【ネタバレ感想】映画『嗤う蟲』は面白くない?あらすじと結末、元ネタの実話を解説
嗤う蟲

田舎である高知県在住の私ですが、自然がいいと県外から移住してくる人がけっこういるんです。

しかし…この映画を観てしまったら…田舎に住むのが怖くなるのではないだろうか?

本日ご紹介するのはそんな怖い映画

嗤う蟲

嗤う蟲
嗤う蟲

 

映画『嗤う蟲』は、都会から田舎へ移住した若い夫婦が、閉鎖的な村に隠された恐ろしい「掟」に巻き込まれていく様子を描いた…怖いサスペンススリラーです。

日本各地で実際に起きた「村八分」事件をベースにしており、自然豊かな村でのスローライフを夢見て移住した夫婦が、次第に村人たちの異常な人間関係や習慣に追い詰められていく物語です。

 

監督は『ビリーバーズ』などの話題作を作り上げた城定秀夫

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脚本は、城定秀夫監督と内藤瑛亮さんの共同脚本で原作は無くオリジナル脚本の作品、内藤瑛亮さんは、映画『先生を流産させる会』や『毒娘』などの社会派スリラー作品で知られる監督・脚本家です。

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二人の才能が組み合わさることで、日本の閉鎖的な村社会が持つ狂気や恐怖が、より深くリアルに描かれた作品となっています。

本作は、日本各地で実際に起きたとされる「村八分」の事例に着想を得ており、ファンタジーや超常現象ではない、人間の内面や集団心理が生み出す恐怖を描いた「ヴィレッジ・スリラー」に分類される作品です。

映画『嗤う蟲』作品情報

  • 公開日: 2025年1月24日
  • 上映時間: 100分
  • 監督: 城定秀夫
  • 脚本: 内藤瑛亮、城定秀夫
  • ジャンル: サスペンス、スリラー
  • 配給: セテラ・インターナショナル
  • 制作: 『嗤う蟲』製作委員会

あらすじ(ネタバレなし)

物語は、都会での生活に疲れ、穏やかな田舎暮らしを夢見て麻宮村へ移住してきた一組の夫婦、杏奈(深川麻衣)と輝道(若葉竜也)を中心に展開します。一見、温かく迎え入れられる二人でしたが、村には自治会長・田久保(田口トモロヲ)を頂点とする、異様とも言える「掟」が存在していました。村人たちの過剰な干渉と、それに従わざるを得ない空気は、次第に夫婦の日常を蝕んでいきます

キャスト

長浜杏奈(演:深川麻衣)
自然豊かな田舎でのスローライフを夢見て、夫の輝道とともに麻宮村に移住した主人公。村の閉鎖的な掟に巻き込まれていく、被害者としての姿が描かれます。

上杉輝道(演:若葉竜也)
杏奈の夫。自治会長の田久保の仕事を手伝う中で、村に隠された「掟」を知ってしまったことで、夫婦を恐怖に突き落とすきっかけを作ってしまいます。

田久保千豊(演:田口トモロヲ)
村の自治会長。村民たちから絶対的に信奉されている存在です。温厚な顔の裏で村の掟を支配し、杏奈たちの生活に過剰に干渉し、追い詰めていきます。

三橋剛・椿 夫婦(演:松浦祐也、片岡礼子)
麻宮村の村民。夫婦の生活に干渉してくる村人として登場します。

田久保よしこ(演:杉田かおる)
自治会長・田久保の妻。夫と共に村の掟を守らせようとする存在です。

古谷(演:中山功太)
麻宮村の村民の一人。

予告動画

あらすじと結末(ネタバレあり)

【警告】ここから先は映画『嗤う蟲』の核心的なネタバレを含みます。

イラストレーターの長浜杏奈(深川麻衣)と夫の上杉輝道(若葉竜也)は、都会の喧騒を離れて麻宮村という美しい田舎へ移住します。自治会長の田久保千豊(田口トモロヲ)をはじめとする村人たちは、夫婦を温かく歓迎します。しかし、次第に村人たちの干渉は過剰になり、夫婦は違和感を覚え始めます。

