「関心領域」実話!ネタバレ!ラストが怖い!エンドロールが地獄!
関心領域

アウシュビッツ強制収容所の隣で暮らしたルドルフ・ヘス一家の姿を描いた怖い実話映画

関心領域

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「関心領域」原題:The Zone of Interestは、ジョナサン・グレイザーが脚本・監督を務め、イギリス、アメリカ、ポーランドが共同制作した2023年の実話映画。

この映画は、マーティン・エイミスの2014年の小説を基に、アウシュビッツ強制収容所の隣にある「ゾーン・オブ・インタレスト(関心地域)」の家に家族と暮らすアウシュビッツの署長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドヴィグの生活を描いています。

 

ネタバレ!ラストが怖い!エンドロールが地獄!

映画のあらすじとネタバレを書いていきます。

 

1943年、アウシュビッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスは、妻ヘドヴィグと5人の子供たちとともに、アウシュビッツ強制収容所に隣接する豪華な家に住んでいた。

ルドルフ・ヘスは子供たちを水泳や釣りに連れて行き、ヘドヴィグは庭の手入れをしている。幸せな一家…。

ユダヤ人以外の収容者たちが雑用を引き受け、殺害されたユダヤ人の所持品は家族に渡された。

庭の壁の向こうでは、銃声、叫び声、列車や炉の音が頻繁に聞こえてくる…。

 

ルドルフ・ヘスは、トップフ・ウント・ゼーネ社が建設した新しい火葬場の設計を承認した。

ある日、彼は川に人骨があることに気づき、子供たちを水遊びから連れ出す。また、SS隊員にメッセージを送り、「ライラック摘み」の不注意で植物が「血まみれ」になったことを咎める。

夜、ヘスが娘たちにドイツの童話『ヘンゼルとグレーテル』を読んでいる間、ポーランド人の少女がこっそり抜け出して、囚人たちの仕事場に食べ物を隠す。

ヘドヴィグの母親が泊まりにやって来て、娘が得た地位に感銘を受け喜ぶ。

ルドルフ・ヘスは強制収容所の副監察官に昇進し、ベルリン近郊のオラニエンブルクに転勤しなければならないという知らせを受ける。彼は反対し、数日間ヘドヴィグにその知らせを告げない。ヘドヴィグは、自分と子供たちが家に留まることを上司に認めるようヘスに頼み、その要求は認められる。

ルドルフ・ヘスが去る前に、一人の女性が彼のオフィスにやって来て、性行為の準備をしていた。

一方、ポーランド人の少女は囚人が作曲した楽譜を見つけ、それを自宅のピアノで弾く。ヘドヴィグの母親は、夜、燃える火葬場を見て臭いを嗅いだ後、予告なしに出て行く。彼女が残したメモにヘドヴィグは動揺し、激怒して召使いたちを脅す。

ベルリンでは、ルドルフ・ヘスはその功績を認められ、オスヴァルト・ポールから、彼の名を冠した作戦を指揮するよう命じられる。この作戦は、ハンガリー系ユダヤ人 70 万人を収容所で働かせるか、殺害するかのどちらかに移送するものである。

これにより、ルドルフ・ヘスはアウシュビッツに戻り、家族と再会できる。

ヘスは、SS 中央経済管理局が主催するパーティーにぼんやりと出席する。その後、ヘドウィグに電話で、パーティーでは出席者をガス室に送る最も効率的な方法について考えていたと話す。

ベルリンのオフィスを出て階段を下りる途中、ヘスは立ち止まり、何度も嘔吐しながら、建物の廊下の暗闇を見つめる。

 

現在に戻り、一団の清掃員がアウシュビッツ・ビルケナウ国立博物館を清掃している。

 

1944年当時、ヘスは階段を下り続け、暗闇の中へと降りていった。

エンドロールが始まる。

 

話題の実話映画「関心領域」を観てみました。

この映画は正直…観ていて面白い!とかいい映画とかそういう感情になる映画ではありませんでした。

ただただ…無関心…でもラストに怖い映画だと気が付く‥。

 

アウシュビッツ強制収容所の隣で暮らしたルドルフ・ヘス一家の姿を描いた作品ですが、ルドルフ・ヘス一家は強制収容所の事など全くの無関心なんですね。

すぐ隣で、叫び声や不気味な音や、何か焼いてる(多分死体)などがあるにも関わらず、すごーく幸せに生活してるのです。

関心領域
関心領域

 

その姿が何とも不気味で怖い…。

何にも気にならないのか?

