ホラー映画が大好きです!しかし…ホラー映画も観すぎてしまうと、怖いと思う事が無くなって来るんですよね。
なので、たま~に想像以上の怖い映画にあたったら、めっちゃテンション上がるんです。
という訳で、本日ご紹介するそんな想像以上の怖い映画
「ヘレディタリー/継承」です。
「ヘレディタリー/継承」は、祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家の運命を描いたホラー映画。サンダンス映画祭でプレミア上映され、「直近50年のホラー映画の中の最高傑作」「21世紀最高のホラー映画」と絶賛されてます。
日本では、2018年11月30日に劇場公開され、2019年4月10日よりTSUTAYA先行レンタル作品として貸出されています。127分とホラー映画では長尺ですが、その不気味な恐怖と想像を絶するラストシーンは見もので、決して飽きることはありません。
この作品の配給はA24です。A24と言えば、3年前のサンダンス映画祭で監督賞を受賞、北米の劇場公開でヒットを記録したアニャ・テイラー=ジョイ主演の魔女ホラー『ウィッチ』を配給した事でも知られています。
『ウィッチ』にハマった人は絶対この作品にもハマるはず、この映画を観て‥なんか似てるなあ~。と思ったら同じ配給会社!A24の配給作品は要チェックですね。
アリ・アスター監督の長編第2作も怖いっすよ!
キャスト
「シックス・センス」のトニ・コレットがアニー役を演じるほか、夫役をガブリエル・バーン、息子役をアレックス・ウルフ、娘役をミリー・シャピロが演じる。監督、脚本は本作で長編監督デビューを果たしたアリ・アスター。
エレン・グラハム
アニー・グラハム(トニ・コレット)
ピーター・グラハム(アレックス・ウルフ)
チャーリー・グラハム(ミリー・シャピロ)
スティーブ・グラハム(ガブリエル・バーン)
ジョーン(アン・ダウド)
超有名俳優は出演していませんが、皆それなりに上手かったです!特に注目したいのが、トニ・コレット、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロの3名!この映画を観たら、3人の顔が忘れられなくなりますよ~。
あらすじ
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのようにに・・・。そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?
衝撃のラストには度肝を抜かれます。
ヘレディタリー/継承の完全ネタバレ!
葬儀のシーンからこの映画は始まります。
ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムの母エレンが死んだ‥。葬儀には、夫のスティーブンと息子のピーター、娘チャーリーも参列しています。チャーリーが一番悲しんでいる様子。
エレンは精神障害を患っていて、アリーの元で看護されていました。家族にはそれが負担となっていた様子。
アリーは、エレンの死をきっかけにグループ・カウンセリングに参加するようになります。アニーはカウンセリングの席で、エレンが解離性同一性障害を発症していたこと、父が精神分裂病で餓死したこと、兄が自殺した事‥そして遺書に「母さんが僕の中に何かを招き入れようとした」と残されていた事。、そして自身も夢遊病に悩まされるいることを語る。
アニーの息子で高校生のピーターは友人宅のパーティーに行くため、アニーの車を借りようとする。ピーターが飲酒をしないよう、13歳の妹チャーリーも連れて行くことを条件にアニーはパーティーへの参加を許可する。ピーターはパーティー会場でチャーリーを置き去りにし、部屋に閉じこもり友達と麻薬をやっている。
会場で一人きりにされてしまったチャーリーは、ピーターに言われたままケーキを食べる‥しかしこのケーキにはナッツが入っており、ナッツアレルギーであったチャーリーは発作を起こす。
