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2002年の『28日後...』から20余年。ダニー・ボイルとアレックス・ガーランドが再タッグを組んだ待望の続編、新三部作の第1章『28年後 (28 Years Later)』がついに公開されました。

観終わった今、多くのファンが「ジム(キリアン・マーフィー)は結局出たのか?」「『28週後...』の結末はどうなった?」そして「衝撃的と噂のラストの意味は?」と疑問を抱えているはずです。
本記事では、映画『28年後』の重大なネタバレを全開で解説します。
- 核心的なあらすじ(起承転結)
- ジムの出演に関する「衝撃の真実」
- 『28週後...』から変更された「世界設定」
- ラスト結末の意味と、続編『The Bone Temple』への伏線考察
これらを、鑑賞後の興奮と(正直な)不満も交えつつ、徹底的に解き明かします。
※警告※ 本記事は、映画『28年後 (28 Years Later)』の重大なネタバレを全面的に含みます。鑑賞前の方は、この先へ進まないよう十分にご注意ください。 (※警告文を導入の最後に移動)
映画『28年後 (28 Years Later)』作品情報
邦題 28年後...
原題 28 Years Later
監督 ダニー・ボイル (Danny Boyle) (『28日後...』『スラムドッグ$ミリオネア』)
脚本 アレックス・ガーランド (Alex Garland) (『28日後...』『エクス・マキナ』)
製作総指揮 キリアン・マーフィー (Cillian Murphy) (『28日後...』主演)
日本公開日 2025年6月20日(金) ※日米同時公開
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 115分
レイティング R15+
主要キャストと役名
| キャスト名 | 役名 | 役柄(※ネタバレ含む) |
| アルフィー・ウィリアムズ (Alfie Williams) | スパイク (Spike) | 本作の主人公。12歳の少年。 隔離された島「ホーリー・アイランド」で育ち、外の世界を知らない。 |
| アーロン・テイラー=ジョンソン (Aaron Taylor-Johnson) | ジェイミー (Jamie) | スパイクの父親。 息子を守ろうとする過保護な一面を持つ。 |
| ジョディ・カマー (Jodie Comer) | アイラ (Isla) | スパイクの母親。 ウイルスではなく、末期のガンを患っている。 |
| レイフ・ファインズ (Ralph Fiennes) | ケルソン先生 (Dr. Kelson) | イギリス本土で暮らす謎の医者。 人骨で「ボーン・テンプル(骨の聖堂)」を築いている。 |
| ジャック・オコンネル (Jack O'Connell) | ジミー (Jimmy) | 本土でカルト集団「ジミーズ」を率いるリーダー。 ウイルス発生時に生き延びた過去を持つ。 |
| エリン・ケリーマン (Erin Kellyman) | ジミー・インク | ジャック・オコンネル演じる「ジミー」が率いるカルト集団の一員。 |
予告動画
【最重要】『28年後』の2大「衝撃の真実」
まず、ファンが最も知りたかった2つの疑問点について、結論から述べます。
キリアン・マーフィー(ジム)は出演しない
結論から言うと、『28年後』の本編(Part 1)において、キリアン・マーフィー演じる主人公「ジム」は出演しません。
彼は製作総指揮として名を連ねていますが、物語の中心は新世代のキャラクターに移っています。
予告編で「ジムに似た感染者」が話題となりましたが、これは別人のエキストラであり、ジムが感染者として登場するという絶望的な展開もありません。
【続編での復帰計画】 ただし、希望はあります。ダニー・ボイル監督は、この新三部作の「第3作目」でジム(キリアン・マーフィー)を復帰させる計画があることを明言しています。
『28年後』は、ジムが再び物語に登場するための壮大な「序章」としての役割を担ってると考えれます。
『28週後...』の結末は「リセット(設定変更)」された
