くことに…
スペインで実際に起きた殺人事件に基づく実話映画だったんです。
2017年8月16日にスペイン・バレンシアのパトライクス地区で実際に起きた殺人事件「パトライクス事件」を題材にしているのです。
実話「パトライクス事件」とは?(ネタバレ)

「パトライクス事件」(Caso Patraix)は、2017年8月にスペインのバレンシア市パトライクス地区で実際に発生した殺人事件で、その衝撃的な真相から多くの人々の関心を集めました。
パトライクス事件の概要と経緯
1. 事件発生 (2017年8月16日)
バレンシア市パトライクス地区の駐車場で、36歳のエンジニア、アントニオ・ナバーロ・セルダン (Antonio Navarro Cerdán) の遺体が発見されます。彼は自宅のガレージで、複数箇所(7箇所)をナイフで刺され殺害されていました。
2. 捜査の開始
警察の捜査は、被害者の交友関係や金銭関係、そして妻の行動に焦点が当てられます。当初、妻であるマヘ・ヴィラール (Mahe Villar) は、夫を失った悲しみに暮れる未亡人として振る舞いました。しかし、捜査官たちは彼女の不自然なほど冷静な態度や、事件直後の行動に疑念を抱き始めます。
3. 容疑者の浮上と二重生活の発覚
警察がマヘの携帯電話やソーシャルメディアを調べると、彼女が複数の男性と不倫関係にあったことが次々と判明します。マヘは非常に魅力的で、同時に計算高く、複数の愛人を巧みに操っていたことが明らかになります。
特に重要なのは、彼女の職場の用務員であるサルバドール・ロドリゴ・ラピエドラ (Salvador Rodrigo Lapiedra)、通称「サルバ」との関係でした。サルバはマヘに深く愛情を抱いており、マヘは彼に対して、夫のアントニオから肉体的・精神的な虐待を受けていると偽り、同情を誘っていました。そして、サルバを唆して夫を殺害するよう仕向けていたのです。
4. 計画と実行
マヘとサルバの間で、詳細な殺人計画が練られていたことが、通信記録や後の供述から明らかになります。サルバはマヘの指示に基づき、アントニオがガレージにいるところを待ち伏せ、殺害を実行しました。
5. 逮捕と裁判
警察は証拠を固め、マヘとサルバを逮捕します。裁判では、当初サルバが単独犯であると主張していましたが、マへが他の受刑者と関係を持ったことで、サルバは証言を変え、最終的には両者が共謀して殺害計画を立て、実行したことが認められました。
検察は、マヘが殺人の主導者であり、サルバがその道具として利用されたと主張しました。
ちなみにマヘは刑務所内で妊娠しました。
6. 判決
2019年、バレンシア州裁判所は、マヘ・ヴィラールに殺人罪で禁錮22年、サルバドール・ロドリゴ・ラピエドラに殺人罪で禁錮17年の判決を言い渡しました。この判決は、その後控訴審でも支持され、確定しました。
この事件は、一見幸福に見えた夫婦の間に隠された恐ろしい真実と、人間の心の闇、そして欺瞞の巧妙さを浮き彫りにしました。特に、被害者の妻が「黒い未亡人」として愛人を操り夫を殺害させたという構図が、スペイン社会に大きな衝撃を与えました。
マレは「パトレの黒い未亡人」というあだ名が付けられました。犯行の性質に由来する。彼女は愛人を操り、夫を殺害するよう仕向け、綿密に計画された罠に誘い込んだとされている。この名前は、交尾後にメスがオスを殺すことで知られるクロゴケグモに由来しており、この事件の核心にある冷酷で計画的な裏切りを象徴する比喩となっています。
この実際の事件が「ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み」の基となっています。映画は史実をまんま映画化した感じで、実話事件を知る上でも観て損は無い作品だと思います!
「ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み」作品情報
- 原題: Viuda Negra(スペイン語で「黒い未亡人」の意。英題は A Widow's Game)
- ジャンル: サスペンス、スリラー、犯罪ドラマ(実話に基づく)
- 製作年: 2025年
- 製作国: スペイン
- 配信プラットフォーム: Netflix
- 配信開始日: 2025年5月30日(金)独占配信
- 上映時間: 約120分(作品による)
- 監督: カルロス・セデス (Carlos Sedes)
- 脚本: ラモン・カンポス (Ramón Campos)、ヘマ・R・ネイラ (Gema R. Neira)、ダビッド・オレア (David Orea)
キャスト
- マヘ/イバナ・バケロ
- サルバ/トリスタン・ウヨア
- エヴァ刑事/カルメン・マチ
- アントニオ・ナバーロ・セルダン/アレックス・ガデア
予告動画
「ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み」映画レビューサイトの評価
2025年5月30日にNetflixで配信が始まったばかりの作品ですが、現時点での主要な映画レビューサイトの評価はこんな感じ。
Filmarks(フィルマークス - 日本の映画レビューサイト)
評価:3.5/5.0点 (2025年6月5日現在、約20件以上のレビューに基づく)
コメント傾向: 「実話のリアルさがある」「暇つぶしには良い」「面白かった」「ひねりがないので見て損した感が少しある」「日本語吹き替えないのに見入ってしまった」といった、賛否両論が見られます。実話に基づいている点や、心理的なサスペンス要素は評価されている一方、展開やプロットの新鮮さに物足りなさを感じる声もあります。
IMDb(インターネット・ムービー・データベース)
ユーザー評価: 6.2/10点 (約1k以上のユーザー評価に基づく)
コメント傾向: 「良いサスペンス」「興味深い」「予測可能すぎる」「浅い」といった意見があります。スペイン語圏のユーザーからは比較的好意的な評価も見られますが、物語の深掘りや意外性に関して批判的な声も存在します。
マヘについて
マヘ(Maje)ことマリア・ヘスース・モレノ・カント(María Jesús Moreno Cantó)は、Netflix映画『ヴューダ・ネグラ:黒蜘蛛の企み』の基になった、2017年の「パトライクス事件」の中心人物です。
彼女は、夫アントニオ・ナバーロ・セルダン殺害の主犯格として有罪判決を受け、「パトライクスの黒い未亡人」と呼ばれました。
以下に、彼女に関する詳しい情報をお伝えします。
マヘの人物像と背景
年齢と職業: 殺害当時27歳で、病院の看護師として働いていました。
初期の印象: 周囲からは「陽気で、優しく、魅力的」と評されており、結婚して間もない夫を亡くし、悲しみに暮れる未亡人として振る舞っていました。世間やメディアの前では、信じられないほどの悲劇に見舞われた若い女性として映っていました。
家庭環境: 伝統的で信心深い家庭の5人きょうだいのうちの末っ子として、ノベルダ(Novelda)という町で育ちました。しかし、バルセロナで学んだ後、自身の個性を変えようとしました。
冷徹な計画者: 捜査が進むにつれて、彼女が冷徹な計画者であり、自身の周囲の人々に大きな影響を与え、愛人を殺人犯へと仕向けたことが明らかになりました。ジャーナリストは彼女を「病的な嘘つき」と評しています。
マヘの二重生活と事件への関与
結婚生活の不満と複数の愛人: 夫アントニオとは2011年に出会い、2016年9月に結婚しました。しかし、結婚後まもなく結婚生活に不満を抱き、複数の男性と不倫関係を持っていました。特に、職場の用務員であるサルバドール・ロドリゴ・ラピエドラ(サルバ)は、彼女に深く恋心を抱いていました。
愛人サルバの操作: マヘは、サルバに対し、夫のアントニオから肉体的・精神的な虐待を受けていると嘘をつき、彼を巧みに操りました。サルバはマヘの言葉を信じ込み、彼女との未来を夢見て、マヘの指示に従ってアントニオを殺害することを計画・実行しました。マヘはサルバにガレージの鍵を渡し、夫の出かける時間やルートを伝えていたことが後に判明しています。
事件後の行動: 夫の殺害後も、マヘは表面上は悲しんでいるように見せかけましたが、警察の捜査官は彼女の冷静で計算された態度に不自然さを感じました。彼女の感情的な反応が、深い悲しみに暮れる人物とは一致しないと報告されています。また、事件後も他の男性との関係を続けていたことも判明しました。
逮捕と裁判、そしてその後
逮捕と供述: 警察がマヘの通信記録などを調べ、証拠を固めた後、マヘとサルバは逮捕されました。当初、サルバは単独で犯行を行ったと主張し、マヘを庇っていましたが、刑務所内でマヘが別の受刑者と関係を持っていたことを知ると、裁判で供述を覆し、マヘが殺人の主導者であったことを明かしました。
判決: 2019年、マヘは夫殺害の罪で禁錮22年の判決を受けました。サルバは、司法への協力が認められ、禁錮17年の判決を受けました。この判決は後に確定しています。
刑務所での出産: 逮捕後、マヘは刑務所内で別の受刑者デイビッドとの関係によって子供を妊娠し、出産しました。
しかし、その関係は長くは続かず、2023年には終わりを迎えました。報道によると、実父はすでに刑務所を出ており、子供の生活にはあまり関与しないようです。一方、妊娠中の母親は、妊娠後期にピカサン刑務所からフォントカラン刑務所の母親ユニットに移送されました。2023年半ば、マリア・ヘスス・モレノは新生児を出産しました。地元の法律により、赤ちゃんは3歳になるまでフォントカラン刑務所の母親ユニットで母親と一緒に過ごすことになります。
マヘの事件は、その冷酷な計画性と、愛人を操った手口、そして夫の死後も揺るがなかった彼女の行動から、スペイン社会に強い衝撃を与え、現在でも「黒い未亡人」の象徴として語り継がれています。
「ヴューダ・ネグラ 黒蜘蛛の企み」のようなNetflix映画は興味深い作品が盛りだくさんです。