
グロいシーンがあり、怖い映画でした…。
『インフィニティ・プール』は、ブランドン・クローネンバーグが脚本・監督を務め、アレクサンダー・スカルスガルド、ミア・ゴス、クレオパトラ・コールマンが主演する2023年のカナダ・クロアチア・ハンガリー合作映画です。
美しいリゾート地“リ・トルカ島”では、観光客はどんな犯罪を起こしても大金を払えば自分のクローンを作ることができ、そのクローンを身代わりとして死刑に処すことで罪を免れることができるという法律が存在していた。島を訪れたスランプ中の作家ジェームズは、裕福な資産家の娘である妻のエムとともに、ここでバカンスを楽しみながら新たな作品のインスピレーションを得ようと考えていた。ある日、彼の小説の大ファンだという女性ガビに話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をすることに。意気投合した彼らは、観光客は行かないようにと警告されていた敷地外へとドライブに出かける。しかし、楽しんだ帰りに人をはねてしまう事故を起こしてしまい…夫婦はクローン犠牲として生き延びたが…って感じのSFスリラー映画でございます。
ブランドン・クローネンバーグ監督は、ドミニカ共和国のインクルーシブリゾートで休暇を過ごした体験に、以前に書いていた身代わりのクローンが処刑される短編小説を+することで、本作の脚本を書いたそうです。
独特の世界観で、かなり興味深い作品でありました。
ミア・ゴスの妖艶な魅力と、アレクサンダー・スカルスガルドの演技力!観る価値はある作品だと思います。
ネタバレ!本物?クローン?
あらすじ&ネタバレを含めて書いていますので、観賞予定の方は気をつけてください。
小説家ジェームズ・フォスターと妻のエムは、地元の祭りが開催されている海辺の国リ・トルカのリゾートに楽しみに来ていた。
ジェームズが出版した唯一の小説(めちゃくちゃ低評価だった)のファンであるガビが、彼女と彼女の夫アルバンと一緒に過ごすように彼らを誘う。エムは嫌がったが売れない小説のファンだというガビに魅力を感じたジェームズは彼らと過ごすように言う。
4人は夕食をとり、翌日は田舎をドライブするが、観光客はリゾートの敷地内にとどまるように警告されていた。
ビーチで、ジェームズが木の陰で放尿していると、ガビが突然彼を後ろからつかみ、手コキをし、ジェームズは射精してしまう。
日光浴と料理で長い一日を過ごした後、グループは酔っ払ってホテルまで車で戻る。
その途中で、ジェームズは誤って地元の男性をはねて死亡させてしまう。
警察を呼ぼうとするが、ガビは、この国は腐敗しており、安全ではないので警察を呼ぶことはできないと主張し、ジェームズたちは渋々ガビに従うことにする。
翌日、ジェームズは逮捕され、罪の罰として被害者の長男の手で死刑に処せられると告げられる。
焦るジェームズだったが、しかし、外交協定により、この国には外国人専用の司法制度があり、高額の料金を支払えば、罪人のクローンを作り、本人の代わりにクローンをを殺害することで生き延びることができることを知る。
金持ちのエムと結婚しているジェームズは、処刑を逃れるために料金を支払う。
しかし、契約の一環として、ジェームズは自分のクローンの処刑を見なければならない。
エムはこの恐ろしい現場を間のあたりにし、恐怖に慄きすぐにこの島から立ち去ろうとするが、ジェームズはその光景に心の中では興奮していた。
ジェームズはパスポートが紛失していることに気付くが、エムに米国に戻るよう勧める。
ジェームズは滞在を1週間延長し、再びガビとアルバンに出会う。
彼らはジェームズを、重罪で有罪判決を受け、自分の分身が殺されるのを見るために金を払っている西洋人観光客の小グループに紹介する。
彼らは毎年リゾートに戻ってきて凶悪犯罪を犯し、分身が殺されるのを見るために金を払っている。
その後の数日間、彼らはジェームズに自由奔放な犯罪者に変身するよう勧め、地元の人を殺したり、酔った状態で乱交したり(ガビと一緒に地元の幻覚剤を使っているので、乱交のどこまでが本物かは不明)、リゾートの他の宿泊客を虐待したりするよう勧める。
ある夜、ジェームズは、自分を最初に逮捕した刑事だと言われた顔を隠した男をボコボコにして顔に放尿をする。しかし顔の布を取るとその男は自分のクローンだった。
正気を取り戻しパニックになった瞬間、ジェームズはリ・トルカに滞在するために隠していたパスポートを取り出し、逃走を試みる。
しかし、ガビのグループが空港へ向かうバスを襲撃し、ジェームズを誘拐する。
ガビは、ジェームズが哀れだと思っていること、彼の本を読んだことがないこと、そして、自分たちを楽しませるために彼を虐待しているグループの標的になっていることを明かす。
ジェームズとエムが、ガビとアルバンに仕組んだ事故により、彼らの計画は実行しやすくなった。
ジェームズは、車から逃げ、近くの荒野に入るが、ガビは彼の足を撃つ。
何時間もさまよった後、ジェームズは農場で倒れ、地元の家族に引き取られて療養する。
麻薬を服用したジェームズは、またも一連の幻覚を経験する。
体力が回復すると、再びガビのグループと対峙する。
彼らは、自分たちと同じ殺人旅行者になる変身を完成させるために、麻薬を嗅がせ犬のように調教した鎖につながれたジェームズのクローンを殺すようジェームズに命じる。
ジェームズは最初拒否するが、クローンが彼を殺そうとすると、ジェームズは彼を殴り殺す。
ガビは、自分の裸の胸を露出させて「犬」の温かい血を塗り、授乳の真似をするようジェームズを慰める。
翌日、アメリカへ帰る途中、他の観光客がこれからの用事について何気なく話している間、ジェームズは明らかにトラウマを負っていた。ジェームズはガビたちのような殺人旅行者にはなれなかったのだ。
空港で飛行機を待っている間、彼は残ることを決意する。
彼は閉鎖されたリゾートに戻り、モンスーンの土砂降りの雨の中、一人で座っていた。
これ映画観てるうちにちょっと気になってくるんですけど、処刑されているの…。
本物なのか?クローンなのか?
これ‥めっちゃわからないところじゃないですか?
もしかしたら、犬にされていたジェームズは実は本物だったり、生き残ったのはクローンだったり‥。
最後までこれは答えを見せないんですけど、ラストに帰らず残ったジェームズを観ると‥ん?
あれれ‥もしかしてクローン?とか思っちゃうわけなんです。
ちょっと終わった後に考えてしまう映画でしたね。
グロいシーンもあり、わけわかんねーって怖さもある映画でしたけど、個人的には楽しめた映画でした。
「インフィニティ・プール」の評価
「インフィニティ・プール」の評価はどうなっているのでしょう?
映画サイトを調べてみました。
- 映画.comでは75人の投票があり、平均評価は3.1/5点となっています。
- Filmarksでは2,184の投票があり、平均評価は3.5/5点となっています。
- IMDbでは66,174のレビューがあり、平均評価は6/10点となっています。
- Rotten Tomatoesでは、234件のレビューで87%の肯定的な評価を獲得しており、平均評価は6.8/10となっています。
- 一般ユーザーのレビューは、52%が肯定的な評価で平均評価は3/5点となっています。
- Metacriticでは、 46人の批評家による加重平均スコアが100点満点中72点となっており、「概ね好評」となっています。
「インフィニティ・プール」のような奇妙な怖い映画は興味深い作品が盛りだくさんです。