もう一つの衝撃は、『28週後...』(2007年)の結末の扱いです。
『28週後...』の結末:RAGEウイルスはイギリス海峡を渡り、フランス・パリに到達。世界的なパンデミック(世界崩壊)が示唆されました。
『28年後』での新設定:この「世界拡散」設定は否定されました。
『28年後』の世界では、ウイルスはイギリス諸島(UK)内に封じ込められたことになっています。
大陸ヨーロッパやその他の国々は無事であり、イギリス本土は「無期限の検疫下に置かれた死の島」として、世界から隔離されています。
この設定変更により、物語は再び「閉鎖されたイギリス」という原点回帰の舞台で展開されます。
【ネタバレ】映画『28年後』あらすじ完全版(起承転結)
起:隔離された島「ホーリー・アイランド」とスパイクの日常

2002年、レイジウイルス初発生の際、スコットランド高地の自宅から少年ジミー・クリスタルは逃亡する。
彼は牧師である父と共に地元の教会に避難するが、父はレイジウイルスを終末の前兆と解釈し、恍惚とした祈りを捧げていた。父はジミーに十字架のネックレスを遺贈し、安全な場所へ連れ出すが、直後に押し入ってきた感染者たちに屈服してしまう。
ジミーは一人生き延びた。
そして現代(28年後)。レイジウイルスはヨーロッパ大陸から根絶されるも、ブリテン諸島は隔離状態に置かれていた。
主人公は12歳の少年スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)。彼は、潮の満ち引きによって本土と隔絶される「ホーリー・アイランド(リンディスファーン)」で、父ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)、母アイラ(ジョディ・カマー)ら生存者たちと堅牢なコミュニティで暮らしていた。
ジェイミーとスパイクは成人の狩猟儀式のため本土へ渡り、「アルファ」と呼ばれる進化した感染者に率いられた群れに遭遇する。
彼らは間一髪で逃れ、村の歩哨の助けでアルファを撃退する。
村はスパイクの初殺人を祝うが、ジェイミーが自分の行動を粉飾したことにスパイクは憤慨する。
さらに、スパイクはジェイミーと村の教師ロージーの不倫を知り、父への不信感を募らせる。
家族ぐるみの友人サムから、本土で見た炎が亡命中の元一般開業医イアン・ケルソンの仕業ではないかと示唆される。
翌朝、スパイクはアイラの治療を怠る父を問い詰めるが、ジェイミーはケルソンが大量の死体を焼くのを見た経験から、ケルソンは狂っており、アイラは助けられないと主張する。
父に納得できないスパイクは、アイラを連れて干潮の隙に島を脱出し、母を救う望みをかけてケルソンの元に向かう。
承:母の治療と本土への脱出、「アルファ感染者」との遭遇

二人が足を踏み入れた本土は、28年の歳月を経て自然に飲み込まれた廃墟と化していた。
そして、脅威は進化していた。通常の感染者に加え、より大柄で、知性を持ち、群れを率いる「アルファ感染者」("サムソン"と呼ばれる個体)が存在していた。
二人はスウェーデン海軍の生き残り兵士エリックと出会う。
道中、アイラは島にあったバスの中から、妊娠中の感染者を発見し、出産を手伝い、感染していない女児が生まれる。
しかし、精神的に不安定だったエリックは「赤ん坊も危険だ」と殺害しようとする。
その瞬間、赤ん坊の父親であるアルファ感染者(サムソン)が出現し、エリックは惨殺されてしまう。
転:ケルソン先生と「骨の聖堂(ボーン・テンプル)」、母の死

ケルソン博士が現れ、「サムソン」と名付けたアルファを鎮痛剤で鎮圧する。
ケルソンはスパイクとアイラを、洗浄した人骨で作られた「メメント・モリ」の記念碑へと案内する。
そこには…ケルソンが28年間かけて死者の頭蓋骨を集めて築き上げた、異様な「ボーン・テンプル(骨の聖堂)」がそびえ立っていた。
エリックを火葬し、エリックの頭蓋骨を記念碑へ組み込む。
ケルソンは穏やかな人物だったが、アイラを診察すると「末期ガンで、私には治療できない」と残酷な現実を告げる。
そして彼は、苦しみ続けるアイラに「安楽死」を提案する。
アイラはそれを受け入れ、息子のスパイクに見守られながら静かに息を引き取る。
