
本日は、2017年の映画「ディストピア パンドラの少女」のネタバレと感想を書いていきます。 この映画は パンデミックにより人類の大多数が捕食本能に支配され凶暴化し、社会が崩壊した近未来。イングランドの田舎町にある軍事基地では、ウイルスに感染しながらも思考能力を保つ子供たち“セカンドチルドレン”から、全世界を救うワクチンを開発する研究が進められていた。ある日、その子供たちの中に知能を持つ少女メラニー(セニア・ナニュア)が現れ……。
パンデミックにより人類の大半がウイルスに感染した近未来を舞台に、感染者ながら知能を保ち続ける少女の物語を描いたM・R・ケアリーのベストセラー小説「パンドラの少女」を著者自身による脚本で実写映画化したSFスリラーです。作品情報
原題:THE GIRL WITH ALL THE GIFTS
洋画:SF・スリラー
製作年:2016年
製作国:イギリス/アメリカ
日本公開:2017年7月1日
レンタル開始:2017年12月6日
上映時間:111分あらすじ
予告動画
感想とネタバレ
原作はM・R・ケアリーの「パンドラの少女」
ベストセラーにもなった人気小説です。
確かに内容は素晴らしいと思います。小説はかなり面白いんだろうなあ‥
しかし、映画はちょっと残念な出来でした。
ゾンビ映画※ネタバレ
映画冒頭から、その独特な雰囲気で面白さを感じます。
車いすに、拘束された多数の少年少女…
軍人に囲まれ、銃を向けられながら勉強している。
その姿は異様そのもの!!
出だしはかなり面白そうな雰囲気です。
そして、映画が進みにつれその正体が明らかになって来ます。
これから先は、映画本編に対するネタバレを書いてます!この映画を観る予定の方は読まない方が良いです。
【ディストピア パンドラの少女】の舞台は近未来、未知の細菌によって文明が荒廃し人類は絶滅の危機に瀕しているのです。
その細菌に感染した者は、人間らしさを喪失し、ゾンビとなってしまうのです。
その呼び名は“ハングリーズ”
なんでハングリーズ?と突っ込みたくなりますが、まあ、ニュアンス的には良いのかも?
もちろんゾンビ映画の王道で、もちろん噛まれた人間もハングリーズとなってしまいます。
拘束されていた子供たちの正体は、感染した妊婦から生まれた子供たち、胎児の時に感染し母親の身体を食い破って生まれてきたのです。
ハイブリッドと呼ばれ、一見人間のようですが…
人間の匂いを嗅ぐとハングリーズの様に凶暴化し襲い掛かって来ます。
凶暴化するまでは、完全に人間と同じです。
普通の人間たちは、普段はにおいを消すクリームを体に塗って対処しています。
そのクリームが無ければ、襲われてしまうんです…
でも、少年少女たちは人類に残された唯一の希望なんです。
彼らの遺伝子を解明し、ワクチンを作ろうとしているのですね。
主人公は、ハイブリッドの中でも最高のIQ持つメラニーです。
演じるのは、新鋭セニア・ナニュアです。
そのメラニーに対して、教師のヘレンだけは血の通った人間として接し、パンドラの箱の物語を読み聞かせるのです。
序盤は、あまり説明が無いので謎です。
その不気味な雰囲気に飲み込まれドキドキしちゃいながら観ちゃいます。
そして、急速に物語は加速していきます!そう‥
ゾンビ(ハングリーズ)の襲来です!
これぞ!ゾンビ映画の醍醐味ですよね!
基地はあっという間に制圧されてしまうのです。
教師と軍人、博士とメラニーの逃走劇がここから始まります。
ここまではね・・ほぼ満点に近い出来です。
雰囲気、謎、その答えが徐々に明らかに…かなり良い構成です。
でもね…こっからが残念なんですよ💧
薄っぺらい後半戦
後半戦は逃走劇からの、人類を救うか?救わないか?って話!
ありがちですよね〜。
実際、後半はてんでダメ!
脚本は良いと思うのだが、濃厚な前半に比べめっちゃ薄くなっちゃった感じ…
新たな基地に進みながら、仲間が徐々にハングリーズに食われちゃうってところは、よくある展開で想像通り!
前半あれだけ危険だったハングリーズが後半は弱点だらけになっちゃう!
