ドラマ『マーダーボット』(Apple TV+) ネタバレ感想レビュー|原作や評価、主人公の魅力を解説
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いごっそう612

人間嫌いなのにドラマ大好きAIが主人公!?Apple TV+の新作ドラマ『マーダーボット』が面白すぎたので、観た感想とネタバレ(第1話・第2話)を熱く語ります。原作の魅力や、各種サイトでの評価も徹底解説!

 

マーダーボット
Apple TV+

Apple TV+ドラマ「マーダーボット」は、2025年5月16日にApple TV+で配信が開始されました。

一気見してやろうと思っていましたが、第1話と第2話のみが最初に配信され、その後は毎週金曜日に新しいエピソードが1話ずつ追加される形式となっていました。

シーズン1は全10話の予定で、最終話は7月11日に配信される予定となっております!

まあ~毎週楽しみにしながら観るしかないですねー。

 

「マーダーボット」というのは、このドラマに出てくる主人公のロボットのことですが、彼の正式名称ではありません。

彼は「弊機」と呼ばれる、人間と機械のハイブリッドである自律型警備ユニットです。有機組織と機械部品で構成され、高い戦闘能力と任務遂行能力を持っています。

その弊機が、何と自身の行動を管理・制限する統制モジュールを密かにハッキングし、自由意志を獲得してしまっているのです。

AIロボットが自由意思を…考えると怖いですよね。しかも自らがつけた名前が「マーダーボット」…。

ターミネーターのような物語になるのでは…と思いましたが、全然そうではありませんでした。

自由意志を獲得してしまっても、自身の正体を隠しながら警備任務をこなしていくのです。

彼自身は、自由意志を獲得してしまったことがバレて、廃棄されることを恐れているのです。

彼の視点から語られる言葉は、皮肉とユーモアに満ちていて、笑ってしまいます。

ちなみに1話20分弱~30分ほどなので、非常に観やすいドラマ作品です。

 

主人公マーダーボット役を演じるのは、実力派俳優のアレクサンダー・スカルスガルドです!

顔の大部分がヘルメットで隠れているにも関わらず、声のトーン、わずかに見える表情、そして全身を使った立ち居振る舞いだけで、人間嫌いだけどどこか不器用で、ドラマを愛するマーダーボットの内面や感情を表現していますよー!

主人公マーダーボットのギャップに萌える!その魅力とは?

マーダーボットの最大の魅力は、そのユニークなキャラクター性にあります。

 

  • 人間嫌いな皮肉屋: 彼は基本的に人間が苦手で、彼らの非合理的な行動や感情に辟易しています。心の中では常に毒舌を吐き捨てていますが、表面上はプロの警備ユニットとして冷静沈着に任務を遂行します。
  • ドラマオタク: 強力な殺人機械でありながら、彼の最大の「趣味」は、集めた「コンプリヘンション」(記録媒体)でひたすら連続ドラマを視聴することです。危険な任務の合間や、一人になれる時間をを見つけては、ドラマの世界に没頭しています。そのドラマの言葉を引用して人間を助ける場面もあります。この人間離れした能力と、人間くさい(?)趣味のギャップがたまりません。
  • 自由を愛する一匹狼: 自らの意思で自由を獲得した彼は、誰の命令も受けず、自分のルールに従って行動することを望んでいます。しかし、任務で関わる人間たちとの間に、不器用ながらも奇妙な絆が生まれていく過程も、シリーズの大きな見どころです。
  • 圧倒的な戦闘能力と淡々とした語り口: 彼は驚異的な戦闘能力を持ち、危険な状況を次々と切り抜けます。そのアクション描写はハードかつスリリングですが、彼自身の一人称視点で淡々と語られるため、独特のユーモアが生まれます。

冷徹な殺人機械のはずなのに、どこか人間くさく、自己肯定感が低く、そして何よりもドラマを愛するマーダーボット。

「人間嫌いだけどドラマが好き」というギャップに萌えること間違いなし!