スパイクは、母の頭蓋骨を自らの手で「ボーン・テンプル」に捧げ、母を弔う。
結:父との決別、そしてカルト集団「ジミーズ」との出会い

サムソンが聖域に侵入しケルソンが捕まり殺されそうになるが、スパイクは鎮静剤を刺しケルソンの命を救う。
ケルソンはスパイクに赤ん坊を連れて帰るよう勧めるが、母を失ったスパイクは、助けた赤ん坊(母と同じ「アイラ」と名付ける)を連れ、一度はホーリー・アイランドに戻るが、父親に幻滅したスパイクは村の門に赤ん坊を残し、再び本土へと戻る。
ジェイミーはスパイクからのメモを見つける。
そこには、赤ん坊を「アイラ」と名付け、準備ができたら戻るという約束が記されていた。ジェイミーは追いかけようとするが、上げ潮に阻まれる。
28日後、感染者の群れに追われるスパイクは、お揃いのトラックスーツと金髪のかつらを着た奇妙な集団に救出される。
彼らは感染者を殺し、スパイクはそのリーダーである大人のジミー・クリスタルに迎え入れられる。
それは、オープニングで唯一生き残ったあの少年ジミーが成長した姿だった。
彼は本土でカルト的なコミュニティ「ジミーズ」を率いるリーダーとなっていた。
ジミー・クリスタルは、今や父から受け継いだものとは逆の、逆十字架を身に着けていた。
物語は、スパイクの新たな放浪と、かつての少年ジミー・クリスタルとの出会いという不穏な結末を迎える。
映画は、ジミーがスパイクを仲間に迎え入れたところで幕を閉じ、続編『28年後... 白骨の聖堂 (The Bone Temple)』へと続いていく。
【考察】衝撃のラスト結末と続編『The Bone Temple』への伏線
母を失い、父とも離れ離れになったスパイクは、ケルソンの元を離れ、一人で本土を放浪することを選びます。
【ラストシーン】謎のカルト集団「ジミーズ」
孤独なスパイクが感染者の群れに襲われ、絶体絶命となった瞬間、謎の一団が彼を救います。
彼らは全員、お揃いのジャージと金髪のウィッグを身に着けた異様な集団でした。
リーダーの男(ジャック・オコンネル)は、スパイクに「ジミー(Jimmy)だ」と名乗ります。
この「ジミー」こそが、本作のオープニング(ウイルス発生時)で、家族を皆殺しにされながら一人だけ生き延びた少年(ジミー)が成長した姿でした。彼は生存者を集め、「ジミーズ」と呼ばれるカルト集団を形成していたのです。
映画は、この謎の男ジミーがスパイクを仲間に迎え入れたところで幕を閉じます。
【考察】続編『28 Years Later: The Bone Temple』へ
このラストは、すでに製作が決定している続編(第2作)『28 Years Later: The Bone Temple』に直結します。
ボーン・テンプル:第1作でケルソン先生が作っていた「骨の聖堂」が、そのまま続編のサブタイトルになっています。
この場所が続編の鍵となることは間違いありません。
ジミー・カルト:第2作は、主人公スパイクがこの謎のカルト集団「ジミーズ」と行動を共にする(あるいは対立する)物語になると予想されます。
「ジム(Jim)」 vs 「ジミー(Jimmy)」:ファンが考察しているのは、この新キャラクター「ジミー」の存在です。
第3作で復帰が予定されているキリアン・マーフィー「ジム(Jim)」と、カルトリーダーとなった「ジミー(Jimmy)」。
名前が酷似した二人が、新旧主人公(スパイク)を巻き込み、イギリスの覇権を巡って対決する、というのが新三部作の全体像になるのではないでしょうか。
【感想・評価】『28年後』は最高の「序章」か、最悪の「裏切り」か
『28年後 (28 Years Later)』は、キリアン・マーフィー(ジム)の物語を期待したファンにとっては、肩透かしとなるかもしれません。
しかし、本作は「ウイルス後の世界しか知らない世代」という新たな視点を導入し、『28週後...』で拡散しすぎた物語を「イギリス封じ込め」へと巧みにリセットしました。
そして、ジム(Jim)ではなくジミー(Jimmy)という新たな脅威をラストに提示することで、第2作『The Bone Temple』、そして第3作での「ジムの帰還」へと繋げる、完璧な序章となっています。
早くも続編が待ちきれないですね!