海外ドラマのウォーキングデッドのゾンビ並みにクソ弱い!
まず、目で見て襲って来るのではなく、音に反応して襲ってくるんですね。
基地を逃げ出した一行は、そんなハングリーズの群れに入ってしまったんですが、もちろんハングリーズは気が付いていない‥
まあ、そこは我慢できるんですけど‥気が付いて襲ってきたハングリーズに対して、銃をぶっ放しても他のハングリーズは気が付かない…
銃の音ってデカイっすよね?それで気が付かないって…ありえない!
序盤の凶悪ぶりは、どこ行ったんだよ!
そっからさらにドンドン話が面白く無くなってくるのです。
外のゾンビ(ハングリーズ)とメラニーが、餌(人間)を巡っての主導権争いするシーンが一番酷い!
メラニーと戦うハングリーズは、子供…どうやら知恵のあるハイブリッドの様なんですけどね、明らかに説明不足!
ここらのシーンはめっちゃクソでしたね。
もうちょっと良い演出は無かったのか?
そして、旅の途中で出てきた菌糸と無数の莢に覆われた塔…
それになる実が開いたとき‥菌が全世界を多い人類は絶滅するという…
もう、この時点で人類の滅亡決まってんじゃん!
そして、ラストは一歩間違えたら名作!
本当に惜しいんです。
博士が、メラニーの脳と脊髄からワクチンを作ろうとするが逃げちゃいます。
そうなんですよ、観てるこっち側にワクチンができるという確信が全然無いのです。
だからこそ、一番ドキドキするようなシーンで‥( ゚ ρ ゚ )ボーっと観ちゃうのです。
メラニーは自分の命と引き換えに人類を救う意味はあるのか?と考え
必要ないと決断!逃走します。
逃げたメラニーは、例の塔に火をつけて、実をぶっ壊し菌を世界中に放出させます。
そうです、人類はすべてハングリーズになり絶滅したのです。
人類を救うより、自分とハイブリッドたちの時代にする事を選んだのです。
いやいやいや、サラッと書いたけど凄い話なんですよ!
ここら辺の話をもっと膨らまして、描いたら名作だったんだけどなぁ💧
そして唯一、生きのこった人間がいました。
それは、メラニーにパンドラの箱の物語を読み聞かせていた、ヘレンです。
博士がメラニーを殺し、ワクチンを作ろうとしていた新たな基地に閉じ込められ生き残っていたのです。
ラスト…これはある意味怖い終わり方とも言えます
基地にいたハイブリッドとハングリーズの子供たちが実験室の前に座っています。
実験室から出られなくなったヘレンはスピーカーで勉学を教えるのです。
メラニーが彼らを指導しています。
…
…
…
いや‥せめて人類絶滅ってところで終わりでいいんじゃないっスか?
何このラスト…
でも、怖いですよね~。これってメラニーが人類絶滅さして、ハイブリッドの時代にして、自分が王として君臨している様にも思えます。
原題の「the girl with all the gifts」(全ての才能を持つ少女=選ばれし者)の意味が分かって来ました。
しかし‥この映画!
ラストもそうなんですけど、後半の駆け足具合が物凄く悪い…かなり端折った感じなんですよ!
前半のペースでゆっくり描くべき映画でしたね~、じっくりと…。
後半は薄っぺらくて…わけわかんね~!!
これ絶対惜しい映画ですよ!
この映画の評価、おすすめ度は?
惜しい!惜しすぎますよ!この映画!
めっちゃ名作ゾンビ映画になってもおかしく無かった!
ゾンビ映画が好きな人には、【高慢と偏見とゾンビ】とかもちょっと変わっていて面白いですよ!
映画.com(3.3)
Yahoo!JAPAN映画(3.32)
Filmarks(3.4)
2017年12月19日時点
海外の評価:Rotten Tomatoes
批評家85% 観客66%
批評家はけっこう高いですね。
元ボクサーの一念発起の評価は?
この映画のオススメ度は
(3.3)です!
かなり良い要素ある映画だったんですけどね~。
なんであんな後半になっちゃったんだろう…
この映画の原作の方がめっちゃ気になりますね、読んで観たい!
「ディストピア パンドラの少女」は惜しい映画でしたね!