
Amazon Prime Videoで2025年2月6日から配信開始になった映画
「オーダー」原題:The Orderは2024年のカナダ映画
1989年のケヴィン・フリンおよびゲイリー・ゲルハート著のノンフィクション書籍『The Silent Brotherhood: The Chilling Inside Story of America's Violent, Anti-Government Militia Movement』を原作とし、ジャスティン・カーゼルが監督し、ザック・ベイリンが脚本を担当、ジュード・ロウがベテランのFBI捜査官、テリー・ハスクを演じた実話を基にしたサスペンス映画です。
キャスト
FBI捜査官テリー・ハスク役
ジュード・ロウ
ボブ・マシューズ役
ニコラス・ホルト
地元の若い警察官ジェイミー・ボーエン役
タイ・シェリダン
FBI捜査官ジョアン・カーニー役
ジャーニー・スモレット
ボブの妻、デビー・マシューズ役
アリソン・オリバー
ユダヤ人のラジオ司会者アラン・バーグ役
マーク・マロン
ボブの恋人、ジラ・クレイグ役
オデッサ・ヤング
ボブの息子クリントン・マシューズ役
ハクスリー・フィッシャー
犯人ブルース・ピアース役
セバスチャン・ピゴット
犯人のデイビッド・レーン役
フィリップ・フォレスト・ルウィツキー
犯人のトニー・トーレス役
マティアス・ルーカス
ゲイリー・ヤーブロー役
ジョージ・チョルトフ
リチャード・バトラー牧師役
ヴィクター・スレザック
保安官ロフトリン役
フィリップ・グレンジャー
ウォルター・ウェスト役
ダニエル・ドヘニー
等が出演しています。
実話を基にした映画
映画「オーダー」は実話を基にした映画であります。
映画で描かれていることは実際にあった事を映画化したものです。
映画で出てくる『ターナー日記』は、ウィリアム・ルーサー・ピアース著書で、近未来の米国を舞台とした人種間闘争を題材としており、「民族の裏切り者」(race traitors)、すなわちユダヤ人、同性愛者、異人種(白人と非白人)間結婚ないし交際を行っている者を対象とした激しい暴力描写が描かれています。
『ターナー日記』は1980年代初頭の白人至上主義革命を求める国家主義組織に影響を与えました。
影響を受けたグループは沈黙の同胞(Silent Brotherhood)、あるいは単にザ・オーダー(The Order)と自称しています。
ニコラス・ホルトが演じるボブ・マシューズがそのリーダとなり、問題を起こしていましたね。
映画の題名でもある「The Order」はここから来ています。
ザ・オーダーは同じく白人至上主義グループであるアーリアン・ネーションズから分離したグループの1つで、合法的な政治活動に基づく「安楽椅子革命」(armchair revolutionaries)に反発を覚えた過激派であります。
彼らは映画でも描かれていますが、紙幣の偽造や銀行強盗など様々な犯罪行為に関与していました。
ザ・オーダーの指導者だったロバート・ジェイ・マシューズ(映画ではボブ・マシューズ(ニコラス・ホスト演じる))は、ワシントン州ウィドビー島のアジトにて取り囲んだ約75人の連邦法執行官との銃撃戦で生きたまま焼死しました。
映画でもその部分は描かれています。
検死の結果、マシューズは火傷と煙の吸入により死亡したと結論付けられました。
マシューズは警察官に向けて1,000発以上の銃弾を発射しましたが、負傷した警察官はいなかったそうです。
最終的に、組織犯罪、共謀、偽造、盗難金の輸送、装甲車強盗、公民権侵害などの罪で、数十人が組織に関連する犯罪で有罪判決を受けた。最長252年の刑が言い渡されました。
後にその名を知られるデヴィッド・レーンを含むザ・オーダー主要メンバーは全員が逮捕され連邦刑務所に送られましたが、未だに白人至上主義に対する支持を表明している者が多いそうです。
あらすじ&ネタバレ!