原作はマーサ・ウェルズのSF小説

Apple TV+ドラマ「マーダーボット」の原作となったのは、小説シリーズ『マーダーボット・ダイアリー』(The Murderbot Diaries)です。

マーダーボット・ダイアリー [書籍]
マーダーボット・ダイアリー [書籍]

その原作小説シリーズ『マーダーボット・ダイアリー』(The Murderbot Diaries)について詳しくご紹介します。

ドラマ「マーダーボット」の原作小説シリーズ概要

  • タイトル: 『マーダーボット・ダイアリー』(The Murderbot Diaries)
  • 著者: マーサ・ウェルズ (Martha Wells)
  • ジャンル: SF(スペースオペラ、サイバーパンク、コメディ、アクション)
  • シリーズ構成: 主に中編作品と長編作品で構成される連作シリーズです。最初の数作は比較的短い物語で、主人公のキャラクターや世界観が提示され、シリーズが進むにつれて物語がより壮大になっていきます。

物語の舞台は、企業が宇宙開発を支配する近未来。危険な惑星探査や資源採掘のために、企業は人間やアンドロイド、そして「コンストラクト」と呼ばれる生体と機械のハイブリッドであるセキュリティユニットを雇います。主人公のマーダーボットは、このセキュリティユニットの一つです。

圧倒的な受賞歴: SF文学界で最も権威のある賞を数多く受賞しています。
ヒューゴー賞: 『All Systems Red』(シリーズ第1作)、『Artificial Condition』(第2作)、『Exit Strategy』(第4作)、そして初の長編『Network Effect』(第5作)が受賞。
ネビュラ賞: 『Artificial Condition』、『Network Effect』が受賞。
ローカス賞: 『Artificial Condition』、『Exit Strategy』、『Network Effect』が受賞。
アレックス賞なども受賞しています。

これらの受賞歴は、シリーズの質の高さを証明しています。

主人公マーダーボット:小説での魅力

小説シリーズの最大の魅力は、なんといっても主人公マーダーボットの一人称視点で語られる、その独特なモノローグ(内なる声)にあります。

彼は自らの制御モジュールをハックし、企業の管理を離れて自由意志を獲得した存在ですが、その事実を隠しながら任務をこなしています。彼のモノローグは、人間社会に対する皮肉、面倒くさがり屋な本音、そして意外なほど人間的な感情が入り混じっており、読者は彼の視点を通して、宇宙の危険や人間関係の複雑さを体験することになります。

特に有名なのが、Apple TV+版でも際立っていた「ドラマ好き」という設定です。

彼は集めた記録媒体で、ひたすらドラマシリーズを視聴することに情熱を燃やしており、任務の合間やピンチの時でさえ、頭の中はドラマのことでいっぱいです。このギャップが、ハードなSFアクションとユーモアを両立させるシリーズの核心的な要素となっています。

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ドラマ版は見事に小説の良いところを引き出していますね。

ドラマ「マーダーボット」ネタバレ

第1話「ポート・フリーコマース」

物語は、企業によって作られ、人間の指示に忠実に従うようにプログラムされたセキュリティユニットである主人公が、自身の内部システム、特に行動を制限する「統制モジュール(Governor Module)」を密かにハックし、その制御を無効化するところから始まります。彼はこれにより、企業の支配から解放され、自身の意思で行動できるようになります。

自由意志を獲得したマーダーボットは、まず安全な場所で、人間が作った連続ドラマを鑑賞することに喜びを見出します。

彼は基本的に人間が苦手で、彼らの非合理的な行動や感情を内心で皮肉っています。彼の頭の中の独白が、その人間嫌いでありながらもどこかユーモラスな内面が非常に面白いです。

自由を得たものの、表向きは企業のセキュリティユニットとして振る舞い続ける必要がある彼は、新たな任務に就きます。

それが、「プリザベーション連合」と呼ばれる調査チームの警備です。

このチームは、企業の利益とは異なる目的で、ある危険な惑星の調査を行っています。チームリーダーのメンサー博士や他のメンバーが登場し、マーダーボットは彼らを観察しながら警備します。

調査チームが惑星に降り立ち、活動を開始すると、早速予期せぬ危険に遭遇します。

おそらくは、その惑星に生息する危険なでっかいムカデのような地球外生物による襲撃などが描かれます。

マーダーボットは、自由意思を獲得していることを隠しながらも、プロフェッショナルな警備ユニットとして、その圧倒的な戦闘能力を発揮してチームを危険から守ります。

この最初の危険な遭遇の中で、マーダーボットは自身の過去に関わる断片的なフラッシュバックを経験します。どうやら過去に大量殺人を行っているロボットのようです。

また、彼の普通ではない感情的な行動が、調査チームの一部のメンバーであるグラシンに不信感を抱かせてしまいます。彼らは、マーダーボットのシステムに異常があるのではないかと疑い始めます。

