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【30秒でわかる】『ボーダー 二つの世界』作品データ
公開年:2018年
上映時間:110分
製作国:スウェーデン/デンマーク
監督:アリ・アッバシ
原作・共同脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(『ぼくのエリ 200歳の少女』)
「これは怪物の映画ではなく、“怪物と呼ばれた者の倫理”を描いた映画である」
「ぼくのエリ 200歳の少女」とか「モールス」って映画を知ってますか?
めっちゃ良い映画なんです。映画マニアの間ではけっこう話題になりました。その映画の原作を書いたのはスウェーデン人作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストです。
そして、本日ご紹介するのはそのヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが自身の短編小説をもとに共同脚本を手掛け、イラン系デンマーク人のアリ・アッバシ監督が映画化した作品。
北欧ミステリー映画の傑作
「ボーダー 二つの世界」

「ボーダー 二つの世界」(原題:GRÄNS/BORDER)は、人並外れた嗅覚を持ちながらも醜い容貌のせいで孤独を強いられる税関職員の女性ティーナが、奇妙な旅行者ヴォーレと出会ったことにより、自身の出生の秘密を知ってしまうというR18+のダークファンタジー・スリラー映画です。
第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞し、第91回アカデミー賞では「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」にノミネートされるなど、世界的にも高く評価された作品です。
主人公であるティーナを演じるのはエヴァ・メランデル

奇妙な旅行者ヴォーレを演じるのはエーロ・ミロノフ


ちなみに、それぞれ役作りのために20キロずつ増量して、毎日4時間もメイクしたらしいっスよ。
他、ステーン・ユングレン、ヨルゲン・トーソン、ヴィクトル・オケルブロム等が出演しています。

不気味な雰囲気のこの映画にどっぷりハマるっスよ~。
【ネタバレあらすじ】トロールと人間の境界線を描いた映画
となっています。
スウェーデンの森の一軒家で暮らす主人公の女ティーナは、人間の感情(罪悪感や羞恥心)まで察知できる驚異的な嗅覚の持ち主。税関の検査員として、その特殊能力を生かして密輸品などを摘発しています。
その特殊能力も凄いんですけど、まず驚くのは…
ティーナの顔です。


何だろう…これは何かあるな…。
そんな予感が映画からガンガン伝わってきます。
染色体異常だと思い込み、その容姿のせいで孤独を抱える彼女は、見ていてとても痛々しく悲しい存在です。そんなティーナの勤める税関に、自分と同じような風貌や匂いを持つ旅行者のヴォーレがやってきます。
怪しいウジ虫の培養器を持っていた彼ですが、実はティーナと同じ種族でした。

二人は徐々に惹かれあうのですが…。


何というか…異質!
森を裸で走り回ったり、叫んだり、雷を極端に怖がったり、まるで獣なんです。
トラウマ級?気持ち悪いと検索される「性別の逆転」の意味
そして男と女が惹かれあったら、もちろん…アレをするのですが。

もうこれ、ネットで「トラウマ」「気持ち悪い」と検索されるほど衝撃的なシーンなんですけど、ティーナとヴォーレの性が逆転しているんです。
女性であるティーナの股間から男性器のようなものが現れ、男性であるヴォーレには女性器のようなものがある。
映画でぜひ観てもらいたいですが、人間の常識からすると異常なシーンです。
ここらでようやく、この二人は人間ではない。何かの生物なのだとハッキリわかってきます。
なんの生物なのか?
二人の正体は「トロール」でした。


この映画は、
トロールと人間の二つの世界と、その境界線を
描いた映画でした。
【考察】謎の虫とテイヒート(未受精卵)、そして復讐
物語の後半、ヴォーレがガムテープを巻きつけた冷蔵庫から、とんでもないものが見つかります。

