映画『月』ネタバレ感想!やまゆり園事件はどこまで実話?犯人の動機と磯村勇斗の怪演!
月映画

その日は、ついにやってくる。

戦後最悪の凶行を描いた、衝撃の実写化。

映画『

映画『月』ポスタービジュアル

2016年、神奈川県相模原市にある知的障害者施設で、同施設の元職員が入所者19人を殺害するという衝撃的事件が発生しました。

「マジかよ……」
日本中、いや世界中を震撼させたこの事件は、相模原障害者施設殺傷事件(通称:やまゆり園事件)と呼ばれています。

この事件を題材にした辺見庸の同名小説を、石井裕也監督が独自のタッチで映画化。
宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみ等、日本を代表する一流キャストが集結して作り上げた、覚悟の一作です。

 

映画『月』作品情報・キャスト

作品データ
  • 公開日:2023年10月13日
  • 監督・脚本:石井裕也(『舟を編む』)
  • 原作:辺見庸『月』
  • 上映時間:144分
  • 受賞:第47回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞(磯村勇斗)ほか多数

 

主要キャスト
  • 堂島洋子(宮沢りえ):
    元有名作家。重度障害者施設で働き始める。
  • 昌平(オダギリジョー):
    洋子の夫。「師匠」と呼び、彼女を支える。
  • さとくん(磯村勇斗):
    施設の同僚。絵が好きで好青年だったが、徐々に狂気を帯びていく。
  • 陽子(二階堂ふみ):
    施設の同僚。作家を目指しているが、承認欲求と現実の間で揺れる。
あらすじ

深い森の奥にある重度障害者施設。ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家だ。

彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。
施設職員の同僚には作家を目指す陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らがいた。

そしてもうひとつの出会い‥洋子と生年月日が一緒の入所者、“きーちゃん”。光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない“きーちゃん”のことを、洋子はどこか他人に思えず親身になっていく。

しかしこの職場は決して楽園ではない。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにする。
そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだ。

彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく…。
そして、その日はついにやってくる。

映画感想:磯村勇斗の演技がリアルすぎて怖い

映画では、磯村勇斗演じる「さとくん(犯人モデル)」が、なぜ「障害者を殺さねばならない」という思いに憑りつかれたのか?
そして、宮沢りえ・オダギリジョーが演じる夫婦の再生物語が描かれています。

特筆すべきは、やっぱり磯村勇斗さんっス。
彼演じるさとくんが、好青年から徐々に狂気へと変わって行くさまがリアルで、マジで怖かったです。

磯村勇斗 月映画

また、二階堂ふみさん演じる女性職員の「性格の悪さ(人間臭さ)」が映画に良いアクセントになっていて、それもまた良かったです。

拘束されながら「喋れるか?」と確認されているシーンなど、この映画を観ていて「事件をリアルに描いているんだな…」と肌で感じました。
実際にあった事件を知る上でも、この映画は見る価値があると思います。

映画『月』と実話の違い|どこまでが事実なのか?

映画は実際に起きた「やまゆり園事件」をベースにしていますが、あくまでフィクションとして再構成されています。
映画を深く理解するために、実際の事件と映画設定の決定的な違いをまとめました。

映画と現実の相違点
    • 犯人の描かれ方(さとくん vs 植松聖)
      映画の「さとくん(磯村勇斗)」は、絵を愛する純粋な青年が、施設の劣悪な環境によって徐々に狂っていく様子が描かれています。
      一方、実際の犯人(植松聖)は、入れ墨や大麻の使用、派手な交友関係など、映画のキャラクターよりも攻撃的で自己顕示欲が強い人物だったと報道されています。

 

    • 主人公・洋子の設定
      宮沢りえ演じる「元有名作家の職員」は映画オリジナルのキャラクターです。
      実際にはそのような作家が勤務していた事実はなく、このキャラクターは原作者である辺見庸氏の視点や、社会の「事なかれ主義」に対する葛藤を投影した存在とされています。

 

  • 犯行の引き金
    映画では「先輩職員による入所者への虐待」や「見て見ぬふりをする空気」が狂気の引き金になったように描かれています。
    しかし実際の事件では、犯人独自の「優生思想」や「薬物の影響」、そして「社会に衝撃を与えて有名になりたい」という歪んだ承認欲求が複雑に絡み合っていたとされています。

【実話】やまゆり園事件(相模原障害者施設殺傷事件)とは

映画の元となった、実際の事件概要をまとめました。
決して忘れてはならない、戦後最悪の事件です。

事件の概要

相模原障害者施設殺傷事件

  • 発生日時:2016年(平成28年)7月26日 未明
  • 場所:神奈川県相模原市「津久井やまゆり園」
  • 犯人:植松 聖(当時26歳・元施設職員)
  • 被害:死者19人、重軽傷者26人

太平洋戦争後の日本において、単独犯による殺人事件としては最も被害者が多い、最悪の事件として日本社会に衝撃を与えました。

事件の経緯と犯行内容

2016年7月26日午前2時38分、施設から「刃物を持った男が暴れている」と通報がありました。

犯人の植松は、正門を避け裏口からハンマーで窓ガラスを割って侵入。
結束バンドを使って職員らを拘束し、「障害者を殺しにきた。邪魔をするな」と脅しながら、意思疎通のできない入所者を次々と狙って犯行に及びました。

  • 「こいつは話せるか」と職員に確認させる
  • 「しゃべれない」と分かると首などを刺す
  • 「しゃべれます」と答えても「しゃべれないじゃん」と刺す

植松はさらに犯行を続けるつもりでしたが、異変を察知した職員が部屋に閉じこもったため、通報を恐れて逃走しました。

犯人の出頭と判決

事件直後の午前3時すぎ、植松は津久井警察署に「私がやりました」と出頭。
取り調べに対し「障害者なんていなくなってしまえ」という、身勝手極まりない優生思想を供述しました。

その後、2020年3月16日に横浜地裁で死刑判決が言い渡されました。
弁護人は控訴しましたが、植松本人がこれを取り下げたため、2020年3月31日に死刑が確定しています。

出典・参考:Wikipedia - 相模原障害者施設殺傷事件

 

 

本当に恐ろしい、あってはならない事件です。
この凄惨な事件を小説化、そして映画化した制作陣の覚悟は相当なものだと思います。

この映画は、私たちが普段「見ないふり」をしている社会の暗部を、容赦なく突きつけてきます。
ただ怖い、悲しいで終わらせず、「自分ならどうする?」と問いかけられる強烈な体験になるはずです。

事件を風化させないためにも、知る上でも、今こそ観るべき実話映画だと感じました。

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