発作を起こしたチャーリーは息ができないとピーターに助けを求める、ピーターはチャーリーを病院に運ぶため車で夜道を疾走する。息苦しくなったチャーリーは車の窓から顔を出し空気を吸おうとする。その瞬間ピーターが路上に横たわった動物の死骸を避けるため急ハンドルを切る!顔を出していたチャーリーの頭部が道路脇の電柱に当たり、チャーリーの首は千切れてしまう‥。
ピーターはショック状態になり誰にも事態を報告しないまま、自宅の寝室に戻る。翌日、車の中で頭部のないチャーリーの死体を発見したアニーの悲壮な叫び声が響き渡る。道路脇に転がったチャーリーの生首は無数の蟻に覆われていた。
チャーリーの悲惨な死をきっかけにアニーとピーターは険悪な関係になる。悲しみに沈んだアニーは、カウンセリングで息子と孫を事故で同時に亡くした女性ジョーンと知り合う。アニーはある日、ジョーンの自宅に招かれ彼女が交霊会の儀式を行っているところを見る。テーブルの上のグラスが一人でに動き出し、アニーは交霊の儀式が本物であると信じる。これがジョーンの罠とは知らずに…。
アニーはチャーリーのスケッチブックを使い自分も交霊を儀式を行いチャーリーと交信しようと試みる。アニーはチャーリーの霊と交信に成功するが、夫スティーブによって儀式が中断される。一方ピーターもチャーリーの幻覚を見たり、アニーに殺される悪夢にうなされたりし精神を病んでいく…。
アニーはジョニーの元へ向かう。しかし、ジョニーはいなかった。部屋には、大量のロウソクとピーターの写真が残されていた…。
学校で1人のピーターは、遠くから自分に対して何かを叫んでいる女性を見つける。その女性はジョニー…。ジョニーはピーターに対して不気味な呪文を唱えていた。その後、ピーターは授業中に自ら頭を打ち付けるなど不可思議な動きをする。
アニーはチャーリーのスケッチブックを暖炉で燃やそうとするが、自分の手が炎に包まれる。スケッチブックを燃やすと自分も焼け死ぬというルールを知ったアニーは、スケッチブックの処分をあきらめる。
さらにアニーは、自宅の屋根裏部屋で母エレンの首のない腐乱死体を発見する。そこにはカルト教団の儀式のようなものを行う生前のエレンとジョーンの姿が映った写真が残されている。アニーは、母エレンが「ペイモン」と呼ばれる悪魔を崇拝するカルトの長だったことを知る。
アニーはスティーブに屋根裏のエレンの死体を見せ、悪魔崇拝カルトの実態を説明しようとするが、スティーブは夢遊病持ちのアニーがエレンの死体を墓から掘り返したのだと思い込み、取り合わない。絶望したアニーは、自分も焼け死ぬ覚悟で再度スケッチブックを暖炉に捨てるが、アニーの背後でスティーブの身体が炎に包まれ彼が焼け死ぬ。
これを目にしたアニーの精神は遂に完全崩壊し悪魔がアニーの身体に憑りつく。
ピーターは暖炉の前で父スティーブの焼死体を発見する。悪魔に憑依されたアニーが天井を這って移動し、背後からピーターに襲いかかる。ピーターは屋根裏部屋へと逃げ込むが、そこには祖母エレンの腐乱死体と、天井近くに浮揚するアニーがいた。アニーはワイヤーで自らの首を切り落とそうとグチャグチャと音をたてながら蠢いている。正気を失ったピーターは屋根裏の窓から身を投げ自殺を遂げる。
黒い魂がピーターから抜け出し、光がピーターの体を包み込み、身体に入り込む。ピーターは、庭に作られた木の小屋に入っていく。そこにはジョーンと他のカルト教団員が集まっており、チャーリーの頭部が飾りつけられた像が祀られている。カルト教団員はピーターの前にひれ伏し、ピーターは王冠を頭に被る。ピーターは“ペイモン”となっていた。
Hereditary/ヘレディタリーの意味 エレンと王妃リー
あまり聞いたことのない言葉ですが、Hereditary/ヘレディタリーの意味は単純に和訳すれば、【遺伝的な】【先祖代々の】【親譲りの】という意味があるそうです。
そしてタイトルに込められた意味は、本作の諸悪の根源である悪魔ペイモンの崇拝者‥王妃リーの血筋という意味、悪魔ペイモンが現世に召喚されるために崇拝者に求めたのは、崇拝者の長・王妃リーの血筋の男性の肉体…。