1983年、ブルース・ピアースとゲイリー・ヤーブローは狩猟旅行を装ってウォルター・ウェストを夜の森に誘い出し、殺害した。
ベテランFBI捜査官テリー・ハスクは、クー・クラックス・クランやラ・コーザ・ノストラの捜査に携わった後、より容易な案件を探し、疎遠になっていた妻と娘を説得して再会させようと、長い間空きのままだったアイダホ州コー・ダレーンの現地事務所を再開する 。
ワシントン州スポケーンでは、ボブ・マシューズ、ピアース、ヤーブロー、デビッド・レーンが ワシントン・ミューチュアル支店に対して強盗する。
その後、マシューズは妊娠中の愛人を訪ね、その後妻を訪ね、それぞれに強盗で得た現金の袋を渡す。
アーリアン・ネーションズとその創設者リチャード・バトラーに関する事件ファイルを確認した後、ハスクは地元の保安官事務所に自己紹介し、ジェイミー・ボーエン副保安官と会い、アイダホ州ヘイデン・レイクにあるバトラーの屋敷に案内すると申し出る。
混血の家族を持つボーエンは、数週間前から行方不明になっているウェストは幼なじみでアーリアン・ネーションズのメンバーであり、同グループが紙幣を偽造しているとハスクに話した。
ボーエンは、同グループが最近のシナゴーグ爆破事件や、スポケーンでの事件を含む一連の強盗事件にも関与していると疑っている。
ハスクは同僚のFBI捜査官ジョアン・カーニーと会い、強盗と同時期にスポケーンのポルノショップで不発弾が見つかったと聞かされる。
ウェストの妻はハスクとボーエンを、ピアスとヤーブローがウェストを狩りに連れて行った場所へと案内し、浅い墓の中でウェストの遺体を発見する。
ハスクとボーエンはバトラーの屋敷を訪ねる。
バトラーは、グループの印刷機を使って偽造をしたとしてピアスとヤーブローをアーリアン・ネーションズから追放したことを告げ、その後の彼らの活動については知らないと否定する。
彼らが立ち去るとき、ハスクは屋敷内の教会に飾られている本に気づく。
その本はウェストの殺害現場にもあった。
バトラーはそれが白人至上主義の小説『ターナーの日記』だと特定する。
その後、バトラーは分派グループの活動についてマシューズと対峙する。
バトラーは法の範囲内で活動し、白人至上主義者を公職に選出しようとしているが、マシューズは国内テロを通じて白人分離主義を推進しようとしている。
バトラーはアシスタントに『ターナーの日記』のコピーをボーエンの自宅に届けさせ、マシューズの計画を警察に密告しようとしていた。
ヤーブローは、マシューズが装甲車の強盗を指揮できるように、ポルノ映画館を爆破する。
ハスクは援軍を待つことを拒否し、強盗を止めようとするが、数で劣勢で、一方、ボーウェンは固まって攻撃をせず、ハスクを怒らせる。
ヘラジカ狩りの最中、ハスクは自分がまだ誰だか分からないマシューズに監視されていることに気づく。二人は話をし、マシューズは立ち去る前にハスクを睨みつけに脅かした。
ボーエンは『ターナーの日記』を研究し、分派グループが現在『オーダー』と名乗っており、この小説を連邦政府を転覆させ人種戦争を勃発させるための青写真として利用していると考えていることをハスクに説明する。
マシューズは、ラジオ番組に電話をかけてくる反ユダヤ主義者と頻繁にオンエアで口論しているユダヤ人トーク番組の司会者アラン・バーグを暗殺するために、ピアースをデンバーに派遣する。マシューズはカリフォルニア州ユカイアで別の装甲車強盗を率いる。
犯行現場に落ちた銃から、警察はマシューズのために銃を購入した新人のトニー・トーレスにたどり着く。
トーレスは情報提供者となり、警察をマシューズとの面会に導く。
ハスクはまたもや援護を待たずにマシューズを逮捕しようとし、銃撃戦となる。
今度はボーエンが飛び出して援護射撃を行う。
ヤーブローは逮捕され、逃走中のボーエンをマシューズが撃つ。
ハスクは追跡を中止してボーエンを救おうとするが、ボーエンは倒れてそのまま息を引き取る。
マシューズはピアースとレーンとともにワシントン州ウィッビー島の隠れ家に逃げ込み、連邦政府に「宣戦布告」して大規模なテロ攻撃を企てる。
ハスクとカーニーはFBIの急襲を指揮し、ピアースとレーンは逃走を図ってすぐに逮捕される。
マシューズは抵抗し、家に突入しようとするFBIを撃退する。
ハスクはマシューズを追い出すために家を燃やすよう命じるが、マシューズが出てこないため、ハスクはマシューズに降伏するよう説得しようと1人で家に入る。
マシューズは拒否し、火事で大量の弾薬が爆発したためハスクは撤退を余儀なくされる。
襲撃後、ハスクは狩りに出かける。
彼が先ほどと同じヘラジカにライフルを向けるところで映画は終わる。
エンドロールでは、実際のボブ・マシューズは1984年12月8日にウィッビー島で死亡した事、残った仲間は2年後に投獄されたこと、ブルースとデビッドは合計300年以上の刑期に、ゲイリーも85年の実刑判決を受けたことそして『ターナーの日記』がオクラホマシティ爆破事件や2021年1月6日の米国議会議事堂襲撃など、数多くの国内テロ事件に影響を与えたことが説明されている。

ラストが中途半端に感じましたが、実話を基にした作品だからこんなもんでしょうか?
豪華俳優陣でなかなか見ごたえがある映画でした。
「オーダー」のような実話を基にした作品は興味深い作品が盛りだくさんです。