映画の中でも、ヘドヴィグの母親がこの家を訪ねてくるのですが、匂いや叫び声に耐えられず、夜中に黙って帰ってしまう始末。

どうやらこの一家がおかしいようだ。

横で何が起こっても無関心‥こいつらヤバい‥。

 

しかし、この無関心は映画のラストで我々も同じことが判明する。

映画ラストで描かれる現代のアウシュビッツ博物館のシーンは、こんな恐ろしいことがありながらも、へーこんな事があったんだ。怖いね。と無関心に観ている我々にも向けられている。

最後の最後で

あー‥これ怖い‥。

と思ってしまった。

自分に被害が無ければ…無関心‥これが人間の本質‥

怖い…。

 

そして、それから始まるエンドロールで流れる不快な音…。

めっちゃ、自分の無関心を突きつけられてる気がして、しんどかった。

これ地獄じゃん…と

そんな感じで

「関心領域」は全然楽しめる映画でも何でもないけど、気分的に落ち込む怖い映画でした。

 

ちなみに映画のラストの会談ででルドルフ・ヘスが吐くシーンがあるんですけど、ルドルフ・ヘスは

 

そしてこの映画で起こったことは実話でルドルフ・ヘスも実在した人物なんですよね。

実話・ルドルフ・ヘス一家

「関心領域」は全てでは無いでしょうが、登場人物、場所など実話を基に作られています。

主人公ルドルフ・ヘスも実在した人物です。

ルドルフ・ヘス
ルドルフ・ヘス

 

ルドルフ・フェルディナント・ヘスは、(Rudolf Franz Ferdinand Höß )は、ドイツの政党国家社会主義ドイツ労働者党の組織親衛隊の将校。

最終階級は親衛隊中佐。

第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ強制収容所の所長を務め、移送されてきたユダヤ人の虐殺(ホロコースト)に当たり、ドイツ敗戦後に戦犯として絞首刑に処せられた。

 

ドイツ労働者党副総統ルドルフ・ヴァルター・リヒャルト・ヘス(Rudolf Walter Richard Heß )と間違われるが、別人であります。

 

アウシュヴィッツ所長を務めたルドルフ・ヘスは、5人の子供たちとともに別荘に住んでいたが、その庭はアウシュヴィッツ第1強制収容所の最初の火葬場とガス室があった場所に直接隣接していた。

アウシュヴィッツに到着したユダヤ人は労働できる者とできない者に選別され、労働力にならない者はガス室へ送られた。アウシュヴィッツでガス殺されたユダヤ人の犠牲者数については諸説あって定かではない。多い物ではソ連政府やポーランド政府が主張した400万人説から最小では63万人説まである。ヘスは250万人とニュルンベルク裁判で証言している。現在では約100万人ほどであろうというのが通説となっている。いずれにしてもアウシュヴィッツはホロコーストの最大の絶滅地であった。

1943年秋、SS調査委員会がアウシュヴィッツ強制収容所政治局に対して恣意的な囚人殺害や汚職の容疑で捜査を行った。ヘスは直接関与していなかったというが、管理責任を問われ、1943年11月10日に「ラインハルト作戦」の完了とともにアウシュヴィッツ所長を退任することになった。

連合軍がベルリンに迫り、敗戦が目前となった1945年4月、ハインリヒ・ヒムラーからの生き残るために「国防軍に紛れ込め」との命令で、ドイツ海軍兵士に成りすましてイギリス軍の捕虜となった。イギリス軍は正体を見破れず、一度は釈放された。以降は北ドイツで偽名を名乗りとある農家で働き始めた。

1946年3月11日にイギリス軍はようやくヘスを発見して逮捕した。

4月にニュルンベルク裁判にエルンスト・カルテンブルンナーの弁護側証人として出廷した。この時にヘスはユダヤ人250万人をガス虐殺した事を証言している。

1946年5月25日、ヘスはワルシャワへ移送され、ポーランド政府にその身柄を引き渡された。7月30日にクラクフ・プワシュフ強制収容所所長だったアーモン・ゲートらと一緒にクラクフへ移送された。

同地で裁判にかけられ、1947年4月2日にポーランド最高人民裁判所より死刑を宣告された。

1947年4月16日、彼が大量のユダヤ人を虐殺したオシフィエンチム(アウシュヴィッツ)の地で絞首刑に処せられました。

 

1941年8月にルドルフ・ヘスはヒムラーからユダヤ人絶滅計画を聞かされ、アウシュヴィッツをユダヤ人抹殺センターに改築せよとの命令を受けた。この命令を受けた時についてルドルフ・ヘスは回顧録の中で

「この命令には、何か異常な物、途方もない物があった。しかし命令という事が、この虐殺の措置を、私に正しい物と思わせた。当時、私はそれに何らかの熟慮を向けようとはしなかった。私は命令を受けた。だから実行しなければならなかった。」と書いています。

ルドルフ・ヘスも無関心の中で、虐殺を行っていたのでしょう。

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