王妃リーは、エレン・グラハムであり、劇中で起こる全ての現象はラストに起こる‥悪魔ペイモンの召喚の為に、エレンが仕掛けたものだったのです。
生まれた時からペイモンは憑依していた。チャーリーの死の原因‥電柱の印
アリ・アスター監督のコメントによると、「チャーリーが生まれた時から、ペイモンは彼女の中に存在した」という。
しかし、ペイモンは男性の肉体にしか宿ることはできない…。女性の身体には憑依しても、そのものにはなれない。
ピーターが生まれたときに、アニーがエレンに対して不干渉ルールを決め近づけ無かった。その為にピーターでは無く、チャーリーに一時的に入れていたのでしょう。
ちなみに、エレンはアニーの兄の身体をペイモンに捧げようとしていました。器にされかけた兄は、「母さんが僕の中に何かを招き入れようとした」と遺書を残し自殺します。
そして、チャーリーの死はエレンの手によるものです。
電柱にぶつかり悲惨な死を迎えるチャーリー…。その後のピーターの行動も含め映画史に残る名シーンとなった場面ですが、これはエレンの仲間、ペイモンを崇拝する信徒の呪いです。
チャーリーがぶつかった電柱には、ペイモンの印があります。
チャーリーを殺すことによって、チャーリーの中にいたペイモンを開放したのです。
ジョーンの交霊術
ジョーンがアニーに教えた交霊術は、チャーリーの肉体から解放されたペイモンを召喚する交霊術…。
そうとも知らずにまんまとアリーは、ペイモンを召喚してしまっていた。
裸の信徒たち
映画の後半では、裸のペイモン信徒たちが登場するのですが、どうやら裸というのは…ペイモンに会う時の正装らしい。
ペイモンとは?
ペイモン(Paymon)は、ヨーロッパの伝承あるいは悪魔学に登場する悪魔の1体、パイモンともいう。
アグリッパによれば、ラビ(ユダヤ教神学者)たちはパイモンをアザゼルまたはアザエルと呼んでいたという。
イギリスで発見されたグリモワール『ゴエティア』によると、パイモンは序列9番の地獄の王である。一部は天使からなり一部は能天使からなる200の軍を率いており、ルシファーに対して他の王よりも忠実とされる。彼自身は主天使の地位にあったという。
現れる際には、王冠を被り女性の顔をした男性の姿を取り、ひとこぶ駱駝に駕しているとされる。また、トランペットやシンバルなどの楽器を携えた精霊たちを先導として現れる。最初に現れた際にパイモンは大音声で怒号のように話すため、服従させない限り召喚者はパイモンの話を理解できないという。生贄により召喚された際には、ベバル(Bebal)とアバラム(Abalam)(またはラバル(Labal)とアバリム(Abalim))という二人の王を従え、時として25軍団の能天使たちを伴う。
人に人文学、科学、秘密などあらゆる知識を与えるといわれ、大地がどうなっているか、水の中に何が隠されているか、風がどこにいるのかすら知っているという。召喚者に地位を与え、人々を召喚者の意思に従わせる力も持つ。また良い使い魔を用意してくれるともいう。
ミリー・シャピロに注目!
この映画…み~んな演技が上手いんですが、特に注目したいのが悲惨な死を遂げるチャーリー・グラハムを演じたミリー・シャピロです。
と思ってしまうほどの不気味な表情…怖すぎる‥。いや~ホラー為に生まれた様な顔かと思ってしまってました。
しかし…本当のミリー・シャピロはこんなにも可愛いのです。
2002年6月16日フロリダ州タンパ生まれの16才です。
ミリー・シャピロは2002年にアメリカ合衆国フロリダ州タンバで生まれ、2013年にブロードウェイ・ミュージカル「マチルダ」ブロードウェイ公演『Matilda』にて主人公のマチルダ役を演じきったことで有名になりました。この役でトニー賞を受賞した他、グラミー賞の候補にもなっています。
映画は『へレディタリー/継承』が初の様ですが、これから注目するべき若手女優だと言えます。
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