ママがやって来る…スティーヴン・キングが最高傑作と絶賛し、ギレルモ・デル・トロ監督が2017年のベスト10映画に選出したというメキシコ産ホラー映画があるのです。
その映画の名は…
「ザ・マミー」
『ザ・マミー』は、ギャングに連れ去られ、行方不明となった母を捜す少女を待ち受ける残酷な運命と想像を絶する恐怖を描き、世界各地の映画祭で話題となったしたメキシコ産ホラー映画です。
日本では「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映、監督は脚本家としても活躍しているイッサ・ロペス、出演はロドリゴ・コルテス、テノッチ・ウエルタ、パオラ・ララ等。
あらすじ
11歳の少女エストレヤは、ギャングに連れ去られ、行方不明となった母親を捜すため、家を出る。だが、その日を境に彼女の耳には不気味な声が届き始め、奇妙なものが見えるようになる。母の声、引きずり込もうとする腕、話す人形、動く血の模様、死者たち……。そしてある日、ギャングの1人が何者かによって殺害されると、再び母の声が聞こえてくる。その声は、ギャングを殺した男がエストレヤを捜しに来ると告げる。さらに、“その男を自分の元に連れてくるように”との言葉を残してどこかへ消えてゆくが……。
ネタバレと感想
何というか…一応ホラー映画なんですけど、舞台がメキシコ麻薬戦争真っ最中のメキシコ、そして主人公はギャングに親を殺された娘、その仲間となるのはストリートチルドレンというだけあって、ホラーまっしぐらというより社会派サスペンスという色合いが強いです。
メキシコの状況は「ボーダーライン」という映画で知ったのですが、凄いですよね…。怖すぎですよ!
「ザ・マミー」でも、容赦なく子供が殺されたり…殺人動画を警察に見せても逃げ去ってしまうという様なシーンがあります…。
平和ボケした僕ら日本人には、想像もできない暗黒の世界…。日本に生まれて良かったなあ~と痛感してしまいます。
ここまで書いてて思ったんですけど、やっぱホラーのイメージより社会派色がより強いですね。
されど一応はホラー映画なんですよ、序盤の血が追っていくシーンはけっこう斬新で、僕はめっちゃ期待感に満ち溢れました。
しかし、期待に添わずホラーで怖い映画というイメージは無いです。メキシコ怖い…てのはあるけど💦
そうそう原題はスペイン語で“Vuelven”、日本語に訳すと意味は“戻って来る”。邦題は「ザ・マミー」…。包帯ぐるぐる巻きのあれでは無く、母親のマミーです。
センスの無い邦題と、怖い怖いと過剰なホラー宣伝で思っていた映画とは違いました。怖い映画を観たい人にはあまりオススメできるような映画ではありません。僕もちょっと期待した映画とは違いましたしね。
でもね、色々な人が書いてますが「パンズ・ラビリンス」っぽさがあって、けっこう良い映画ではあるんですよ。色濃く出た社会派の面と子供たちの姿が、凄く良い要素に働いています。
スティーヴン・キングがやギレルモ・デル・トロが絶賛しているのも、その部分でしょうね。
まあ、中途半端と言ったら中途半端…。ホラー要素を隠して、スティーヴン・キングがやギレルモ・デル・トロが絶賛というところだけ宣伝した方が、逆に良い方向になった様な気がします。
ホラーでは無いと思って観て欲しいですね。そしたらマミーが出てくるラストシーンも、何かしら心に響くものになったかも知れません。
予告編