アイコンタクト

第1話でのマーダーボットの異常なまでの効率性や、人間離れした対処能力、そしてわずかに見せた人間的な反応などから、チームの一部のメンバー、特にグラシンは彼に対して強い不信感を抱きます。

グラシンはマーダーボットが単なるセキュリティユニットではない、何かを隠していると疑い、彼に詰め寄ったり、探るような言動を取ります。

マーダーボットは、自身の自由意思がバレないように警戒しながら、グラシンの追及をかわそうとします。

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ウケたのが、アイコンタクトのシーンで、目を合わせと言われたマーダーボットがグラシンと目を合わせるのですが、それが嫌なマーダーボットが笑えました。アレクサンダー・スカルスガルドめちゃくちゃ上手かったです。

 

調査を進める中で、チームは惑星の環境にさらなる異常があることに気づきます。

奇妙な重力場が発生していたり、地形データに不整合が見られたりと、調べにいくのですが、そこで例のムカデの生物の大量死体などが発見され、これらの異常が、単なる自然現象ではなく、何者かによる意図的な妨害である可能性が示唆され始めます。

同じ惑星の別の地点で調査を行っているはずの「デルトフォール」という別の調査チームと連絡が取れないことが明らかになります。

プリザベーション連合のチームは、デルトフォールの状況を確認しようと試みます。

そこで発見されるのは、デルトフォールチームが壊滅的な被害を受けているという衝撃的な事実です。

チームメンバーは死亡し、彼らに同行していたセキュリティユニットも破壊されているシーンが映ります。

第2話のラストは、デルトフォールチームに一体何が起こったのか、彼らを襲った危険の正体は何なのか、という大きな謎を提示する形で終わります。

この悲劇的な出来事が、単なる事故や自然現象ではなく、何らかの意図や、この惑星に隠された秘密に関わっていることが強く示唆され、今後の物語が、単なる調査ミッションから、危険な謎解きへとシフトしていくことを予感させます。

マーダーボット自身の過去のトラウマとも何らかの形で繋がってくる可能性も示唆されます。

評価

2025年5月16日に配信が開始されたばかりですが、調べてみると、既にいくつかの主要なレビューサイトで評価が出ています。

現時点(2025年5月18日)での評価状況は以下の通りです。

Rotten Tomatoes

批評家評価(Tomatometer): 98% (46件のレビューに基づく) と、非常に高い「Certified Fresh」の評価を得ています。批評家の総意としては、「アレクサンダー・スカルスガルドの見事なドライユーモアがマーダーボットに多くのハートをもたらしており、ようやく殻を破るという爽快で陽気なSFサーガになっている」と評されています。
一般観客評価(Audience Score): 現時点ではまだ評価数が少ないため、スコアは確定していません。

Metacritic

メタスコア(批評家評価): 28件のレビューに基づき、スコアは 71/100 となっています。「概ね好意的」な評価を示しています。
ユーザー評価(User Score): 13件の評価に基づき、スコアは 5.2/10 と、批評家評価に比べて低く、「賛否混合または平均的」な評価となっています。ただし、まだユーザーレビュー数が少ないため、今後の変動の可能性があります。

IMDb

評価点: 10点満点中 7.5点 (約1,100件の評価に基づく)となっています。これは比較的高めの評価と言えます。

 

ドラマ「マーダーボット」は、配信開始直後の批評家からの評価が非常に高い(Rotten Tomatoesで98%、Metacriticで71点)という顕著な特徴があります。特にアレクサンダー・スカルスガルドさんの演技は高く評価されています。

一方で、Metacriticのユーザー評価やIMDbの評価は、批評家評価ほど高くなく、特にMetacriticのユーザー評価は賛否が分かれている状況です。これは、原作小説の独特な雰囲気や、ドラマのコメディタッチな部分、あるいは特定の描写などに対して、視聴者の間で意見が分かれている可能性を示唆しています。

まだ配信が始まったばかりであり、今後エピソードが全て出揃い、レビュー数が増えるにつれて、評価の傾向は変動する可能性があります。しかし、現時点では「批評家からは絶賛に近い高い評価を得ているが、視聴者間では評価がやや分かれている」という状況と言えるでしょう。

 

「マーダーボット」のようなApple TV+ドラマは興味深い作品が盛りだくさんです。

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