
ネタバレ禁には、目次をお使いください('ω')
ある日突然、世界中の人の夢に
「何もしないおじさん」が現れた。
それは、悪夢のような栄光と転落の始まり。
もし、あなたの夢の中に、毎晩ニコラス・ケイジが出てきたら……?
そんな奇妙な設定で話題のA24作品『ドリーム・シナリオ』を観てきました!
- 作品名:ドリーム・シナリオ
- 公開年:2023年(日本公開2024年)
- 製作:アリ・アスター(『ミッドサマー』)
- 主演:ニコラス・ケイジ
- 評価:Rotten Tomatoes 91%(批評家支持)
製作はホラー界の鬼才アリ・アスター、主演はニコラス・ケイジ。
これだけで「タダ事じゃない映画」だと分かりますが、中身は予想以上に「現代社会の風刺」が効いた、笑えて泣けるスリラーでした。
本記事では、この映画の元ネタとなった都市伝説「This Man」の詳細から、主人公ポールの哀れすぎる結末の意味までネタバレ解説します。
結末では、ポールは社会的に完全に孤立し、夢の中でしか愛や承認を得られない存在になります。
1. 映画の元ネタ「This Man」とは?
2. あらすじとニコラス・ケイジの怪演
3. 【ネタバレ】哀れすぎる結末の意味
4. 評価と感想まとめ
映画の元ネタ「This Man」とは?【実話?】
この映画の設定には、明確なモデルが存在します。
それは2006年頃からネット上で拡散された都市伝説「This Man(ディス・マン)」です。
『ドリーム・シナリオ』は、この「夢の中の男」がもし実在の人物だったら?というIF(もしも)を描いた物語なのです。
ちなみに日本でも、この都市伝説を題材にした映画『THIS MAN』が公開されましたが……そちらは正直、評判があまり良くありません(苦笑)。
あらすじとニコラス・ケイジの怪演
ごく平凡で冴えない生物学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)。
ある日を境に、世界中の人々の夢の中に彼が登場するようになる。
夢の中の彼は、何が起きてもただ棒立ちで「何もしない」存在だった。
この奇妙な現象はSNSで拡散され、ポールは一夜にして世界的有名人に。
しかし、ある日を境に夢の中のポールが「暴力的」になり始め、人々を襲う悪夢へと変貌する。
現実のポールは何もしていないのに、世間からは大バッシングを受け、彼の人生は崩壊していく……。
本作の見どころは、なんと言ってもニコラス・ケイジの演技です。
ハゲ散らかした頭、ボソボソ喋る自信のない態度。
「情けないおじさん」をやらせたら、彼の右に出る者はいません。
特に、若い女性アシスタントとの情事(未遂)で、早々に果ててしまうシーンの気まずさは必見です(笑)。
警告
【ネタバレ】ドリーム・シナリオの結末|哀れすぎるラストの意味
炎上、そしてテクノロジーの波へ
悪夢の元凶として世間からキャンセル(抹殺)されたポール。
妻ジャネットとも離婚し、大学も追われ、社会的地位を全て失います。
しかし物語は意外な方向へ。
「他人の夢に入れる」という現象がテクノロジーとして開発され、広告業界がこぞって利用し始めます。
かつてポールを苦しめた現象は、商品宣伝のためのツールへと成り下がりました。
ラストシーンの「あの衣装」の意味
映画のラスト、フランスで自分の本のサイン会(地下室での哀れなもの)を行うポール。
彼はテクノロジーを使い、元妻ジャネットの夢の中へ入ります。
そこで彼が着ていたのは、異常にサイズの大きいダボダボのスーツでした。
あの奇妙な衣装は、バンド「トーキング・ヘッズ」のデヴィッド・バーンが映画『ストップ・メイキング・センス(1984)』で着用していた有名なステージ衣装です。
実は劇中前半で、妻ジャネットが「デヴィッド・バーンのあのスーツ姿が好き」と語るシーンがあります。
つまりポールは、自分自身としてではなく、「妻の好きな男(他人)のコスプレ」をしてまで、彼女の夢の中で愛されたかったのです。
自分自身では愛されないと認めてしまった男の、あまりに哀れで切ない、究極の求愛行動だったと言えます。
夢の中で、ポールは空を飛びながらジャネットに語りかけます。
「これが現実だったらよかったのに」
現実ではもう修復不可能な関係を、夢の中でだけ叶えようとする姿。
それは滑稽でありながら、承認欲求に振り回された現代人の孤独を痛烈に描いたラストシーンでした。
よくある質問
Q. 『ドリーム・シナリオ』は実話や実話ベースの映画?
A. 実話ではありません。都市伝説「This Man」を元にした完全なフィクションです。
評価と感想まとめ
- IMDb:6.9 / 10
- Rotten Tomatoes:批評家91% / 観客68%
- Filmarks:3.6 / 5.0
- 映画.com:3.2 / 5.0
批評家からの評価は高いものの、一般観客からは「思ったよりホラーじゃなかった」「居心地が悪い」という声も。
これは本作が、単なるホラーではなく「ブラックコメディ(社会風刺)」だからでしょう。
勝手に持ち上げられ、勝手に叩き落される。
SNS社会の理不尽さを、ニコラス・ケイジという「生けるネットミーム」が演じることに最大の意味がある作品でした。
A24好き、ニコラス・ケイジ好きなら必見の一本です。
A24の奇妙な世界観が好きな方は、こちらもおすすめです。