輝道が村の仕事を手伝う中で、彼は村に伝わる「隠された秘密」を知ります。それは、大麻を栽培しその売買によって利益を得るというものでした

初めは協力を拒否していた輝道でしたが、自治会長の田久保千豊と車に乗っているときに、三橋剛を撥ねてしまい、田久保千豊に操られるようになっていまいます。

嫌々ながらも協力していた輝道でしたが、長浜杏奈と不仲になって来たことをきっかけに協力を拒否します。

すると、夫婦は自治会長の田久保千豊に協力しないという村の掟に反したと見なされ、村人たちから無視や嫌がらせを受け村八分にされます。

電話は不通にされ、買い物にも行けず、完全に孤立していきます。

輝道が田久保に土下座して再び大麻栽培に協力することで、許されますが、長浜杏奈がその事実を知ってしまいます。

長浜杏奈に対して田久保千豊は三橋剛を撥ねた証拠のビデオテープを見せますが、長浜杏奈はビデオで何故に撮られているのか?など不審な点が多いことから疑惑を持ちます。

三橋剛は村八分にされたことから、狂ってしまい警官の拳銃を奪い取って田久保に襲い掛かったのでした。

田久保は追い詰められますが、三橋剛を逆に殺して、輝道が死体を撥ねるように罠を仕掛け、輝道が殺したかのように見せかけたのでした。

長浜杏奈は村を調べ、大麻栽培の証拠をつかんでいきます。

子供を連れて村から出ようとしますが、村の警察も取り込んでいた田久保千豊によって捕まって村に戻されてしまいます。

逃げられなくなった長浜杏奈でしたが、倉庫に潜り込んで大麻を盗み、村の祭りの花火に大麻をしかけたり、あちこちで大麻を村人が吸うように仕掛けていきます。

祭りが始まり。村人は大麻の煙を吸って混乱していきます。

逃げようとしたところを、田久保千豊に襲われますが、上杉輝道が田久保千豊をハンマーで殴り倒し、杏奈を助けます。

放心状態の上杉輝道と赤ん坊を連れ、杏奈は車で村から逃げました。

大麻を吸引した村人は狂ったようになっていました。

村から離れている途中、パトカーが何台も村に向かいます。

輝道は赤ん坊の手を握ります。

エンドロールが流れる。

感想

完全なB級映画でした。

全然面白くなかったです。村八分という題材に対して、村八分というよりは…何だろう。

狂った村というような映画でしたね。村八分の怖さはそんなに感じませんでした。

ちょっと脚本の弱さを感じてしまい、ご都合主義的なイメージを持ってしまいました。

村人たちが自治会長の田久保千豊に何故にあれだけ従うのか?従う事で村人にどれくらいメリットがあるのか?

村八分の怖さももっと詳細に描いていたら、もっとヴィレッジ・スリラーとしての怖さがあっぷしたような気がします。

ただ‥自治会長の田久保千豊を演じた田口トモロヲさんの変化する顔…。

最初は親切な笑顔で夫婦に接する彼が、実は村の掟を絶対視する狂信的な支配者だったという二面性が、物語に深い闇をもたらしています。

これは素晴らしかったですねー。

怖かったです。

都会から田舎に来て心温まるスローライフを期待する人には怖い映画でしたね。

期待が村の閉鎖的な掟によって少しずつ崩されていく様子を見たら、田舎に来ようとは思わないでしょう。

と脅かしましたが(笑)

現実的にはそんなことは無く、田舎暮らしも良いですよ。

嗤う蟲 元ネタ 実話は?

映画『嗤う蟲』に元ネタ実話はあるのでしょうか?

結論から言うと、映画『嗤う蟲』は特定の事件をモデルにした実話ではありません。

しかし、監督の城定秀夫や脚本の内藤瑛亮が、日本の閉鎖的な村社会で実際に起きた事件に着想を得て、フィクションとして再構築した作品です。

この映画のテーマは、実際に社会問題となった「村八分」や「排他的な共同体」の事件に深く根ざしています。

着想を得たとされる事件の背景

『嗤う蟲』の制作背景には、以下のような現実の出来事が共通して見られます。

村社会の閉鎖性

外部の人間や新しい価値観を拒絶する、閉鎖的な村社会の構造です。映画では、移住してきた夫婦が村のルールに従わないことで、村人全員から孤立させられていく過程が描かれています。これは、現実の「村八分」事件と非常に似た構図です。

理不尽な掟や習慣

村民の生活を縛り付ける、非合理的な掟や習慣の存在。映画では、この掟が夫婦を精神的に追い詰める最大の原因となります。現実でも、集落のルールが人権を侵害するような形で存在し、トラブルに発展したケースが報告されています。

村全体の狂気

自治会長の田久保(田口トモロヲ)に象徴されるように、村全体が一人の指導者のもとで結束し、理性を失っていく狂気もテーマの一つです。これは、特定の個人がコミュニティの中で絶対的な権力を持ち、その意向に逆らえないという村社会の闇を反映しています。

このように、『嗤う蟲』は特定の事件の再現ではないものの、日本の地方に潜む「閉鎖的な共同体の恐怖」という普遍的なテーマを、実話の要素を巧みに取り入れて描いた作品と言えます。

映画『嗤う蟲』の評価

僕の個人的評価は…

2.8

 

いごっそう612

ちょっともう一歩リアルな怖さが欲しかったですね。田舎に暮らしているからか、閉鎖的な田舎の恐怖がリアルに感じられませんでした。

 

映画サイトの評価まとめ

Filmarks(フィルマークス): 3.5/5.0(レビュー数:1862件)

公開から時間が経ち、多くのレビューが寄せられています。平均スコアは比較的高く、「ホラーとは違う怖さがあった」「周りのキャストの演技が恐怖を駆り立てる」といった、作品の雰囲気を高く評価する声が見られます。

映画.com: 3.4/5.0(レビュー数:108件)

こちらもFilmarksと同様に、3点台後半の評価が中心です。「小さな村社会の中での『人』の怖さや不気味さが終始伝わってくる」「鑑賞中ずっと胃が痛かった」といった、心理的な怖さを評価するレビューが多いです。

 

映画サイトを見てみると僕の評価とは違い、映画『嗤う蟲』は、単なるホラー映画という枠に収まらず、現代社会にも通じる集団心理の危うさや、同調圧力の恐怖を鋭くえぐり出した作品として、多くの観客に強い印象を残しています。派手な恐怖演出に頼らず、人間の内面から湧き上がる「怖さ」を丹念に描いたことで、質の高いスリラー映画として評価を確立しています。田舎暮らしに憧れを持つ人々だけでなく、現代社会の人間関係に息苦しさを感じる人々にとっても、一見の価値がある作品かもしれません。ただ‥僕は面白くなかったですけど…。

 

ヴィレッジ・スリラーは他にもこういう作品がオススメです。

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