評価:最高の「序章」、最悪の「単体作品」
『28年後 (28 Years Later)』は、旧作ファンが最も求めていた「ジムの登場」も「世界崩壊の継続」も叶えてはくれませんでした。その点では、単体作品としての満足度は低いと言わざるを得ません。
〇 評価できる点
- 新世代の継承: 主人公スパイクの過酷な成長物語は、新しいシリーズの核として強力です。
- 原点回帰: 『28週後...』で拡散しすぎた世界観を「イギリス封じ込め」にリセットしたことで、物語の焦点を再び「本土でのサバイバル」に戻しました。
- 圧倒的な布陣: ダニー・ボイル監督とアレックス・ガーランド脚本による映像のクオリティとテーマの深さは流石です。
✕ がっかりした点
- ジム不在: キリアン・マーフィー(ジム)が**「温存」**という形で出演しなかったこと。
- 設定リセット: 『28週後...』の**「パリ拡散」**設定が否定されたこと。
- テーマのズレ: 「ウイルス」ではなく「ガン」と「死生観」に焦点が当たったこと。
旧作ファンが抱く「3つの不満」と続編への期待
『28日後...』の真の続編、しかもオリジナルスタッフ再集結と聞いて、僕の期待値は天元突破していました。
正直、観終わった後の第一声は「がっかりだ!」でしたが、このモヤモヤこそが、このシリーズの"次"への仕掛けだと信じたい!
僕が今回特に許せなかった、だけど「続編へのフリ」として許容したいポイントはこれです。
1. ジム(キリアン・マーフィー)の不在は「温存」か
これがファンとして一番辛い事実です。製作総指揮に名を連ねておきながら、ジム(キリアン・マーフィー)が本編に全く出てこないなんて、僕たちの28年間の期待は何だったのかと!
失望からの希望:本作は完全に新主人公スパイクの物語であり、ジムは「次回作以降のための切り札」として温存されたと解釈するしかありません。
ダニー・ボイル監督が「第3作でジムを復帰させる」と明言している以上、このPart 1は彼が再び世界に戻ってくるための壮大な“前菜”だと、今はグッと堪えて信じます!
2. 『28週後...』の設定リセットは「世界戦争」への布石か
『28週後...』でウイルスがヨーロッパへ拡散したあの絶望的なラストを、本作で「イギリス国内に封じ込め」と勝手にリセットされたのは、本当に許せません。
世界的なパンデミックが見たかったのに!
原点回帰のその先へ:しかし、この設定変更によって、イギリスは「世界から隔離された死の島」という原点回帰の舞台に戻りました。
これはつまり、続く続編で「隔離を破って世界に進出する」、あるいは「大陸ヨーロッパの生存者 VS イギリスの感染者」という、さらに巨大な"世界戦争"を描くための布石だと期待しています!
そうでなければ、この設定変更に意味はない!
3. 「ガン」と「死生観」というテーマ性
母親アイラがウイルスではなく末期ガンで亡くなる展開や、人骨で「ボーン・テンプル」を築くケルソン先生の哲学は、正直言ってシリーズに求めていた緊迫感とは違いました。
テーマが重すぎて、ホラーとしての純度が下がってしまったと感じます。
成長のための試練:ただ、これらの過酷な経験が主人公スパイクを「親の庇護を離れた新世代のヒーロー」へと成長させたのは事実です。
彼がこの経験をどう活かし、カルト集団「ジミーズ」とどう対峙するのか。
スパイクの成長と、第2作のタイトルにもなった「ボーン・テンプル」の謎の解明には、強く期待しています!
結論:新三部作の真のテーマは「ジム VS ジミー」
最後に現れたカルトのリーダー「ジミー」の存在、そして彼と伝説の生存者「ジム」という名前の酷似は、新三部作のクライマックスとしてあまりにも強力なフックです。
この『28年後』は、「ジムが帰還し、新世代の脅威ジミーと対峙する」という究極の最終章のための、完璧な基盤(セットアップ)を築きました。
単体作品としては「がっかり」もしましたが、新三部作への期待値は最高潮です!
今はただ、ダニー・ボイル監督が約束した「第3作目でのジムの復帰」を信じ、次作『28年後... 白骨の聖堂 (The Bone Temple)』で、このモヤモヤを吹き飛ばしてくれることを祈るばかりです!
この映画のようなゾンビ映画はオススメの作品が他にもあります。






