イタリアで実際にあった事件を題材に作られた映画
「ドッグマン」
リュック・ベッソンが脚本・監督を務めた映画「ドッグマン」原題:DogManを観てみました。
父親から虐待を受けていた犬好きの少年が“ドッグマン”と呼ばれるダークヒーローに変わっていく人生を描いたバイオレンス映画です。
この映画は実話を題材に作られています。
元ネタとなった実話は1980年代の終わり頃にイタリアで実際にあった事件です。
5歳の男の子が4年間も、父親に犬のケージに閉じこめられていた事件です。
映画でも序盤にそういうシーンがあるのですが、映画で描かれていることは全てが実話ではありません。
監督はこう答えています。
1980年代の終わりに、イタリアで実際にあった事件を題材にしています。12年前に、この事件に想を得て脚本を書き始めました。けれどもその後、何度も書き直し、端緒となる事件を再解釈したり、再構築したりして、今回の映画に至っています。ですから、実際の事件からインスピレーションを得た物語ではありますが、最終的に自由なイマジネーションで作った作品になりました。
結果的に実話の部分は残っていますか?と言う質問にも
実際の事件は、当時イタリアを騒がせた陰惨な殺人事件でしたが、映画の方向性としては全く違う独立したものになっています。実話に基づく要素としては、登場人物たちですね。主人公のマルチェロ・フォンテ演じるマルチェロという男は、犬のトリマーやドッグシッターをやっていた実在の人物です。彼がシモンチーノと呼ばれていた暴力的な男との関係性の中で、彼自身は全く暴力性とは無縁である人物だったにもかかわらず、抗えない暴力のメカニズムの中に陥っていくのですが、ストーリーの展開自体は自由に羽ばたいていきました。実際の事件を知っている人たちからは、かなり暴力的な物語ではないかと思われがちなんですが、特に前半は愛情ですとか、彼の生活、彼の優しさを描いています。ちょっとクスッと笑ってしまうようなコミカルなところもあると思うんですね。
と答えています。
映画全ては実話では無いが、実話を基にした部分もあり、インスパイアされた作品と言う事ですね。
しかし、映画の中で犬小屋に長い間閉じ込められている姿は可哀そうでした。
『ドッグマン』は第80回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞候補に選ばれ、2023年8月31日にプレミア上映された。フランスでは2023年9月27日に公開された。この映画は批評家から概ね賛否両論の評価を受けています。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技はやはり良いですね。
「ニトラム」でもすごくいいと思いましたが、今作でもその演技力は素晴らしいものがあります。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズを観るだけでも価値はある映画だとは思います。