テイヒート(Hiisi)と呼ばれる、なんとも不気味なブヨブヨの赤ちゃんでした。

実はヴォーレは、このトロールの未受精卵(テイヒート)と人間の赤ちゃんをすり替えて、誘拐した人間の赤ちゃんを小児性愛者の犯罪組織に売りさばくという、ゲス野郎だったのです。
北欧では、トロールが人間の赤ちゃんと自分の子(取り替え子=チェンジリング)をすり替えるという伝承があります。未受精卵は長く生きられないため、すり替えられた偽物の赤ちゃんはすぐに死んでしまいます。
【考察】トロールが暗示する「マイノリティ」と社会問題
なぜヴォーレがそんな恐ろしいことをするのか?
それは、トロールはかつて人間(精神病院など)に拷問され、人体実験の犠牲になっていたからです。ティーナも実は孤児院で育てられたのではなく、人間によって両親を奪われたトロールの生き残り(本名はレヴァ)でした。人間を激しく憎むヴォーレは、これはトロールの復讐だとティーナに語ります。
本作は単なるダークファンタジーではなく、明確に現実社会のメタファー(暗喩)となっています。トロールという架空の種族を通して、「移民」「ジェンダー」「マイノリティ」「優生思想」といった根深い問題を浮かび上がらせているのです。
かつて人間がトロールに対して行った迫害や人体実験は、現実の歴史において行われた少数民族への同化政策や優生学的な差別と重なります。そのため、本作は優れた「社会派映画」や「ジェンダー映画」としても高く評価されており、観る者の倫理観を激しく揺さぶる傑作となっているのです。
ラストシーンの考察:箱の意味とティーナの選択
復讐の事実を知ったティーナは、人間とトロールの境界線で揺れ動きます。
ヴォーレと共にトロールの生き残りがいるフィンランドへ逃げるのか、それとも人間の社会にとどまるのか。最終的にティーナは、ヴォーレを警察に突き出す選択をします。ヴォーレは海へ飛び込み逃走しました。
ここで重要なのは、ティーナは人間を選んだのではない。「倫理」を選んだのだということです。
自分たちを迫害してきた人間であっても、罪のない赤ん坊を犠牲にするような残酷な復讐には加担できない。彼女は種族としての同胞よりも、善悪の境界線で「善」を選ぶという崇高な決断を下したのです。
そしてラストシーン。
数ヶ月後、ティーナの家にフィンランドから小さな箱が届きます。中に入っていたのは、醜くも可愛らしい「トロールの本当の赤ちゃん」でした。
この箱の意味は、ヴォーレが生き延びてフィンランドに辿り着き、彼らの仲間からティーナへ「同胞としての贈り物」を送ったことを示しています。彼女は倫理を守って生きることを選びながらも、トロールとしてのアイデンティティと命を育んでいく結末と言えます。

海外の評価
この映画の海外の評価はどうなっているのでしょう?
海外映画サイトRotten TomatoesとIMDbを調べてみました。
映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには130件のレビューがあり、批評家支持率はなんと驚異の97%。
平均点は10点満点で7.9点と高評価となっています。

一般大衆の支持率も77%。
平均点は5点満点中3.7点と良い評価になっています。

もう一つ海外映画サイトIMDbでは

10点満点中7点と、こちらも高評価となっています。
2万人以上のユーザーの中で7点を付けたユーザーが一番多いです。
次は8点と6点。表を見てもらえばわかると思うんですけど、6点以上に集中しています。

よくある質問(FAQ)
Q: 『ボーダー 二つの世界』でティーナとヴォーレの性別が逆転しているのはなぜ?
A: 彼らが人間ではなく、北欧神話に登場する妖精「トロール」だからです。人間の常識(染色体異常やジェンダーの枠組み)では測れない、別種族の生態であることを視覚的に強く印象付けるための重要な設定となっています。
Q: ラストシーンで届いた箱の中身(赤ちゃん)の意味は?
A: 海へ逃亡したヴォーレが生き延び、フィンランドの同胞のもとへ辿り着いたことを示しています。「倫理」を選び人間の社会で生きることを決めたティーナへ送られた「トロールの本当の赤ちゃん」は、彼女が自身のアイデンティティを受け入れ、新たな命を育んでいくという希望(または業)の結末を暗示しています。
Q: タイトルの「ボーダー(境界線)」が意味するものは?
A: 人間とトロール(怪物)の境界線、善と悪の境界線、男と女の境界線、そして「動物的な本能」と「人間の持つ倫理観」の境界線を意味しています。ティーナが最後にどちらの境界線を選ぶかが、本作の最大のテーマです。
予告編
なかなか異質なミステリー映画
まずは、予告編をどうぞ!

社会派としての深いテーマもふまえて観てほしいっス!
『ボーダー 二つの世界』配信状況まとめ
| 配信サービス | 配信状況 | 無料期間 |
|---|---|---|
| U-NEXT | 見放題 | 31日間無料 |
| Amazon Prime | レンタル | 30日間無料 |
| Netflix | 配信なし | なし |
北欧ミステリーは本当に面白い!他にも沢山あります。
お暇があればぜひ!










